海野かもめ

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    • 読了本『さいはての家』

      彩瀬まるさんの『さいはての家』を読みました。 町田そのこさんの『うつくしが丘の不幸の家』がとても面白かったと知人に話したところ、「じゃあこれも好きかも」と薦められた本です。 彩瀬まるさんの本はこちらが初めて。 女性らしい、丁寧でしっとりとした文章表現をされる方だなと思いました。 以下はAmazonの商品紹介より 連作短編ではあるのですが、連作感はあまり強くはありません。 短編として楽しめる作品です。 「さいはて」という言葉を裏切らない、なかなかに絶望感や終末感を感じる

      • 読了本『うつくしが丘の不幸の家』

        「2021年本屋大賞」ノミネート『52ヘルツのクジラたち』著者、町田そのこさんの『うつくしが丘の不幸の家』を読みました。 『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』、『52ヘルツのクジラたち』に続く読了3冊めです。 私がこの本を手にしたとき、知人が「出版元がミステリーに特化しているところなのに、どうしてここから出したのだろう」と言っていました。 東京創元社、確かにミステリー雑誌や書籍を多数出版している出版社ですね。ただ、「2020年本屋大賞」を受賞した凪良 ゆうさんの『流浪の月』

        • 読了本『反応しない練習』

          いろいろなものに振り回されていた私。 知人が薦められ、累計18万部突破のロングセラー、草薙 龍瞬さんの『反応しない練習』を読みました。 常に順風満帆の人などいなくて、毎日何かしら「不快」と感じること、ありますよね。 苦手な人がいたり、くよくよしてしまう出来事があったり、、、 「自分の気持ちがコントロールできたらどんなに楽だろう」と思ったこと、皆さんあると思います。 仕事、家庭、人間関係、恋愛… そこから発現する「ストレス」や「不安」をやわらげたい、それらを感じる自分を変え

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          読了本『52ヘルツのクジラたち』

          「2021年本屋大賞」ノミネート作品の町田そのこさん『52ヘルツのクジラたち』を読みました。 町田さんの本は2016年に「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した作品を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』以来2冊め。 『夜空に泳ぐ〜』を読んだときは、とてもデビュー作とは思えないその完成度の高さに驚き、感動したのを覚えています。 本作は、児童虐待やLGBTQという重いモチーフを扱いながらも、読後感は温かく穏やかなものでした。 残酷で、哀しい描写がたくさん

          読了本『52ヘルツのクジラたち』