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【三泊四日で富山を巡る③】こんな街で暮らせたらQOLも上がるはず

三泊四日で富山を味わい尽くす欲張りツアー。続いてのテーマは、アートです。地方都市とは思えぬほど素敵な美術館や図書館が揃う富山の中心部。路面電車に揺られて街を巡ると、それだけで心が豊かになるよねという話。

立山黒部アルペンルートを堪能して、富山駅そばのホテル「ホテルヴィスキオ 富山」に着いたのは夜7時前。夕食の予約は9時なので、少し時間が余っている。それならばと、ホテルの目の前を走る路面電車に乗ることに。

路面電車を中心としたコンパクトシティを目指しているだけに、街の規模の割に多くの路線や本数が走っていて、まさに暮らしの足。

夕暮れの路面電車なんてたまらんね

ガタゴトと10分ほど揺られて着いたのは「富山市ガラス美術館」。比較的早く閉まることが多い美術館でも、ここは20時まで営業。仕事終わりに行ったりするのだろうか。路面電車で美術館へ、が日常なんてうらやましいな。

閉館まで1時間を切った金曜夜の美術館は、さすがに人も少ない。建物の外観はもちろん、内装もおしゃれ。吹き抜けの解放感に、ずらりと並ぶ本棚。あれ?これ図書館だよね。

木を見たら隈と思え

この美術館は「TOYAMAキラリ」という複合施設で、図書館も併設されているのです。木材を多用した内装から察する通り、建築は隈研吾。ここにもいたか、隈研吾。素敵だけれど、さすがに多すぎ。

キラリ言うだけあってキラキラ

美術館の観覧料は200円。気軽に楽しめる値段感に、展示ボリューム。この日のコレクションは「交錯する素材」というテーマで、ガラスと異素材を組み合わせた作品を展示。触ってみたい気持ちを抑えつつ、鑑賞。

常設展の一部は撮影可能だったのだけれど、SNSでの展開はNGとのこと。ビジュアル的にそれこそ「映える」作品なのに、ちょっともったいない話。誰かのSNSをきっかけに訪れる人もいそうなのに。

美術館を出る頃には、気持ちはすっかり図書館に。「また隈研吾か」と思いつつ、ワクワクです。この「富山市立図書館」は整然さと、柔らかさが良いバランスで成立していて、しかも蔵書の数もなかなか。

案内表示の見せ方がまた良いのです

カフェを併設したりという訳でもなく、しっかり「本」が主役でありながら、オシャレな図書館として成立しているのが凄いなと。さすが、隈研吾。多すぎとか言ってごめんなさい。

翌朝。今度は富山駅を挟んで北側の「富山県美術館」へ。こちらも常設展は300円とリーズナブル。ちょうど音楽をテーマにしたポスター展が開かれていたので、じっくり見て回ります(写真NGなのが残念)。

青空によく映える建物ですね

スクリーンに向かって手を振ったり体を動かすと、その軌道を描くインタラクティブアートもあって、これがまた楽しい。必死に動き回るアラフィフおじさん。誰もいなくてよかった(こちらは写真OKですが、自主NG)。

屋上も展示スペースになっていて、デザイナー佐藤卓が手がけた「オノマトペの屋上」には、その名の通り「つるつる」「うとうと」と銘打った子供が遊べる遊具があちこちに。

数ある遊具からこれを選ぶ私

強い日差しに、遊具を撮影するにとどまり早々に退散。遊具もさることながら、隣接する環水公園の眺めが海外のよう(冬なら立山連峰が見れるらしい)。そう、この美術館はロケーションが抜群に良いのです。

高い建物が無いのがまた良いね

では、美術館を後にして、環水公園へ向かいます。正式名称は「富岩運河環水公園」というだけあって、公園の中には運河が。水と緑があふれ、広くて気持ちの良い公園です。

そして、この公園の名所は世界一美しい「スターバックス富山環水公園店」。ここも楽しみにしていたスポットの一つです。土曜の午前中ながら、結構な人だかり。すっかり観光名所ですね。

店へのアプローチからオシャレ

ちょうどよく窓際の席を確保したので、ほうじ茶ティーラテを飲みながら、まったりと。優雅に運河を眺めます。運河には観光船も通っていて、レンガ造りの橋を眺めていると、気分はヨーロッパ。

次に来るなら船に乗りたい

路面電車で美術館や図書館に足を運んだり、手軽にアートを楽しめたり、広々とした景色の中でコーヒーを飲んだり。そんな豊かな気持ちを日常的に味わえるというのは、本当に贅沢なこと。

こうした施設が揃う街は何も富山だけではない。ただ、駅を中心にこれだけ近距離に集まっていて、そのどれもクオリティが高いというのは少ないのでは。何度も言うようで何ですが、それを路面電車で巡れるのも嬉しい。

きっと、それはコンパクトな街づくりを目指す富山だからこそ。綿密な都市計画を掲げ、それがちゃんと形になっている富山そのものが、実は一番のアートなのかもしれませんね。ああ、うらやましい。


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