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孤独の誕生日から、1年で移住、転職、結婚を経て気付いた10の知見。

順風満帆の人生のはずだった。

ただ、そう言い聞かせてきただけだった。


昨年の誕生日、1人箱根で1年を振り返ると、

箱根でクラフトビールを飲みながら。


孤独


の2文字が頭を支配していた。



自分は有能でも何でもないこと。にも拘らず有能だと信じて傲慢な態度を取っていたこと。友人が多いと思っていたのに、辛い時に頼れる友人がいなかったこと。それは過去の自分の傲慢な態度の結果であること。

そんな現実に直面し、絶望していた。



人生が一変したのは、1年半前に心を壊してからだった。

気付かぬうちに人より有能であることを目指すようになり、人生の多くの時間を有能であることに費やしていた自分が、心を壊して有能でいられなくなった。

10年前から心理学に興味を持ち、幸福を切望し、幸福についての書籍をたくさん読んでいたにも関わらず、心を壊してしまう自分の無能さにも絶望した。


そこから自分の人生を再構築するために、1年間で移住、転職を済ませ、絶望の時期に傍にいてくれた恋人と入籍し、今日こうしてまた誕生日を迎えている。

今年の誕生日は、京都、宇治川を見ながら。


人生で1番で濃く、1番成長し、酸いも甘いも嚙み分けたこの1年間で気付いた10の知見を残しておこうと思う。


1.世界は愛を中心に回っている。


孤独になって初めて、

人間関係に満足していない限り、幸せにはなれない。

という事実を知った。


このことに気付くまでの自分は、正しいと思えば力づくで戦い、勝ち続けることで自分の有能さを証明し、自分の存在意義を確認するような奴だった。


孤独になって初めて、

・有能になることで愛を欲していたこと
・でも、本当は素を愛して欲しかったこと

に気付くと、全ての世界が変わって見えた。


ほとんどの対人関係での行動の裏の「誰かに認めてほしい」感情が急速に見えるようになり、

・有能さを求めているあの人も
・他人に厳しく当たるあの人も
・SNSでキラキラしてるあの人も
・誰にでも愛想がよいあの人も
・人に興味なさそうなあの人も

皆、愛が欲しかったのだ。

彼ら、彼女らも、深層心理で不安や孤独を感じながら、様々な形で自己表現をしていることに気付いた。


人は感情で言葉を発し、論理で正当化する。

愛が欲しいから、生産性の低い社内資料の作成に躍起になり、論理で「共通認識を取ることが重要」と正当化する。

愛が欲しいから、自分の有能さを誇示する発言を行い、論理で「他人のためのアドバイス」と正当化する。

愛が欲しいから、SNSで他人を貶めることで自分の正しさを誇示する発言を行い、論理で「相手が未熟なのが悪い」と正当化する。


そんな世界の中で、これからは少しずつ愛を与える側の人間として生きていけたら、よりよい人生が待っているのではないか。

そう気づいてから、

・相手の感性と価値観を尊重すること
・些細なgive&takeを増やすこと
・悪口を極力やめること

を心掛けるようになって、以前のように他人にイライラすることは大分少なくなった。


とはいえ、所詮は他人同士なので、万人に好かれることも、100%分かり合うことは不可能である。

それでも、お互いにとって良い関係性を築くことを諦めずに、良い関係性を増やしていくことをこれからも心掛けていきたい。


▼関連書籍



2.結婚は、とても素晴らしい。

世界が愛で回っているのならば、それを最も深く手に入れる行為の1つが結婚だと思う。

蹴上インクラインで撮影してもらった写真


結局、1日の半分以上は妻と過ごしている今の状況を考えると、人生で最も重要な人間関係の大部分を占めるのが結婚生活であり、実際にとても充実している。


・些細な日常を共有できる人がいること
・料理を頑張ろうと思える人がいること
・夜散歩に付き合ってくれる人がいること
・一緒にアマプラを楽しめる人がいること
・落ち込んだ時に癒してくれる人がいること
・知らない楽しみを教えてくれる人がいること
・何より毎日好きな人が近くにいること


どれも1人で生きていた時には想像しえなかった感覚で、素直に結婚して本当に良かったと思っている。



3.本当に大切なものは、目に見えない。

無料席で、半分見えなかった琵琶湖花火大会。


成果が愛を中心に回っていること。

結婚が素晴らしいということ。

誰もそんなことは教えてくれなかった。だから、本当に大切なものは目に見えないのだと思う。



ネットでは、

・お金持ちになる方法
・有能になる方法
・意中の異性を口説く方法

はPVが伸びるし、金持ちとモテを目指している人は、たくさん周りにいる。


・幸せに生きる方法
・ありのままの自分を認める方法
・恋人/結婚生活を充実させる方法

はPVが伸びないし、意識して取り組んでいる人は、あまり見かけない。


・難関大学卒業
・上場企業勤務
・年収1000万
・フォロワー1万人
・経験人数〇人

そんな分かりやすい肩書きがあれば、幸せになれると錯覚するのは、単純さを好む脳のバグである。

他人基準で決まる幸せは分かりやすいが、結局は目に見えないものをどれだけ追求できるかが大切である。



4.自分を愛した先に、他者と共存できる。

どんな自分でも愛せそうになる広大なびわ湖。


自分に自信があると思っていたのは虚勢であり、本当は途轍もなく自己肯定感が低かったことに気付いたのは、心を壊した1年半前のことだ。


そこから自己肯定感を取り戻すための日々を過ごした。

▼より詳細はこちらにて

自己肯定感:ありのままの自分を肯定する感覚
自己効力感:自分は「やればできる」という感覚

参考:https://talknote.com/magazine/self-efficacy/


今まで他人の評価で存在意義を見出していたから、何もできなくてもただ存在するだけでよいと認めることは、想像以上に難しい。今までそこに縋ってきたからこそ、

何もできなければ、社会から取り残されてしまうのではないか。

という不安が常に付きまとう。


それでも、何もない自分を認め続けて過ごした1年で気付いたことは、真逆の事実で、

何もない自分を愛することが出来れば、誰だって愛することができて、社会と共存できるようになる。

ことであった。


自分に厳しかった20代前半のころは、

・これくらい出来て当たり前だろう。
・この人は○○と○○が出来ていない。
・この人は人の気持ちが分からない。

など、無意識のうちに他人に向ける目線も厳しくなり、それを態度や言葉に出さないように強く意識して過ごしていたから、自分の心と行動に乖離が生まれ、生きづらかったのだ。


繰り返すが、本当に大切なものは、目に見えない。

誰の目に見えない自分の感情を守ることが、同じく目に見えない他社との関係性を築くための鍵となっている。


▼参考書籍



5.今いる世界は、とてつもなく狭い。

5-1.移住編

移住して、生きる場所が変わった。

移住生活は最高で、大好きな鴨川、賀茂川がすぐ近くにあって、この場所にいるだけで、幸せな気持ちになることができる。

好きすぎて何度徒歩45分の鴨川デルタまで散歩し、出町座で映画を観たか、数えきれないほどである。

家の近くの賀茂川は、夕陽がとても綺麗。
赤と青のコントラストが美しい鴨川デルタ。


東京は嫌いではないが、自分には京都の方が居心地が何倍もよい。

日本は広いのだから、馴染まなければ狭い環境に閉じず、好きな場所に住めばよいと思う。


ちなみに京都に来てから出会った人は下記のような人たちで、

・東京から京都に拠点を移した美容師さん
・過去1番積極的に話す居酒屋のお兄さん
・農園で酵素野菜を育て、健康食を発信する人
・タイ古式マッサージの世界大会で受賞した人
・地方創生を目的に京都にUターンして働く人
・京都で雇用を作るために起業した人
・京都で開業したパーソナルトレーナー
・京都で開業した鍼灸師さん
・夫婦で旅をしながら働くフリーライター
・滋賀にUターンし、個人事業主で働く人
・滋賀の市役所で福祉の充実のために働く人

驚くべきことに、会社員の人にすらほとんど出会わないのだから、東京で市場価値を求めて、スキル高めていた世界がいかに狭かったのかを強く実感するのである。


5-2.転職編

更に転職し、務める会社も変わった。

・自分の夢の実現に必要な経験が得られて、
・得意を生かすことができて、
・フルリモートで不自由を感じない職場環境

の3拍子揃った今の会社は、大変刺激的な環境で、転職して本当に良かったと思っている。


そして面白いことに、こちらも今までの常識が全然通用しない。

詳しいことは割愛するが、今までの強みが弱みになったり、今まで禁止されていたことが推奨されていたりするから、それはもう驚きである。

前職で活躍していたあの人が、今の会社に来たら大活躍するとは思わないし、今の会社で大活躍しているあの人が、前職に転職しても大活躍するとは思わない。

一方で、前職のあの人なら、今の会社に来たら活躍できそうだと思ったりもする。


ある組織において有能な人物が、別の組織で有能でないかもしれない。

ある組織で活躍できない人が、有能ではないとも限らないかもしれない。


それくらいに、半径5mの世界は狭い。


5-3.結婚編

結婚生活でも、同じようなことが起こる。

金銭感覚、掃除や洗濯の頻度、食事の豪華さ、収納の仕方、スピード感、お出かけの頻度、起床就寝のタイミングなども、家庭によって異なり、自分の家族の常識が、相手の家族の常識じゃなかったりする。

当然、一緒に住む以上はお互い寄りそって、近づけていくしかないのだが、意外と相手の家族の常識が自分にハマることもあるから面白い。


5-4.総集編

だから、今いる世界が合わなければ、飛び出してみればいいし、憧れる世界があるなら行ってみればいいし、半径5mの世界で夢想しているからと言って、傲慢にならない方がいい。

そして、1人では全ての世界を見ることは不可能なのだから、時には人に流されながら、生きていくことで、世界が広がるように思う。


妻との結婚は、妻が3年付き合った恋人と別れたタイミングに恵まれたからであり、京都移住は京都が大好きな妻の影響は少なからずあり、今の会社への転職は、移住きっかけで、前職でお世話になった代理店に転職したので、流されまくって生きてきた人生だ。



6.人間に、対して能力の差はない。


3年前は、絶好調でやることなすこと全て上手く行き、色々な人からも評価されていた。

そこから3年間、キャリアという点では完全に停滞した。


それと同時に、3年前は何物でもなかった友人たちが、この3年で大きく飛躍して、社会で大活躍している報告をよく聞くようになった。

また3年前は調子が良かった友人で、僕と同じようにキャリアという点では停滞している友人も少なからず存在はしている。

これらの経験を経て分かったことは、人間の能力なんて大差なく、自分の実力だけで成功やキャリアをコントロールできる要素なんて、たかが知れていているということだと思う。


プロ野球では、

打率2割(4/20)なら試合に出れず、
打率2.5割(5/20)なら試合に出れて、
打率3割(6/20)なら1流選手である。

つまり、20回のうち19回は同じ結果でも、1回の結果が異なるだけで1流と2流の差が分かれる程度の差しかない。

試合によっては、打率2割の選手が3割の選手より活躍することだって多々あるのが、プロ野球の世界である。


だから、謙虚であることは大切だ。

今の成功は未熟な2割バッターがたまたま打って、1流の3割バッターが打ち損じただけの結果かもしれない。

上司に不満を持つこと、上司の考えに納得できないのも同じ原理だ。所詮上司だって3割バッターであるから、自分の方が優れている部分だって、多々あるものである。

それでも、長い期間を通せば3割打てるから上司なのであり、2割しか打てない自分は上司をリスペクトすること、打ち損じたときはカバーすることが重要である。

また、本当に自分が1年通したら3割打てる実力があれば、昇進できるはずなのだから、黙ってヒットを積み重ねればよい。


上手く行ったとしたら、それは大抵、

育った家庭環境、才能、性格、上司、部下、チームメンバー、時代のトレンド、市場環境、健康状態、ライフステージ、職務との相性、前任の成果、仕事の難易度、偶然の縁が7~8割を占めていると思う。

所詮人間には、残りの2~3割をコントロールする力しかない。


成功しても、失敗しても運のせいにすればいいし、1度の成功で調子に乗ってはいけないし、1度の失敗で落ち込みすぎる必要もない。

一喜一憂しすぎず、淡々とコントロール可能な2~3割を磨くことが重要であり、それができる人が1流の3割バッターなのである。



7.無意識の力を、なめてはいけない。

京都伝統の五山の送り火は、心を無にして味わった。


ただ、コントロール可能な2~3割を、自分の意志で磨けると考えるのが間違っているかもしれない。

今年の6月頃は移住、転職、結婚に成功し、そのどれもが刺激的で充実していて、幸せを感じられるはずだった。


しかし、なぜか心身ともに疲弊してしまった。

転職先で成果を残すために、毎日6時半から2時間勉強を義務付け、過去の成功体験を捨てて、あるべき姿を目指しつつ、結婚生活での家事や遊びも全力で行っていたところ、疲れてしまったのだ。


その時に実感したことが、

・仕事で思うように言葉が出ない
・妻といつものように良い雰囲気が作れない

ことで、頭で解決しようとしても、脳と体が反応できず、上手く回らないという現象に見舞われたことで、

・頭が本当に冴える時は無意識
・良いコミュニケーションができる時は無意識

であることに気付いた。振り返ると、

3年前の最も調子が良かった頃は、特に型を持たなくても自然にアイデアが降ってきて、そのアイデアに従うだけで、何もかもが上手く回っていた。

野球に例えると、ボールをよく見てしっかり降れば、何でもヒットになる状態だったので、自分のことを天才かと錯覚していたのも無理はないと思う。


だから無意識の力はものすごいと思う。

きっと脳はコンピューターみたいなものだと思う。

傷ついた経験があると、恐れから無意識に慎重に行動するような出力を行うし、情報が多すぎると処理に時間がかかって、アウトプットが遅くなる。

ただ、コンピューターと違って蓄積したデータを削除することはできないから、必ず成功体験や失敗体験が邪魔をし、過去の思考を2度繰り返すことはできないのだろう。

アスリートの成果の上下動があるのも、同様の理由だと思う。


結局6月の疲労状態は長らく続いたが、

・ポジティブな解釈し、それを脳に伝える。
・情報のインプットを減らし、脳を休める。

ことで大分回復し、無意識に質の高い思考ができる状態が戻ってきつつある。


だから自分の人生を意識的にコントロールしすぎるのはダメで、無意識に生成された直感に都度従いながら、スマホなどの悪習を意識的に抑制していくバランスで生きていくのが良いと思う。


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8.安定は不安定である

人生で1,2を争う変化の大きい1年を経て、安定こそ不安定だったことに気付いた。

この1年で住む場所、働く場所、過ごす人、お金の使い方、人との接し方、認知の仕方、ありとあらゆるものを再構築したわけだが、負荷が低いといえば噓になり、それなりに大変だった。

脳は狩猟時代に、新しいことをして死ぬリスクを減らすために、変化を嫌う習性があるから、当然変化があると抵抗し、また元に戻ろうとする。

だから、変わるのには労力がかかる。


ただ、そんな経験をした今、変化を受け入れるキャパシティーがだいぶ増えて、結果的に環境の変化に作用されずに、生きていけるようになった。

このまま凝り固まった価値観で生きていたら、変化を恐れるがゆえに自分で自分の首を絞め、余計に生きづらくなったのではないかと思う。

就活生のころ、

①安定した会社に入るか
②どの会社でも活躍できる状態になるか

で目先は①の方が安定するのだけど、将来的には②の方が安定するなと思って、大企業に就職しなかったことを思い出した。


だからこそ、凝り固まった価値観はどんどん捨てて、新しいことに挑戦していきたいと思っている。

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9.人は1日で変わらないが、365日あれば変わる。

真夏の比叡山。登山にショートカットはない。


1年前の今日は、今のように健やかに過ごし、前向きに働いているイメージは沸いていなかった。

良くなったと思ったら、元に戻り苦しくなる。

良くなったと思ったら、元に戻り苦しくなる。

そんな日々の繰り返しで、心が折れそうになった。

それでも人間それなりに生命力は強いもので、諦めずに試行錯誤を重ねるうちに、心の傷を癒すことが出来た。


人は1日では変わらない。

だから、1日で変わらなくても、焦ったり、落ち込む必要はない。

それでも、365日あれば変わる。

だから、結果を焦らずに、淡々とやるべきことをこなしていくのが良い。


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10.心と体を鍛えるのは万能薬になり得る

昨年、どうやってもストレスが減らずに、苦しかった時期を抜け出したきっかけが毎日15分の瞑想を取り入れることだった。

瞑想の効果自体は、心理学を学んでいた大学時代から知っていたが、毎日15分続けるハードルは想像以上に高く、何度か試みたが1か月以上習慣化することは1度もなかった。

それがある意味、瞑想に縋るしかない状況になったからこそ、毎日15分の瞑想を京都移住までの約半年間続けることになった。

結果、効果抜群だった。

ストレスを減らすために、ポジティブな解釈を試みたり、ストレス源を減らしたり、音楽に頼ったり、色々試みてみたが、根本解決には至らなかったところ、全て瞑想が救ってくれた。


同様に、仕事に入れ込みすぎて脳と体が疲れるようになった京都移住後には、瞑想を再開したうえで、パーソナルトレーニングで疲れない体を作るのがこちらも効果が高かった。

心と体の仕組みは奥が深く、シンプルに心と体の状態を上げるだけで、難しいことを考えなくても、幸せに、元気に、生きられるのだから、心と体への投資は大事だと思う。


▼参考書籍



おわりに

最悪のスタートだったこの1年。

自信喪失して、心が折れそうだった転職活動。

環境の変化で心身ともに疲弊した京都移住後。

点で振り返れば、大変なことも多かったこの1年だが、振り返ってみると「最高!」しか出てこないのは不思議なものである。

あなたが思っている悩みは、あなたが思っているより小さい

ということなのだと思う。


ただ、そんなことを28年目にやっと理解できたのだから、これからはもっと自由に、もっと穏やかに、もっと型破りに、生きていき行こうと思う。

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