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かもがわ出版メルマガ2024年Vo.151

止まらない円安、物価上昇に伴わない実質賃金、少子高齢化…日本の一人当たりのGDPはG7で最下位にまで落ち込んでいます。なぜ日本はどんどん貧しくなるのでしょうか? 
7月初旬に刊行される『高校生からわかる日本経済』では、著名な経済学者である金子勝氏が、高校生を想定読者に据えて、日本経済を解説した書籍です。解説にあたり、できるだけ専門用語は使わず、やむをえず使う場合は用語解説を入れ、わかりやすく書かれています。
グローバリゼーションと新自由主義が台頭する時代を経て、1990年代のバブル崩壊、リーマンショック、その対応策として採択されたアベノミクスの検証、そして今起きている円安バブルの仕組みまで、日本経済について総ざらいしたうえで、それを建て直すためにどういう対策をとるべきなのかについて、経済・産業だけでなく、少子化・エネルギー・防衛費・ロスジェネ・IT技術といった問題をふくめ、様々な分野において提言しています。
ここに書かれていることは、学校の教科書の内容とは大きく異なっています。というよりは、今の日本において政財官が推進する政策と根本を異にしているといってもいいかもしれません。
その根本には、下記のような命題が横たわっています。
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今の日本は縁故資本主義=クローニーキャピタリズムに陥っている。権力者とその取り巻きだけがうまい汁を吸う世界では、公正なルールや公正な競争もなくなっていき、産業も経済も衰退していく。そして何よりお金を目的に不正行為を働いても不問にされるような社会は、若者が希望をもって生きていける世界ではない。まずは公正なルールを再建することを最優先とし、自由と民主主義を取り戻さなければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
本書は数年でどうこうなるというような小手先の経済書ではありません。若者が希望をいだくことのできる社会の実現に向けた長い航海を導く羅針盤であり、若者に向けた手紙でもあります。
高校生だけでなく、その未来に責任をもつ大人にも読んでいただきたい書籍です。


【新刊案内】

●室内で体も指先も使っておもいっきりあそぼう
『わくわくどきどき新聞紙あそび』
新聞紙をまるめる・ちぎる・ちらばす!思いっきり遊べば笑顔で心すっきり!室内あそびにお困りの保育者、保護者に最適の1冊。

●未来を生きる若者らしい人生を選択しましょう!
『高校生からわかる日本経済』
日本経済衰退の原因は教科書では分からない。不連続的に変わる歴史の中で、どんな社会を創るのか、若者に分かりやすく問いかける。

●Kinder psychisch kranker Eltern stärken
『親の精神疾患とともに生きる子どものレジリエンスを高めるために』
不安のなかにいる子どもに手を差し伸べるための、ドイツ語圏での最先端の知見をまとめた参考書。日本の支援機関情報・書籍情報も掲載。

●アセスメントから指導までのポイントを解説
『通級指導教室の実践アセスメントから指導まで』
山田 充 本体価格2,200円
通級指導教室に通う困難を抱えた子どもに的確な支援をするため27の事例をもとにアセスメントから指導までのポイントを著者が解説。

●特集・学童保育をめぐる8の論点
『学童保育研究 第24号』
一般社団法人日本学童保育士協会 本体価格1,500円
学童保育を進めていくために、インクルージョン、ダイバーシティ、ICT、施設、権利、専門性など今問われているテーマから論ずる。

●学校改革に取り組んだ元校長と元PTA会長による学校を変えるためのトリセツ
『令和版 学校のトリセツ』
福本靖・今関明子 本体価格1,600円
先生に残業代はでない?校区はどう決まるの?意外と知らない学校の基本から課題解決のヒントまで、PTA・学校に関わる人への入門書。

●それ、やりたい「支援」になっていませんか?
『子どもと女性のくらしと貧困』
中塚久美子 本体価格2,000円
子どもや女性の貧困に向き合い、当事者に伴走を続けている大阪の2人の女性に焦点をあて、支援や寄り添いの在り方を考える。

【総合ランキング】

保育・教育書 第1位
●特別支援教育のワーク教材
『SSTワークシート自己認知・コミュニケーションスキル編』
LD発達相談センターかながわ 本体価格1,500円
社会性の課題を抱える幼児から中学生くらいまでを対象にしたSSTワーク。子どもの相談からできたオリジナルな内容。コピーしてすぐ使える。

人文・社会 第1位
●それ、やりたい「支援」になっていませんか?
『子どもと女性のくらしと貧困』
中塚久美子 本体価格2,000円
子どもや女性の貧困に向き合い、当事者に伴走を続けている大阪の2人の女性に焦点をあて、支援や寄り添いの在り方を考える。

【読者より】

「チェコのヤポンカ」、一気に読みました。
フリノヴァー先生や、ノヴァーコヴァーさん、ペピーク、ミロニュ、ミーシャ、ミレルさん……
出てくる人みんな、「どうしてこんなに優しいんだろう」と思うほど優しく、人柄がじんわり伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。
口調や表情までイメージしながら読みました。
子どものころの瑞々しい気持ちで見たチェコの世界、留学時代に見た社会主義国の実情……。
歴史の本や小説を読んでも、細部までイメージしきれずにいたチェコという国が、木村さんの描写を通すと、人々の暮らしや息づかい、町の手触りまで伝わってくるようで、改めて体験記、エッセイでしか描けないことをたくさん受け取ったような気がしています。

【編集より】

通級指導教室とは。
『通級指導教室の実践 アセスメントから指導まで 子どものやる気を引き出す堺市の事例27!』をつくる過程で何度も事例を読んでいると、通級指導教室の運営、子どもとのやりとり、アセスメントや指導があり、共通点が見えてきます。そこには何よりも子どもが安心して過ごせる時間と場所が根底にあることが伝わってきます。
事例を執筆された先生方の日々の奮闘があり、その奮闘のポイントをわかりやすく山田先生が解説します。たとえば、子どもとのやりとりの中で、ポロッと友だちにこんなことを言われて嫌だった。という子どもの声を拾う先生。本音を引き出す関係性を築いてきたからこそだと思います。障害を特定する場所ではなく、子どもの困っていることに寄り添い指導する場。子どもが変わっていく姿を保護者、担任の先生、そして本人とも喜び合い、何より本人が自信をもって次につながっていきます。
アセスメントの方法がわからない、教材をやっているが状況は変わらない、通常級の担任との連携で大切なことは…、そんな疑問に答える実践がいっぱいです。 また、子どもにあったオリジナルの教材や市販の教材も紹介しています。子どもにあった教材づくり、教材を選ぶには? そんな疑問にも実践からヒントがもらえるはずです。

今年度4月から著者の山田充先生と一緒に、通級指導教室担当の先生を対象に、1年間かけてオンライン講座を企画しました。多くの先生方にご参加いただいています。10月には事例検討を予定しています。みなさんのご参加をお待ちしております。お申し込みは以下から。