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仕事をするうえでの「内発的動機付け」お金?人間関係?働き方?

労働者として働く皆さんは仕事を選ぶとき何を重要視しますか?
お金を稼げたらなんでもOK、人間関係だけは良くありたい、趣味や生活のための休みや労働時間は譲れない、本来はすべてパーフェクトだと最高ですが、なかなかそうはいかない企業がほとんどなのが実情で、この中のひとつかふたつ該当すれば良いほうなのではないでしょうか。

では逆に雇う側の皆さんは採用するときに労働者が何を重要視しているのか意識しているでしょうか?
実はここのミスマッチが離職を招く大きな要因になっているケースは意外と多いのではないでしょうか。

日本の人口が減少、多くの企業が人材確保に精を出す中、労働環境がワーストと言われる美容業界も離職者が絶えず多くのサロンが抱える大きな問題となっています。
人気職種である美容師だが、多くのサロン経営者の中で盲点になっているのが、美容師であっても一般の労働者と何ら変わりないということ。
努力を積み重ねて特別な技術を習得していく必要があり、自身がそのハードルを乗り越えてきたからこそ、ハードな仕事となることは当たり前と考える経営者やスタイリストも多いと考えられます。
しかしその暗黙のルールである「美容師は厳しく大変な生活が当たり前」という考え方が影響して離職者が絶えないという状況に向き合うべく、近年では働き方を見直そうと改善する動きが業界内外でも多く見られます。

「なぜ辞めてしまうのか?」も気になるが、
「なぜ働くのか?」を理解しよう



労働者が働くことにどんな動機を持っているかということを理解しておくと、少しでも離職を防ぐきっかけになると考えられます。

この記事を書くきっかけになったのが2022年9月大手サロン様とのオフ会。その中で大きくとりあげられたのがやはり離職問題。
大手サロンでも難しい問題なので、多くのサロンの共通課題であるのは当然だと感じる。

「離職」「世代間格差」


この問題を克服したサロンが確実に業界を引っ張っていける存在となる。


離職を防ぐために意識したいこと


まず離職に関してどのように対応していくのか?
離職だけでなく、業界共通の様々な課題に関して、多くのサロンが十分理解し取り組んでいるにも関わらず大きな変化は見られないのが実情だ。
そこで私が提唱したいのが、美容業界においての離職以前に、日本の多くの企業にとっても離職は少なからず共通の課題であるということ。
介護や医療、飲食など多くの従業員の入れ替わりが多発し、常に人材不足であるのは決して美容業界だけではない。
離職の原因はさまざまであるが、雇用者と労働者の意識のズレであることが少なくない。

描き方は十人十色、理想の働く環境


離職うんぬんの前に、まず労働者が働くことに対する動機を確認しておく必要がある。
当たり前だが、まず理由がないのにお金を稼ぐ人はいない。
人が生きるため、お金を稼ぐため、仕事をするには必ずそれぞれに理由=動機がある。

お金を重要視している従業員に対し少ない給料で温かい人間関係を提供することや、人間関係を重要視する従業員に対し人事異動の機会が頻発すること、働き方を重要視する従業員に対し多くの報酬を与える代わりに生活環境に見合わない働き方をさせることは、本人の環境や考え方が突如変わらない限りナンセンスと言える。

そのポイントが、自分自身や従業員が「内発的」動機付けなのか「外発的」動機付けなのかで仕事に対するモチベーションや考え方が大きく変わるという事。

「内発的」動機付けと「外発的」動機付け

例えば、評価されること、金銭的理由や目標達成のため、競争に勝つためなどの「賞罰」に関連する「外発的動機付け」が理由で仕事をしている場合は、何か嫌なことがあった場合離職しやすくなる。
離職に追い込まれる経緯も人間関係やコミュニケーションのトラブルである場合が少なくない。
しかし「楽しい」「面白い」が原点になっている場合は様々な困難がやってきても乗り越える力がある。
つまり仕事をしていくうえで純粋に「楽しい」「面白い」など好きを感じられる体験をしていくことが重要である。
例をあげるとアスリートなどが該当する。
アスリートは常にプレッシャーのなかで競争社会を生きている。
しかしなぜ厳しい状況でも乗り越えられるのか?
それは原点に内発動機付けが存在しているからである。
アスリートはその競技自体に「楽しい」「面白い」「好き」というポジティブな内発動機付けがある。
また、そのポジティブな感覚を持った人の周りも感化され、組織全体に良い空気が流れることで人間関係も円滑に進みやすい。
ポジティブであるということは、問題を解決させる上で最も大きな力となる。
そこで職場において、できるだけ内発的動機付けにつながる体験を意識した活動ができる取り組みを「意図的」に作っていくことが重要である。

競争社会で見えにくくなっている職場環境に「本来の喜び」を体感できるようにやっていく。


ポジティブに違いを認め合うことの重要性

さらに離職問題の後押しともなっている問題「世代間格差による価値観の相違」によって組織が円滑に回らないという問題提起に対して「違いを認め合う」ということを提唱した。
それぞれの世代で価値観は違う。
参考程度だが、例えば大きく分けて

20~30代は自分自身の「存在」「お金以外の目的」
40代~60代「生活とお金」
70代以上は「人生や食べ物」

また今まで育ってきた環境や時代、今置かれている環境にも大きく影響されている。
戦争を味わっていたり影響を受けている世代はとりあえず何かあったとき「飯いこう!」
というタイプが多い。
40代~60代は子育て老後等の意識や、失われた30年の影響もあり価値観が「お金」にシフトしている場合が多い。
若者世代は「自分を認めてくれる」などの自分自身の「存在」に価値観を持っている。
あくまで参考だが、
今後「外国人労働者」も増えていく中で益々「違いを認め合う」「受け入れる」ことが大事になり、そこでもちろん「すごいね!」と褒め合える環境作りが必要です。

日々忘れず再認識していこう!と話しあった。
パワハラ防止法も認知される中、少しでも多くの労働者により良い環境を与えることで離職を防いでいきたい。
労働者が豊かに生活できるよう寄り添った労務管理はもちろん、互いに「違いを認め合う」「褒める」環境作りは今後すべての企業が必須課題だとも言える。
日々忘れず再認識していこう!と楽しく談笑しながらも、明るい未来に向けただ前だけしか見ない!というポジティブなメンバーの姿に、私自身が未来へのエネルギーを蓄えることができたような気がします。
次回のオフ会も楽しみに取り組んでいくことで終了しました。

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