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退屈な朝礼こそ、スピーチ力を磨くチャンス!

「スピーチ力を伸ばすためには、どんなことに取り組めばよいでしょうか」こんな質問をよくいただきます。講演会や朝礼や結婚式のスピーチなど、実際に人前で話す時がチャンスであることは間違いありません。けれども、プロでもない限り人前で話す機会はそれほど多くはありません。では、どんな時にスピーチ力を身につければよいのでしょうか。

つまらない話は学びのチャンス

多くの人の場合、自分がスピーチをする機会よりも、誰かのスピーチを聴く機会の方が多いのではないでしょうか。誰かの話を聴いている時にスピーチ力を磨く努力をすると、スピーチ力は格段にあがります。
 
僕は、いい話を聴いているときは、話し手の想いに寄り添って全力で感動しています。そして、つまらない話を聴いているときには、いい話をきいたとき以上に興奮しています。それは、良いスピーチを聴いている時よりも、圧倒的に自分のスピーチ力を高めることができるからです。

なぜ面白くないと感じるのかを掘り下げよう

僕は面白くない話を聴いている時に、「なぜ面白くないと感じるのか」を分析しています。

例えば、

「自分には関係のない話だから心が動かないんだな」

「自分には理解できない言葉が多く使われているから、聴くことに疲れてしまって面白くないと感じるんだな」

「話し手の表情や態度に違和感があって、言葉以外の余計な部分に気を取られて、メッセージを受け取ることができないんだな」

など、なぜつまらないと感じてしまうのか、なぜ聴くことを諦めそうになってしまうのかというポイントを分析します。

聴き手は、「話が面白くないな」と思った瞬間に、続きを聴かなくなってしまいます。自分が話すときには、面白くない話を反面教師にして、つまらなくなる要因を真似しないようにしています。

自分だったらどう話すかを考えてみよう

そして、次に僕は、「自分だったらどう話すかを考えます。
僕は、「この人の伝え方もったいないな~」というスピーチを聴いている時に、ものすごい勢いでスマートフォンを操作します。

その人の話を聴きながら、どうやったらその話が面白くなるのかをその場で考えて、その場でスピーチを作り換えているのです。
例えば、わかりにくい表現をしていれば、「どんな表現を使えばわかりやすく変わるのか」を書いています。

その人の例え話が伝えたいことと繋がっていない時には、「どんな例え話を使えば、効果的に伝えることができるのか?」を考えます。
その人の言葉以外の身体表現を「どんな表現にすれば、誤解や嫌悪感を持たれずに伝えることができるのか?」をメモしています。

僕は面白くないスピーチを聴いている時は、素晴らしいスピーチを聴いている時の約3倍の量のメモをとっていて、自分のスピーチ力が高まっていることを感じています。そして僕は、あまり伝えることが上手でないスピーカーに、感謝してしまっているのです。

つまらない話にこそ価値がある

面白い話・上手な話を聴いている時よりも、多くのことを学ぶことができるのは、面白くない話を聴いている時です。

考えてみてください。自分より上手に伝える人のスピーチの質を高めることはできるでしょうか。
きっと不可能に近いことだと思うのです。

だからこそ、自分より伝えるのがまだ上手でない人のスピーチをもっと良くすることを考えましょう。はっきり言ってメチャクチャ疲れます。けれどもそれは、あなたのスピーチ脳がフル回転しているという証です。

あまり上手くないスピーチに出会ったら、「時間の無駄だな…」ではなく、「学ばせていただいて、ありがとうございます!」と全力で感謝しましょう。

心で聴いて頭で分析し、自分だったらどう話すかを考えてスピーチをその場で作ることにチャレンジしてみてください。

Point つまらないスピーチは学びのチャンスと捉えよう

なぜつまらないかを分析して、自分ならどう話すかを考えていたら、
あなたのスピーチはグッと上達するはずです!

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