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NYダウ4万ドル:金利より成長期待へ

5月17日に米ダウ工業株30種平均(NYダウ)が史上初めて4万ドルに達しました。

インフレに関する指標がおだやかになり、金利低下が期待されはじめたことが材料とされました。短期的にはこのような市場の動きになるかもしれませんが、長期的には金利と株価の関係をさほど気にする必要はありません

これまでのおよそ10年のNYダウとアメリカの長期金利の推移を見ると、長期金利が2%の時よりも4%を超える現在のほうがNYダウが高いので、金利が高いほど株価指数が低下すると見る必要はないことが分かります。

ただし、株式市場は、短期的には金利上昇時に行き過ぎを心配し、金利低下時には安心しやすくなります。短期的な金利と株価の関係は心理的なものと言えます。

今後、米連邦準備理事会(FRB)が仮に政策金利を引き下げて株価が上昇しても、それは安心感から来る一時的なものでしょう。長期的な株価上昇は、企業がインフレを超える利益成長を示せるか、その期待を持たせ続けてくれるかにかかっています。

アメリカの株価指数の産業別の時価総額の比率が製造業中心からITソフトウエアなどの新しいサービス業に変わってきています。新しい産業は、アメリカ経済の成長を期待させるだけではありません。工場や機械などにまず投資するために先に金利負担だけが発生しがちな製造業とは異なり、儲かるとみた時だけお金を借りてサーバーなどに投資するので、投資家が将来の利益を心配することも減ります。

結果として、徐々に金利と株価の心理的な関係も低下していくとみています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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