FRBの態度変化(?)とマーケット

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和自体を縮小するQTが市場の想定より早まるとされて株価が揺れています。

パウエルFRB議長は、昨年秋頃からコロナ禍による雇用減少からおおむね正常化したと話してきたので特に大きな態度変更ではないのですが、QTの時期についての議論は市場が思ったより早めだった、つまり経済の正常化により金融政策も正常化することは想定内だけどその進め方が想定より早めだった、ということです。経済の正常化が順調であり、それ自体は良いことなのだということをまず確認しておきましょう。

一方で、政策金利の引き上げは想定の年2〜3回より多く、今年中に4回利上げされる可能性が高まりました。しかし、これも経済の正常化で政策を正常にするのですから、経済が壊れるとは考えにくいとの見方は変わりません。

QTや政策金利の上昇で株価が下落を続けるとは予想していません。論理的には金利は株価に中立です。昨年末から1月10日までの長期金利の0.25パーセント程度の上昇でも、ニューヨーク・ダウ平均の下落は1パーセント以下です。ナスダック100指数は4パーセント以上下がりましたが、「インフレで金利が上昇するのに、成長株の未来の利益はインフレなのに増えない」という、市場の「錯覚」のせいと考えます。今後グロース銘柄の利益が示されれば、市場は信頼感を取り戻すでしょう。

株式の長期投資の観点からは、結局大事なのは米国の雇用が正常化し需要が伸びることであり、金利水準そのものではありません。

ただ、仮にインフレが来るならば、価格支配力のある強い企業が好まれます。アクティブ運用が好まれる時期が来るかもしれません。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

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