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強い米ドル

米ドルが強いまま、しばらく150円台を維持しそうです。アメリカ経済が予想以上に強く、インフレ率が低下しても急いで政策金利を引き下げる必要はなさそうだからです。6月ごろに利下げが予想されますが、信用不安も小さく、雇用も順調なので、その後の利下げは当面必要ないかもしれません。

一方、日銀は予想通り政策金利をマイナスからゼロに引き上げました。しかし、まだゼロですからアメリカから日本に資金を移しても預金での金利収入はほとんどないでしょう。金利差で円を買う理由に乏しい状態が続きます。

さらに、市場は米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースがゆっくりになるとみるだけでなく、日銀の利上げもかなりゆっくりになるとみています。日本企業のベースアップ率は予想以上に強く、設備投資も大幅に伸びてきましたし、日銀短観によれば設備投資計画は24年度も強いですが、日銀高官発言などから金利引き上げのペースは極めて遅いとみられました。

今年の初めに、日本もアメリカも中央銀行が臆病であるとしましたが、いずれも臆病が思った以上に強そうで、結果としてドル安円高がしばらくは進まないことになりそうです。

もちろん、FRBも日銀も経済指標次第で態度を変える可能性はあります。アメリカではインフレ率と共に賃金上昇率が大きく低下すれば、景気と関係なく利下げの可能性があります。日銀も賃金上昇の持続に自信を持てば、プラス金利は早めに実現するかもしれません。ただし、日本の金利引き上げ幅が小さいと日米金利差が縮まらず、円高になりにくいようです。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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