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J-REITは割安とみる

J-REIT(国内不動産投資信託)市場は、ここ数年間を通して見ると株式市場と比べて冴えない動きです。2022年は8%程度の下落となりました。昨年末から1月第2週までも3パーセント程度の下落です。

昨年のJ-REIT指数下落の主因は世界的な金利上昇懸念、つまりREITの金利負担増大懸念でした。それに加え、日本独自の理由として、コロナ禍からの回復の遅れがありました。オフィス全体の空室率が高止まりし、家賃の引き上げも困難なケースが見受けられました。さらに、12月に日銀の唐突な長期金利誘導幅の拡大があり、一部で緩和姿勢後退とREIT買付額縮小懸念に繋がりました。

しかし、世界的インフレと金利上昇は今年前半に落ち着くでしょう。日本のコロナ禍からの回復はさらに進み、家賃の上昇期待も緩やかに強まると見ています。今後の日銀の長期金利誘導幅拡大があっても0.5から0.75パーセントに上昇する程度だと見られます。6月ごろにも日銀の動きが緩やかと分かれば、REITや金利市場に安心感が戻ると見ています。日銀のREIT買付額は減る可能性がありますが、REITの利回り上昇で銀行などの買付は増えると見ています。

市場は、金利上昇で短期的には負債コスト増大をREITの悪材料と考えますが、インフレを背景とした家賃改定が進む今後2年程度のうちには、分配金の回復が期待されます。昨年末3.9パーセント程度となった分配金利回りは、今後の投資環境の改善を前提とすれば、長期的に割安と考えます。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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