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日本とアメリカのREIT市場の行方

アメリカのREIT(不動産投信)市場は揺れが大きくなっていますが、日本のREIT市場は落ち着いた動きとなっています。この傾向は来年初めごろまで続くとみています。しかし長期投資の観点では、今のアメリカのREITは割安と判断します。

アメリカのREIT市場が落ち着かない最大の理由は、アメリカでは政策金利が急上昇し、長期金利も上がっていることです。REITは借金をして不動産を買うことが多いので、目先の金利負担の上昇が短期的には嫌われる傾向にあります。金利が上がっても分配金が急には上がらず、分配金利回りが国債利回りより低くなってしまうと、REITの魅力が薄れ価格が下がることがあります。

しかし、長期的に考えると、金利上昇の理由はインフレにあります。通常、インフレ下ではREITは保有する不動産の家賃を引き上げることができます。家賃の引き上げはアメリカでは年1回程度ですので、金利ほどすぐには上がりませんから、家賃をもとにした分配金もすぐには上がりませんが、しばらくすると家賃と分配金が上昇すると考えられます。

そうするとREIT価格は元に戻る可能性が高いと考えられますので、金利上昇時のREITは割安になりやすいでしょう。アメリカのインフレと金利上昇は来年の初め頃にピークを迎えるとみています。

日本のREIT市場が安定している理由は、アメリカに比べるとインフレと金利上昇の可能性が低いかあっても小さいとみられるからです。日本ではインフレで金利が上昇する可能性は低く今後も安定しているとみています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113

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