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財政支出期待しぼみ成長鈍化予想へ

ロシアに対する経済制裁が長期化すると想定される中、日本をはじめ主要国の財政出動が思ったよりも小さくなりそうです。

制裁に伴う石油価格上昇など生活への悪影響に財政出動で即座に対応すべきところですが、政治側のみならず世論も財政拡大をあまり支持していないようです。こうなると、ロシア制裁の悪影響を消費者が直接負担することを想定しなければなりません。

米連邦準備理事会(FRB)はこれから大幅な利上げに進みそうです。これはコロナ禍からの経済の正常化に対する政策としては正しいです。

しかし、ロシア制裁に関わる物価上昇にも利上げで対抗するのであれば、自動車や住宅のローン金利上昇で需要が増えなくなります。そこで、本来なら財政で消費を促すことが適切です。

ところが、財政出動によるインフレ拡大の懸念が財政政策による適切な富の分配への期待を上回っていて、メディアやSNSでも、バラマキ反対、ガソリン価格補助批判が多いです。

低所得者層への支援やガソリン価格のゆがみはいずれも一時的ですが、それゆえ制裁による一時的な消費ショックを補うはずです。ところが日米ともに消費者や企業への支援は小さそうです。

この場合、世界経済は、コロナ禍からの正常化はプラスですが、ロシア制裁のコスト増やガソリン価格上昇等の影響を大きく受けたままになるので、消費や企業収益は、水準では横ばい、成長率では低下となります。こうなると金利は上昇し、株価は横ばいの予想とならざるをえません。財政出動の重要性を再考してほしいです。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113

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