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#記念日にショートショートを

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記念日には、ショートショートを一緒に、楽しんでみませんか?  有志の作家が集まり、記念日に合わせて、一分で読めるショートショートを、Twitter上で公開しています。こちらにはそ… もっと読む
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#掌編小説

縁を切る寺 SS0030

紫陽花 2020/7/14  門前が、騒がしい。  尼僧に呼ばれ、私は色とりどりの紫陽花が咲く花…

夏に至る日 SS0029

夏至 2020/6/21 「さつき、さつきっ」  必死に叫びながら、私はやぶをかき分ける。夏草の濃…

天使の相合(あいあい) SS0028

天使のまち 2020/3/8  娘が事故に遭った。  要領を得ない息子からの電話を受け、私は秋の…

ささやかな願い SS0027

十月二十一日 2019/10/21  ──作家になりたい。  ガラス越しに流れゆく美しい風景を見な…

救いの大雨 SS0026

梅雨入り 2019/6/1  大雨の日は、心が落ち着く。  ただの小雨では駄目だ。大雨、それに嵐…

時代の風 SS0025

改元 2019/5/1  平成最後の夜は、雨だった。  俺は改元で浮かれる街の喧騒の中、救急車に…

娘とレストランと出会い SS0024

入学式 2019/4/5 「──警部はその際、怪我をして病院に向かわれ、軽傷だから家族には知らせるなと……」  公衆電話の受話器から聞こえる、警察職員の申し訳なさそうな声に、私はため息を返す。  今日は一人娘の小学校入学のお祝いを、家族水入らずで行うはずだった。奮発して予約したそごう柏の回転展望レストランで夫を待っていたが、約束の時間を過ぎても来ないので心配になって電話をしたら、このざまだ。  千葉県警察機動隊所属の夫は、昨年文民警察官として派遣されたカンボジアから帰国した

それぞれの明日 SS0023

卒業式 2019/3/14 「──諸君は、平成最後の卒業生と──」  自衛隊の最高指揮官である首相…

哀しみの序章  SS0020

成人の日 2019/1/14 「何で振袖じゃないのかな」 「さあ、面倒臭いからじゃないの」 「だっ…

小さな手  SS0016

体育の日 2018/10/8  窓から運動会の練習の歓声が、聞こえてくる。  俺は枕元の耳栓を取り…

月に願いを  SS0015

中秋の名月 2018/9/24  ──月なんて、大っ嫌いだ。  特に中秋の名月なんて見たくもない。…

共に老いる  SS0014

敬老の日 2018/9/17  俺は年寄りじゃねえ──。全く、どいつもこいつも、俺をじじい扱いし…