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2歳の時の食習慣が将来の肥満に影響を与える!?~太りやすいのは体質なのか脳質なのか(理論編)~

私は太りやすい体質なんですかね?

よく聞かれる質問だ。

これに関しては、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないとしか答えられない。

現段階では。

確かに生まれつき決められている遺伝子の配列の違いによって、個人間の代謝メカニズムに違いが生じることは、すでに証明されている。

だがたとえ、市販の遺伝子解析キッドを使ったとしても、わかるのはその体質のほんのわずかな傾向だけだ。(どの研究を見比べても遺伝子配列が直接肥満に与える影響は10%以下)

またその他にも、胎児期の母親の栄養状態やストレス状態、普通分娩なのか帝王切開なのか、母乳と哺乳瓶どちらで育ったか、幼少期に深い心の傷を負った経験があるかなど、様々な後天的な環境(特に3歳までの)がその後のエネルギー代謝の仕方を、恒久的に変えてしまうことも明らかにされている。(専門用語でエピジェネティクスという)

結局のところ私たちは、私たちの身体(DNA)と環境との相互作用について、まだ何も分かっていないのも同然なのだ。

物理学者で最も有名なうちの一人である、ファインマンは言っている。

“量子力学を理解したと思っているのなら、それは量子力学を全く理解していない証である”

おそらく人体にも同じことが言えるだろう。

“人体を理解したと思っているのなら、それは人体を全く理解していない証”なのだ。

そんな宇宙・自然・生命の果てしない雄大さの前では、人間など束の間の単なるシミでしかない!と(アメコミ映画の主人公の名言を引用)、心地よい悲壮感に浸るのはこれくらいにして、ここでは最近明らかになった面白い話しをしていこう。

そう、脳と食習慣と肥満のお話しである。

肥満×脳×食習慣


まずは最近発表された、ある説をご紹介しよう。

私たちの2歳の時の食習慣が、20歳の食習慣に極めて大きな影響を与えていることが分かったそうだ。

※2005年に対象者700名の大学生にたいして行われたトルコの研究など

もちろんこれには、脳が大きな役割を果たしていることに疑いの余地はないだろう。

私たちの意識的に行う選択の全ては、最終的には脳内のシステムからもたらされる。

(もっとも最近の研究では、このシステムに腸と腸内の微生物が関わっていることが科学的に裏付けられている)

ここでもう一つ、重要な事実を思い出さなければならない。

あなたの体重の増減に影響を及ぼす要素のうち、最も大きな割合を占めるものは何だろうか?

運動習慣?

遺伝子?

ストレス?

睡眠時間?

自己肯定感?

もちろんこれらも大きな影響を及ぼすが、これらを全て合わせても体重に与える影響は全体の2割を占めるにしか過ぎない。

では残りの8割は何だろうか?

もちろん“食習慣”である。

おおまかな予測値だが、体重に影響する要素の約8割は、あなたが何をどの様に食べたかによって決まることが研究によって示唆されている。

そして繰り返しになるが、あなたが何をどのように食べるかの選択と判断は、2歳の時の食習慣が大きく影響しているのだ。

では具体的には、2歳までのどういった食習慣があなたを太らせることに繋がるのだろうか?

太りやすい脳の質とは|3つの要素

リーン・バーチ氏の研究によると、将来の肥満に強く与える子供時代の食べさせ方には3つの要素があると分かったそうだ。

1つ目は食べさせる回数が多すぎること。

理由は空腹感を学ぶ機会を失うからである。

2つ目は子供をなだめる手段として食べ物を使うこと。

そして最後は、泣き声の原因を全て空腹と解釈してしまうこと。

2つ目と3つ目は、大人になった後でも嫌な気分になったら食べればいいと、子供に教えているようなものだ。

このように、ストレスを強く感じた時に、甘いものや暴飲暴食に走ってしまう人は、子供時代に刷り込まれた記憶をたよりに脳内のシステムが作動し、そう決断“させられている”と考えられる。

さて、もしこれが事実だとしたらあなたはおそらくこう思うだろう。

「私が甘いものを食べ過ぎて、なかなか痩せられないのはお母さんせい?」

残念ながらこれを否定することは、私にはできない。

なぜなら、人間にとって自然な食習慣を実践し、健康的な身体を維持できるような食べ方を学べることができるのは、紛れもなく家庭の中だ。

だからといって、自分の両親や祖父母を非難することなどできないだろう。

世間を見渡せば、お菓子のパッケージには、子どもたちが大好きなキャラクターがプリントされ、子供向けの番組のコマーシャルには、楽しみの象徴としてお菓子が宣伝され続けている。

そうやって毎日、砂糖と脂肪を食べることが幸せだと学習している子どもをなだめる手段に、砂糖と脂肪を使いたくなるのは忙しいママにとっては最適な選択肢にならざるを得ないだろう。

(加工食品や嗜好品のほぼ全てに身体に害を及ぼす“砂糖”と“脂肪”が使われている)

事態は想像以上に複雑である。

私たちは、私たちが太り出す原因を私たちの手によって生み出しているのだ。

脳のプログラムを書き換える

だが過去の過ちを知ったところで、もう一度人生をはじめからやり直すことなどできない。

成人してからでも効果が見込める、何かいい改善方法はないのだろうか?

もちろんその方法のいくつかを、私は知っている。

だがここで私が伝えるべきことは、何をどのように食べるべきなのか?ではない。

また始めるべきダイエット法は、アトキンスダイエットなのか?パレオダイエットなのか?完全菜食主義なのか?グルテンフリーなのか?を解説することでもない。

痩せるために何をどのように食べるのかなんて、もはや専門家でなくても知っているはずだ。

一応確認しておこう。

『最大限自然の状態に近い植物性の食べ物を中心に、多様性に富んだメニューを最適な量と最適なタイミングで食べる』

以上!!

問題は、誰もが知っているこの健康的な食習慣をなぜ継続的に実践できないのか?であり、継続するためには何が必要なのか?を知ることではないだろうか。

そしてこの問いに対する答えは一貫して得られている。

そう、脳に保存されているデータを新しい良質なプログラムに書き換えることが必要なのだ!

では脳のプログラムを書き換えるためにはどういった方法があるのだろうか?

その具体的な方法は、次の実践編の記事で紹介する。

あなたの脳が健康的な振る舞いを選択をできるようにする訓練に、実はこれまでに何千年と実践されてきたある2つの伝統的な習慣が活用できるのだが

いったい…。

この記事を書いた神尾健太という人物➤https://wp.me/P9oEaZ-41

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