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YOASOBI『RGB』歌詞和訳と解説

こんにちは。

7月16日0時、YOASOBIの『三原色』のEnglish ver.『RGB』が配信リリース・MV解禁になりました。

『三原色』はYOASOBIの最新曲で、リリースしたばかり。それにもかかわらず早くも英語バージョンを出すなんて早い早い。

しかもYOASOBIは、大ヒットデビュー曲『夜に駆ける』の英語ver.『Into the Night』をリリースし、世の中をアッと言わせて衝撃を与えたばかり。

期待値高まる中のリリースで、私はしっかり公開してすぐYouTubeでMVを見ました。皆さんもぜひ。


そしてそして。

今回、『Into the Night』と違い、音より意味を日本語に合わせて歌詞を書かれていましたので、ちょっと分解してみようかなと思い記事を書きました。

(『Into the Night』とは訳している方が違うようです。楽曲のクレジット、要チェック。)

諸々和訳などしていますが、かなりイメージというか、抽象的に説明しているものが多いです。
私は英語を感覚的に捉えていて、ニュアンスやその場の意訳でどうにか理解してきた人なので(笑)、正確性や伝わりやすさは劣ります。
でもこれが私の英語スタイルなので...。

そして文法は高校の頃に一通り習得しただけのものなので多少時代遅れ感や足りない部分、間違いなどあるかもしれませんのでご了承ください。


【歌い出し】

Don't know where we disconnected each of our stories
どこかで途切れた物語
Now we go, once again, past where we have split off
僕らもう一度その先へ
Even if, many times, we have been separated, 
たとえ何度離れてしまっても
You can see we're connected, still
ほら繋がっている
< 演奏 >

<単語>

disconnect:接続を断つ、縁を切る、切り離す
split off:分離する、別れる
separate:離す、分離する、分ける

<文法・和訳>

Don't know where we disconnected each of our stories
僕たちの物語がそれぞれどこで途切れたかなんて知らない

・Don'tで始まると「~しないで」という命令になりますが、ここでは一般主語となるYou(or I)が聞きやすさのために省略されているのかと。

Now we go, once again, past where we have split off
→Now we go (our) past where we have split off once again
今、もう一度僕らが別れてしまった過去へ行こう

・2つのカンマで区切られると、挿入という技法になります。
・pastは名詞で、動詞goの目的語になるので冠詞theやourが必要です。
・where~でpastの詳細を説明していますね。関係副詞です。

Even if, many times, we have been separated, 
→Even if we have been separated many times,
たとえ僕らが何回別れたとしても

・これは文の途中です。カンマで区切られているように次の歌詞と繋がって文が成立します。
・evenが付くことで「もし=if」に「たとえ」のニュアンスが加わります。例えば○○だったら~という仮定より、もし○○だったとしても~というエモさを感じますね。

You can see we're connected, still
→You can see we are still connected
僕らがまだ繋がっていることが分かるよ

・歌詞はyou can seeが前の歌詞とくっついていますが、文法的には後ろの文に付きます。同じ文内ですけどね。
・主語がyou、そしてseeの後ろにthatが隠れていると思ってください。省略可能なthatですが、we are~を分かることができる、理解できる、という訳になります。
・seeは「見える」という意味もありますがここでは「分かる」という意味です。よく使う言い回し&意味合いですね。
・stillは副詞です。しかも基本的に動詞の前(be動詞の後ろ)に入れるものです。

<テクニック>

Don't know where we disconnected each of our stories
『夜に駆ける』『Into the Night』にも見られるテクニックですが、歌い出しを「こかで」→”Don't know"とDの音で揃えていますね。それによって日本人にも受け入れやすい耳触りになっています。

Now we go, once again, past where we have split off
日本語ver.の歌詞と和訳がイコールにはなりませんが、「その先へ」をきれいに解釈していますね。物語としてはぴったり合っています。

Even if, many times, we have been separated, you can see we're connected, still.
「ほら」のニュアンスを'you can see'で上手に出していますね。
見てごらんよ、ほらね、というようなポップさ?気軽さ?を出しています。


【Aメロ】

So, goodbye, farewell then
それじゃまたね
We said the words, departed
交わした言葉
How many morning suns have we seen ever since that day
あれから幾つ朝日を見たんだ
In our respective new future destinations
それぞれの暮らしの先で
Extension of that day
あの日の続き
Today is when we meet
再会の日

<単語>

farewell:ごきげんよう、さらば、別れの挨拶
departed:過去の、過ぎ去った
respective:それぞれの、各自の
destination:目的地、到着地
extension:延長、拡張

<文法・和訳>

So, goodbye, farewell then
じゃあ、またね。

・"Then farewell"で「ではさようなら」という決まり文句になります
(farewellは名詞「別れの挨拶」という意味もあるので、意味を持たせているというより、goodbyeと並列して並べられているだけという説もあります)。

We said the words, departed
僕らはその言葉を言った

・"the words"は"goodbye""farewell"のことでしょう。
・「僕らはあの過去の言葉を交わした」なんて訳せますが、"departed"が最後に添えられているのは非常に気になりますね・・・。

How many morning suns have we seen ever since that day
あの日から僕らは幾つの朝日を見たんだろう?

・Howから始まり、have we~となっていますので、疑問文です。
・英語は曖昧な表現を嫌うので「あれから」→「あの日から」という特定の起点となる時を設けています。

In our respective new future destinations
僕らそれぞれの新しい未来の先で

・"destination"は、目的地という意味ですが、その先の終着点を指すような意味合いで、柔軟に訳されます。
・日本語にすると混乱しますし難しいのですが、未来のその先という意味ではなく、未来=先というニュアンスです。

Extension of that day
あの日の延長

・堅く訳すとこうですが、要はextentionが続くものを意味するので「あの日の続き」という意味です。

Today is when we meet
今日は僕らが会う日

・"today"="when we meet"、今日という日は僕らが会う日だ、という意味です。これから会うので現在形ですね。

<テクニック>

日本語の歌詞だけ見ると単語が続いていて正式な文章にはなっていません。
同じように英語でも文法上、成立はしていません。
しかし意味の合う単語を並べていることで日本語ver.の曲のポップさが保たれています。


【Bメロ】

With every moment that leads up to our meeting time
待ち合わせまでの時間がただ
I keep feeling my heart beating louder as the seconds pass
過ぎてゆく度に胸が高鳴る
As I look up at the sky that has cleared from the rain
雨上がりの空見上げれば
It was just like what we saw that day
あの日と同じ様に
Upon us was a seven-colored bridge
架かる七色の橋

<単語>

lead up to:~につながる、~に通じる
moment:一瞬、瞬間、今現在、この時点
look up to:見上げる

<文法・和訳>

With every moment that leads up to our meeting time
待ち合わせまでの一瞬一瞬で

・"moment”は”点”のイメージで、everyが付くことで「この一瞬一瞬」という意味になります。
・"lead"に"s"がついているのは、意味上の主語が"moment"だからです。
・待ち合わせまでに時を一つ一つ数え上げているようなイメージです。

I keep feeling my heart beating louder as the seconds pass
僕は時が経つたびに大きくなる心拍を感じている

・"heartbeat"もしくは"heart beat"で「心臓の鼓動」という意味です。"heart beating"だと心拍、という意味のようですが。。
・"feel O C"(O:目的語、C:形容詞)で「OがCだと感じる」という意味になります。
・"louder"は”loud”の比較級です。"as~"は「~するごとに」という意味があり、比較級とas~はセットで使うことが多いです。

As I look up at the sky that has cleared from the rain
雨が上がり晴れた空を見上げると

・asにはいろいろな意味がありますが、ここではwhenと同じ意味と捉えていいでしょう。
・clearは「澄ませる」という動詞です。ニュアンスは形容詞clearと同じと捉えて問題ないです。"clear sky from the rain"で「雨上がりの空」という意味ですね。
・文は次に続きます。asによって副詞節になるのでこれだけでは一文として成立しません(時制の一致が必要なので本来はlookedかと思います)。

It was just like what we saw that day upon us was a seven-colored bridge
→It was just like what we saw on that day was a seven-colored bridge upon us
それは僕らがあの日に見た空に架かる七色の橋のようだった

・主語のitはここで明言していませんが、空に架かっていた虹のことでしょう。
・what以降で、僕らが見たものの詳細説明をしていると思ってください。
・日本語を知っているので言いたいことはわかりますが、文法的にはおかしな文です。
→It was just like a seven-colored bridge upon us which we saw on that day. なら正しいかな...。

<テクニック>

文法的にはおかしな文でも、曲のリズム感には合っていますし意味的にも大きく逸れてはいないので、楽曲としての完成度を優先させたのでしょうね。

英語を母国語としている人がこの歌詞を直感的に理解するのは難しいかと思いますが、それもまた味があるということで。


【サビ①】

Here and now, we were able to meet once again
ここでもう一度出会えたんだよ
We have kept our connection alive all along
僕ら繋がっていたんだずっと
The things we talk about
話したいこと
We wanna speak about
伝えたいことって
are never ending, overflowing out and so
溢れて止まらないから
Hold up, this won't be loosening, for we know
ほらほどけていやしないよきっと



<単語>

once again:もう一度
all along:初めから、ずっと
overflow:溢れる、こぼれる
loosen:緩める、ほどく

<文法・和訳>

Here and now, we were able to meet once again
ここで今、僕らはまた出会うことができた

・できる=可能を過去として表現したい場合はcan:couldよりbe able toのほうが良いかと思います。couldはcanの過去形だと中学生では習いますが、厳密には違うので。

We have kept our connection alive all along
僕らはずっとつながり続けていた

・"keep O C"で「OをCにし続ける」という意味です。「つながりを持ち続けていた」という意味になります。
例)She keeps his memory alive.「彼女は彼の思い出を忘れずにいる」

The things we talk about, we wanna speak about are never ending, overflowing out 
話したいこと、伝えたいことは溢れ出して止まらない

・"we talk about" と "we wanna speak about" で "the things" を修飾しています。
・overflowにoutを付けることはあまりないようです。

Hold up, this won't be loosening, for we know
これはほどけない

・前文歌詞のand so、hold upなどは意味上無視していい楽曲上のつなぎ文かと思います。「ほら」=Hold up"ではないです、「ちょっと待って」とかいう意味になります。
・同じく"for we know"=「きっと」でもないので注意。

<テクニック>

上手く曲に歌詞を乗せているなと思います。

語数的に「話したいこと 伝えたいこと」の訳を"the things we talk about we wanna speak about"としており、意味的にはtalkの前にもwannaを入れたいところかと思いますが、後ろにのみ入れることでなんとなく、「話したい!」という思いが高まっているように感じました。

素人感覚ですが。


【サビ②】

We were rushed by the seasons, forever moving
巡る季節に急かされて
And beyond where the roads could be leading us to
続く道のその先また
No matter where we stand
離れたってさ
As often as we want
何度だってさ
we gotta tie our strings together like before
強く結び直したなら
We'll meet again soon
また会える

<単語>

rush:急がせる
gotta = have got to:~しなければ
string:ひも、糸

<文法・和訳>

We were rushed by the seasons, forever moving
めぐり続ける季節に急かされた

・rushは自動詞・他動詞どちらの意味もありますが、ここでは他動詞として使われ、受け身の形になっています。
・foreverは副詞、movingは形容詞的用法の動名詞です。この二つの語はthe seasonsを修飾しており、本来名詞の前に置きますが、ここでは後ろから修飾しており分かりやすいようにカンマが入っています。

And beyond where the roads could be leading us to
この道が僕らをその先へ連れていく

・the roads lead us to ~「この道を行けば~に着く」という言い回しです。
・to以降のその先を示している文章です。

No matter where we stand
僕らがどこにいても

・no matter where = whereverで、副詞節です。
・standは立っている、ですが、ここでは居る、という状態を表しています。be動詞でも表現可能です。

As often as we want
望むたびに=何度でも
・"as often as~"で「~するたびに」という意味で、副詞節です。

we gotta tie our strings together like before
以前のように紐を結ばなくてはいけない

・ここでの紐は、3人の間の心をつなげるもののたとえかと思います。
・gotta ~しなくてはいけない、は強制のような意味合いではなく、ぜひともこうしなくては!といったポジティブな意味合いで、なにか行動を伴う感じです。

We'll meet again soon
またすぐに会える

・「会う」でseeよりmeetを使うと、待ち合わせて会う、というような意味が含まれてきます。

<テクニック>

改めて分解してみて思いますが、文法的に成り立っていなくても意味が伝わるのはすごいですよね。
しかも日本語は曖昧の域を越してエモさとなる。

We were rushed by the seasons, forever moving
特にこの文なんて、何が動詞か明示されていないのに、この歌の物語の主人公の心が読み取れる気がしませんか?

And beyond where the roads could be leading us to
そしてこの訳はセンスを感じます。
「続く道のその先また」からどうやったらこの英文に辿り着くんでしょうか。



1番が終了。

長くなりました。

ちょっと大変なのでこの辺で。

反応が良かったら2番や"Into the Night"もやりますね。
というか、この曲の醍醐味は2番のikurapですよね。


この英語ver.は・・・

全体的に、意味を大切にしていることが伝わりますし、その上この日本語ver.の軽やかさ、懐かしさ、若さを英語ver.でも表現していることが分かります。

YouTube上でのコメントでは、「意味を理解できてもっとこの曲が好きになった」「信じられないくらいいい曲」といった称賛の英語コメントがあふれていました。

良い曲、というと浅はかな気がしますが、全国に届いてほしい素敵な曲です。



また、訳に関して最後に付け加えておきますが、私はネイティブでも英語ができる!というわけでもなく、学生時代に1年弱ちょっと海外留学していただけですので悪しからず。

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