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紹介したいnote記事「夢の街」

冬月剣太郎 猫詩人🐈さんの「夢の街」という記事を紹介します。

現実のこの街は呪いでいっぱいだ
ガタタンタン
ゴトトントン
夢の電車が虹色の街を走る
ガタタンタン
ゴトトントン
誰も嘘なんかつかない
誰も自慢なんかしない
誰も悪口なんか言わない
わたしはそんな街に棲みたかった
ガタタンタン
ゴトトントン
呪いの街をわたしの夢が通りぬけていく

夢の街| 冬月剣太郎 猫詩人🐈 (note.com)

 最初は「がたたん たん」と言う絵本の紹介なのかなと思いました。でも、調べてみると違うようです。


がたたん たん

これ好きです! まるで映画のワンシーンを見てるような気分。お互い「ただの風景」だった隣同士の人たちが、心の窓を開いていく。セリフはまったくなくて、少しずつ絵だけが色づく演出が素敵です。ちなみに4歳息子はスズメちゃんをものすごく心配してました。…そりゃ、あんなことがあったら気になるよね。ケガしてなければいいけど。

『がたたん たん』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

1988年(昭和63年)発行の絵本だからか?電車に乗っている人達が新聞を読んだり、編み物したり、パンを食べたりとほのぼのとする光景です。今だとみんなスマホを見てますよね(笑)それでも、最初は知らんぷりなんだけど、アクシデントがある度に、人と人との交流が深まって、絵本の中でも、白黒からカラーに変わる演出になっています。

『がたたん たん』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

名前も知らない他人と思わぬ温かい繋がりが出来るのは嬉しい事。色が広がっていく様が見事でした。我が家でも、先日息子がこけて泣いていると、小学生くらいの見知らぬ女の子がお菓子をくれていい子いい子してくれました。お礼を言ったら恥ずかしそうに走って去って行きましたが、私の胸はほこほこでした。こういう思わぬ繋がりは日常を豊かにしてくれるなぁ。

『がたたん たん』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

こんな表現の方法、新鮮でドキッとした。偶然電車内で一緒になった老若男女…電車が揺れるたびに、心がつながっていく…。それを着色で表現しているのが、初めての感覚。こんな心のふれあい、いいですね。表紙の絵、好きです。

『がたたん たん』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

ことばを引き出したり、コミュニケーション力を高めるのにとても良い本です。
物語を楽しむというより
親子でたくさん話をしながら読むといいと思います。

がたたん たん (ひさかた絵本ランド) | やすい すえこ, 福田 岩緒 |本 | 通販 | Amazon

文字がほとんどありません?それを味わう絵本なのだと思うのですが、私と2歳の息子にはやや物足りなく感じました。私が結局ダラダラと説明してしまっている気がして…

がたたん たん (ひさかた絵本ランド) | やすい すえこ, 福田 岩緒 |本 | 通販 | Amazon

 この絵本は「文字がほとんどない」と。絵を見ながら、親子で自由に話し合うためにそうしているのかなと思います。そしてこの詩は、冬月さんがこの絵本から感じた事を書いたのでしょうね。

「現実のこの街は呪いでいっぱいだ」

 可愛い絵本からは想像もつかない「呪い」という言葉。ちょっとびっくりました。「絵本は空想の世界だけど、現実はそうじゃないよ」と言う事でしょうか。

 表題は「夢の街」、でも実際は「呪いでいっぱい」の街。何故「呪い」なのかは、次の文章でわかります。

「誰も嘘なんかつかない。誰も自慢なんかしない。誰も悪口なんか言わない。わたしはそんな街に棲みたかった」

 「棲みたかった」と言うわけですから、実際はそんな街ではなかったと。

 この文章から、冬月さんが「とても傷つきやすい方」だと想像出来ます。

 この「誰も」と言うのは、住んでいる人が皆、嘘をつき自慢をして悪口を言っていると。でも恐らく、実際に口に出す人はそんなにいないでしょう。そんな思いを心に秘めていても、口に出す人は多くありません。

 ところが、冬月さんは「人の思いが伝わる人」なのです。傍にいるだけで、すれ違っただけで「人の悪意が伝わる人」ではないかと思います。私も「人の悪意が伝わる人」なので、その生きづらさはよくわかります。

 みんなの心から悪意がなくなればどんなに良いでしょうか。もちろん、自分の心の中にも悪意がありますから、それは無理な話だとわかっています。

 それでも、そんな「夢の街」になれば良いなと言う願いが、この詩に込められている気がしました。

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