4 約束の日(胸キュンときめき短編集 1)
心地良いボサノバのメロディーが流れる喫茶店。奥の席で向かい合う、あいつと私。あいつはアイスコーヒー、私はホットコーヒーを飲む。高校時代から付き合い始めた私たちは、別々の大学に進んでからも、何となく付き合っていた。
それが突然、「大事な話がある」と呼び出されて、今こうして向かい合っている。何だろう、大事な話って? もしかして別れ話? もう別れようって言われるのかな?
「よお、久しぶりだな、七海!」
「ねえ、正義くん、話って何?」
「ああ、実は俺、アメリカに行こうと思って