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死起回生(小説あらすじ・書き出し)

はじめに

6ページ目は「私」が過去に書いた小説『死起回生』のあらすじ……と、本文の書き出し発表会です。2回目の発表会なので、あらすじに加えて本文もたっぷり公開しちゃいます!

1回目の発表会はこちら↓

この『死起回生』は2013年11月18日に書き始めたもの……ということは、今から6年前ですね。22歳のふりしてた頃ですか……おお……。

(改行など込みですが)39009字も書いてました――が、なんと未完!もったいない~~!頑張ってたじゃないか私……と思うので、じっくり読み直して完結させることができる日がきますように……という願いを込めて、思い切って発表してみよう!そんなわけで、発表会の会場として、このnoteを選びました。

前置きはここまで!とりあえずは、あらすじですね!

あらすじ

主人公である高校三年生の橘川夕子は、春の麗らかな陽気の日曜日、自殺を決意する。自宅マンションの屋上から飛び降りた先は、自殺しなかった場合の自分が生きる平行世界だった。

平行世界の夕子は七十四歳、自殺せずにその後生きた結果、結婚し孫まで得ていた。しかし、夕子の自殺をきっかけに二人の魂が入れ替わってしまう。

平行世界の夕子は、一月程前から入院生活を送っていた。夫の死による心労である。心配していた息子夫婦に同居を希望していたらしく、夕子は息子夫婦と同居することに。

せっかくだから隠居生活を楽しもうかと軽く考えていた夕子だったが、息子夫婦は共働きであるため、孫の照人の面倒をみることに。五歳の孫・照人は、小うるさく生意気で、どこへでもひっついて回るので辟易する夕子。

しかし、とある事件により、甘えることを知らない孤独な照人の唯一の拠り所が、彼の「おばあちゃん」であることを知る。

孤独な照人から「おばあちゃん」を奪ってしまった罪悪感から、夕子は「おばあちゃん」に成り代わろうと努力する。

照人との温かな触れ合いと彼の成長により、一度は死を選んだものの生への希望を見い出していく夕子。生きることの尊さを実感する中、夕子は自身の体に違和感を覚えていく……。

――というのが『死起回生』のあらすじです。

さてさて、次が本編……の書き出しです。初めに記したよう「たっぷり」なので、文量多めです。ゆっくりのんびり、読んでみてください。

死起回生

 あ、死のう。そう思うことには、理由らしい理由などないのではないか? 自宅マンションの屋上にて、これから自殺しようとしている私には、そう感じられる。

 自分が一番美しいと競い合う花たちすら、我々の前では謙虚になること間違いなし。柔らかく、しかし、張りのある肌は水を弾くし、難しいことはともかく、たぶん明るい未来ってやつを期待する十八歳。

 そんな私には、特別怖いものなんてない。そして、不満らしい不満もない。どちらかといえば私は恵まれているほうだと思うし、実際そうだろう。着るものは好きに選べる自由があるし、嫌いなものは食べないで残すこともできる。住むところに関しては、父が頑張ってくれているおかげで、結構いいマンションである。駅チカだし、三階まであるスーパーは歩いて十分圏内。おまけに、この世界のきらきらしいもの全てを混ぜて作った、と言われても頷けるほど可愛くて、どれもすべからくおいしい洋菓子屋さんだってあるから。

 ただ、この先も何十年か生きていかなきゃならないのは、私にはすごく辛いことのように思えただけだ。

 私は自殺しようと屋上へやってきて、本当にそうするつもりで休日だというのに制服を着込んでいるが、死ぬにふさわしい理由はない。前述の通り、私は普通の女子高生で、衣食住の整った環境で生活させてもらっている。不満も特にない。ただ、春から三年生に進級する私に、お父さんもお母さんも、毎日のようにおんなじことばかり言う。夕子、お前、大学はどうするんだ? 夕子ちゃん、予備校どうする?

 いやぁ、わかんないッス。

 幼稚園の頃はパパと結婚する、とか言っておいて、小学校へ通うようになったらケーキ屋さんになる! その時々で食卓を賑わせたものだが、お父さんもお母さんもそういうこっちゃないわけで。周りは、美容師になりたいから専門へ行くとか、弁護士になりたいから、なんとか大学の法学部に入りたいとか言ってるけど、なんていうか……自分も考えなきゃいけないことなのに、現実味が全然ない。っていうか、なんにもない。やりたいこととか、就きたい仕事とか。興味あることは? そんなこと言われたって困る。

 私だけじゃない、大人たちも困るくせに。

 音楽と映画。素直にそう答えれば、しかめっ面をされるだけだ。それが仕事になるのかとか、仕事にできたとしたって、それでお金を稼げて生活ができるのか。言いたいことは分かるけれど、聞かれたから答えたのに、何をバカなこと言ってるの! と頭ごなしに否定されるんじゃ、好きなことを素直に好きだと言うのすら億劫になったって仕方のないことだと思う。

 そうなると、ただ好きだというだけで専門へ行きたいとは言えない。私も、好きなことで食べていけると信じきれるほど、もう幼くはない。じゃあ、普通に会社員として働く? そのためには大学に通うとして……何学部に入りゃいいのか。理数系は破滅的成績の私には、文系科目のみの試験じゃなきゃ希望はない。とにかく勉強して、理数系の成績を上げようという気もない。だってそもそも、そこまでして入りたい大学がない。

 ――というか、将来に対するやる気がない。だから、まずは、なんとかなりそうな文系の学部、学科を受けるとして、その中で興味のあるところは……とまで考えて、ふっと思ったのだ。

 私って、生きるのに向いてないなー、と。

完結させたい小説の一つ

今回こうして発表会をした理由の一つとして、この『死起回生』を完結させたいなぁという思いがあるからです。他にも「こんなものを書きたいな」という、いわゆる「ネタ」はありますし、構成としてあらすじまで考えたもの、未完だけど書いていたものが眠っています。非常にもったいない。

色々とメモしていたものを読んでいると、過去の「私」をなんとなく感じられるように思います。

『死起回生』を書いていた頃の私は、多分こんなことを感じてたんじゃないだろうか?

「もう死んじゃいたいな」

「でも、そうする勇気もないし、私が死んだ後、パパは独りぼっちだ」

「もう死んじゃいたい、でも勇気がない。私の過去の選択を変えることができたら、今こんなに苦しくなかったのかな?」

ただ、これを書いたのは6年も前のことです。

今の「私」は、その当時とは違っていると思います。根本はどうであれ、考え方や感じ方、そして自分が身を置く環境も。

だからこそ、あの頃の自分のために、そして「私」という「個」を進化させるために、これは完結させたい小説の一つだと言えます。


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それでは、6ページ目はこれでおーわり!

私という「個」を応援してくださると嬉しいです。このnoteで行っていきたいあなたの「進化」のお手伝いにて、恩返しできればと思います。