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小さな革命

休日。
寝ている妻を起こさぬよう 家を出る

「どこ行くの?」

早朝から録画ドラマを見ていた娘と
アイス1個の密約を交わす

外に出ると曇
そしてやや強い風
顔にまとわりつく髪を払いながら

これでいい
と思った
一人旅は明るすぎてはいけないのだ

電車に乗り、一度も降りたことのない駅で降りる
自宅と職場の往復
通過点に過ぎなかった街

見知らぬ街を歩く私
しかし、街にとって わたしも見知らぬ人

道を踏む私の足
それだけが現実であり実感なのだ
そう 私という存在

ふと

「孤独」の対義語が気になった
ITの活用により検索すると それは存在しないということだった
しいていえば「賑わい」あるいは「充実」「満足」とのこと
わたしは歩きながら、あれこれと考えた
しかし、わからない

類義語ならわかる
孤独の類義語 それは「自由」だ

昼。
横浜駅の路地裏で
少しの酒と1杯のラーメンを食べて帰る

リビングのドアを開けると 
テレビを見ていた妻と娘が 一斉に顔を向け

「おかえり」と言った





















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