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zoomと言葉とSDGs 「誰一人取り残さない」ためにできること

先日、10人程度のオンラインzoom会議での出来事。視覚と聴覚に障害を持つ方が参加していました。その方は会話の内容を耳で拾えなければ、目で情報や表情を拾うこともできません。点字を頼りに、会話に参加することが考えられるが、zoomのチャットルームは点字対応していません。会議後にFacebookメッセンジャーで連絡し、状況を聞いたり、内容を共有したり。(Facebookメッセンジャーは点字に対応しています)

少しだけ、その時の話を共有させてください。

zoomと言葉とSDGs。関連していないようで、しているのでは?と思ったので、少し書いてみます。

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持続可能な開発目標(SDGs)。「誰一人取り残さない」 世界を目指すための目標です。英語では、"No one will be left behind"。17の目標から成り立っていて、先進国、途上国問わず、全ての国が2030年に達成を目指す目標です。例えば、貧困や不平等、ジェンダー、教育、エネルギーなど、幅広い分野がカバーされています。

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zoom会議に話を戻します。会議に参加するにあたって、視覚と聴覚に障害を持つ方はあえて事前に連絡をしなかったと伺いました。オンライン会議にどこまで参加できるか知りたかったそう。

「誰一人取り残さない」か「なるべく取り残さない」か。

前者の場合、全員が会議に参加できるように、アシストや補助をつけるなどの対応をとるだろうと考えられます。例えば、点字対応しているGoogleドキュメントの使用やFacebookメッセンジャーで会議の内容を伝えるなど。そのためには、会話のペースを落とす必要があるかもしれません。それによって、少し我慢する人が出てくるかもしれません。

後者の場合、10人のうち、9人は会議に参加できるが、1人の視覚と聴覚の障害を持つ方は会話から置いていかれてしまう可能性があります。良い悪いは置いておいて、このような進め方もある。

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もう一つ。留学開始時の自身の経験から。おぼつかない英語でのスタートです。

ネイティブスピーカー4人と自分の5人のグループワーク。とりあえず会話にはついていこうとするも、早い会話の中で、発言はできないし、内容もいまいち理解していませんでした。

そこで、メンバーの一人が、僕が会話に入れていないことに気を使って、会話のペースを意図的に落としてくれました。もちろん優しさです。とてもありがたかった。

ただ、もちろん、全員が良い気持ちではなく。テンポ良く進めていきたいメンバーがいるのは当然です。気まずい雰囲気とともに、「気を使わせてしまった」「迷惑をかけてしまった」という気持ちが僕にはありました。「変に気を使わせてしまうのならば、空気でいた方が良かった」という気持ちは今でも覚えています。もちろん、とんちんかんな自分に気を使ってくれたメンバーにはとても感謝です。救われました。

もちろん比べられる話ではありませんが。。これをきっかけに英語を猛勉強しました。一方で、zoomでの話のように、努力で変えられないことがあるのも事実です。

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「誰一人取り残さない」と「なるべく取り残さない」どちらを居心地よく感じるかは当事者次第。どちらが正解か、正しいかなどはないと思っています。

配慮することが優しさになることがあれば、しない方が快適に過ごせることにもなる。人それぞれ、状況次第、当事者次第。良い悪い、正解不正解がある問題ではなく、取り残されやすい人や当事者が快適に過ごせるインクルージブな場が重要だと感じました。いるだけ、聞くだけ、発言する、どこが居心地が良いポイントか決めるのは当事者。すなわち、参加の度合いを決める主体は当事者にあるということ。周りはその意思決定をサポートするくらいが良いのかなと感じました。そこを上手に汲み取れる感覚を持ちたいと思う次第です。

SDGs「誰一人取り残さない」は遠い世界の目標に感じられますが、個人レベルでも考えることだろうと思いました。程度やレベルは様々でも、取り残される状況は日常、身近に起こるということ。

今では、UDトークやグーグル翻訳など、画期的なツールがたくさんあります。また、GoogleドキュメントやFacebookメッセンジャーも点字対応しているそう。こういった技術も駆使しつつ、インクルージブな意識を持ちたいものです。

ではでは。最後までありがとうございました。



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