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令和の時代、私たちが旅をする理由について考えてみた

ご縁により、愛媛県松山市とANAが連携し実施したモニターツアーについての記事を書かせていただいた。記事についてはこちら。

このモニターツアーのように、最近は観光が主目的ではなく、SDGsにつながるサステナブルツーリズムを提供する旅プランが増えている。

世界中の人々がコロナ禍で自由に旅へ出られなくなるという経験をした。今後も新しい生活様式に基づき、感染対策を講じた旅が求められるだろう。旅のスタイルは確実に変わりつつある。そのような中で、私たちが旅をする理由とは何なのだろうか。

SDGsにつながる旅プランが増えているとはいえ、旅を通して何を感じるのかは個人の自由であり、周りの人がコントロールできるものではない。

とりわけ子どもは正直なもので、楽しい旅でなければ行きたくはないだろうし、「ちっとも楽しくなかったけどSDGsについて勉強できたから良かったな」などとは思わないだろう。

子どもは「楽しい」「幸せだ」という実感があってこそ、この幸せや喜びが失われることのないように「海を大切にしよう」「ごみを減らそう」とSDGsについて深く考えられるのではないだろうか。

そしておそらくは大人にも同じような思いがあり、結局のところ、人はいつの時代も、楽しみや癒やし、喜び、感動の体験を求めて旅をするのだろう。

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しかし、私たちがこれからも旅を楽しみ続けるためには、地球温暖化のように喫緊のものも含め、さまざまな社会課題が立ちはだかっていることも忘れてはならない。それらの課題を解決するために、世界共通の目標としてSDGsが掲げられている。

こうした状況を鑑みると、旅を楽しむだけではなく、旅がよりよい社会を実現するためのきっかけ作りになることが望ましいだろう。

その点、先にご紹介した松山市とANAの連携するモニターツアーでは、とても理想的な旅プランが組まれていたと思う。

関東の子どもたちがSDGsについて学びながらも、松山市ならではの自然や文化に触れ、純粋に旅そのものを楽しめるような工夫がちりばめられていた。

子どもたちが松山市での旅を楽しいと感じ、たとえ束の間でも、コロナ禍で疲弊した心を癒やす時間を持てたのであれば、それが何よりもうれしい。

人はある程度の心のゆとりがなければ、他者や社会について思いを巡らせることは難しい。楽しい旅は私たちの心にゆとりを持たせてくれる。ゆとりができれば、他者を思いやる気持ちや、社会課題を対岸の火事ではなく自分ごととして見つめる気持ちが生まれる。

また、旅は非日常の体験であり、だからこそ忘れ難い思い出になる。忘れ難い思い出は明日を生きる活力になる。子どもたちが将来のことを考えるとき、あるいは私たち大人が今後の生き方を考えるとき、楽しい旅の思い出は、未来を切り開く力につながるだろう。

持続可能な社会の実現に向けて、こうした好循環が生まれるような旅が増えていけばいいなと思う。

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2021年はコロナ禍により、旅に出られる日常がいかに幸せであるかを実感すると同時に、SDGsという言葉が広く浸透した一年だった。

来春、息子は修学旅行に行く予定である。そのときにパンデミックがどのような状況になっているのか、今はまだ分からない。無事に修学旅行が実施された際には、しっかりと感染対策をした上で、旅ができることの幸せを享受し、全力で楽しんできて欲しい。

旅での経験が彼の人生を豊かにし、持続可能な明るい未来の創造につながることを信じて。

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