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この街で散りゆく紅葉を愛でながら

最近はよく仕事の合間を縫ってウォーキングをしている。行き先は地元の神社・仏閣である。

神社・仏閣へ行く理由はいくつかある。単純に神社・仏閣が好きであること、石段があり、運動不足の体に少しでも負荷をかけられること、美景を楽しめることなどが挙げられる。

とりわけこの季節は境内の紅葉が美しく、散りゆくモミジやイチョウを贅沢な気持ちで眺めている。遠出をしなくても近くに紅葉スポットがあることを幸せに思う。道すがら、愛媛が誇る松山城も遠くに望める。

先日はお寺の前に観光バスが止まっており、20人ほどが参拝していた。お遍路さんの正装である「白衣(びゃくえ)」を着ている人も多い。バスの前方を見ると「四国八十八ケ所 参拝様」と書かれている。

新型コロナウイルス感染症の影響により、一時期はお遍路さんをぱたりと見かけなくなった。代わりにウーバーイーツを頻繁に見かけるようになり、さみしい心持ちだったけれど、最近は再びお遍路さんを見かけることが増えてきた。外国人こそいないものの、観光客が戻りつつあることを実感する。

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今年はYahoo!JAPANクリエイターズプログラムの地域クリエイターとなり、地元の神社・仏閣の紹介記事を書かせていただく機会もあった。

あるお寺の社務所へ伺った際は、ご住職より、記事を事前確認したいがメールはしていないとのお返事をいただき、撮影した写真入りの原稿に手紙を添えて郵送させていただいた。

後日こちらから電話をかけると、ご住職が原稿で修正すべき箇所をとても丁寧に教えて下さった。お寺の知識が素人同然の私は恐縮しきりであったけれど、ありがたく教えを乞う。

お礼を述べて電話を切ろうとしたら、近日中にお寺の催しがあることを知らせて下さり、当日はお寺に来て写真を撮っても構わないとのこと。ご住職の細やかな心遣いがうれしい。こうしたささやかなできごとの積み重ねが、今の自分を支えてくれているように思う。

歴史ある神社・仏閣を守り、後世に伝え残すというのはどれほどの重責であるのだろう。私には想像もし得ないことだけれど、神社・仏閣を敬う一人として、皆が安心して参拝に出かけられる今の状態が続くことをただ祈るばかりである。


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