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シミュレーションから導き出した最適は?

シミュレーション、シミュレーションと何度も繰り返しこだわるのは何故か?

だって…予算にも、土地の大きさにも、建物の大きさにも、全てに於いて限界値があるからです。

その中で最適な状況に導くためには、根拠のあるデーターの積み重ねが必要だと私たちは考えています。

ただ単に"気持ちい"とか"暖かい"など感覚的なものだけに頼るには「住宅」という買い物は大きすぎますよね。

今回は、その大切なシミュレーションデータから、どんな風に最適を導き出したかについてお伝えしたいと思います。

引き続き、少し数字が多くて難しいかもしれませんが、どうぞお付き合いください。


いよいよオフグリッドできるかどうかの判定!


沢山のデータを集積して、発電量、蓄電量、使用電気量を時間ごとに追ってシミュレーションするという前回のお話の続きです。

さぁ、そのシミュレーションで数値を足し引きした計算結果を一緒に見ていきましょう。

オフグリッドシミュレーションver.0.1

上記の表の真ん中、下の方でオレンジ色に塗られている時間帯が
「発電・蓄電量共にゼロ = 停電(欠電)」なので、この時間帯は「買電(電力会社から電気を買う)」することになります。

停電させないために考える事は…
「断熱性性能を上げて暖房に使用するエネルギーを減らす」のか?
「太陽光発電パネルを大きくして発電量を増やす」のか?
「蓄電池容量を増やす」のか?
さまざまな要素を検討、変更を繰り返す必要があります。

そうは言っても限界が。
「屋根の面積はこれ以上大きくならないからパネルは増やせない」
「蓄電池はまだまだ高くてこれ以上増やせない」
ケースバイケースで検討できる要素は限定的です。

私たちは単純に「停電しない」ことが最善とは考えていません。
大切なのは「コスト的なことも含めて最適」であること。

今回我が家では「完全オフグリッド(電力自給)」は無理だということがわかりました。

そしてそこから、バランスの良い点を目指してシミュレーションを繰り返し、計画を練っていきます。

8月13日〜14日のシミュレーション状況


例えば夏はエネルギー供給的には大きな問題はなく、冷房をかけても全然イケています。

これは暖房するエネルギーよりも、冷房するエネルギーの方が少なく済むエアコンの特性の成せる技です。

やはり厳しいのは12月22日の冬至〜3月中旬。
発電量が少ない割に外気温が低いので、暖房エネルギーで結構カツカツ(汗)厳しい状況になります。

年間通じての結果は?

365日24時間のシミュレーションを重ねた結果、私たちの「最適」を導き出した結果は下記の通り。

オフグリッドハウスのための年間シミュレーション結果


年間を通じて停電時間は286時間=12日弱。
3.3%程度の停電が発生することになりますが、オフグリッド率は96.6%なので、年間電気使用量の3.4%のみを電力会社から買えばいいという結論に。

また通常、蓄電池が満充電の場合は電力会社へ電気を売ることができますので、売電金額51,909円-買電金額5,527=46,382円通年でプラスになる計算になります。(我が家は売りませんが…)

上記はあくまでシミュレーションです。
蓄電量が枯渇しそうでも、エコキュートでお湯を沸かしたり暖房したりと、日常生活にしわ寄せの無い、無理のない設定で数値を入力しています。

実際の生活では工夫を重ね、節電節約をするはずですので(笑)停電時間はシミュレーションよりも少なくなるのではないかと考えています。


月ごとに振り返りも実施中!!

現在「オフグリッドな我が家」でも計測を続け、下記のように月ごとに成績表を発表する予定です。

本当に大切なのは、シミュレーションではなくて「実際の数値」なのでお見逃しなく٩( 'ω' )و

*おおいで研究所長:技術的解説シリーズ

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