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情報の出し方、並べ方

前回から伝え方に関する若干応用寄りのテクニックをお伝えしていますが、今回もその辺りをお伝えしていきます。前回予告した部分も多少触りつつ、新しい要素も入れていきますので、お楽しみに。

ほんの少しだけ応用寄りのテクニック編、第二弾。今回も、これまで同様に似たようなお話を繰り返す形になりそうですが、徐々に理解を深めながら先へ進んでいただければと思っています。前回の予告めいた記述もありましたし、注意事項なども含めてコレまでの記事もご確認いただけましたら幸いです。

■ コレまでの講座
0-1.自己紹介(講座向け)
0-2.本編へ入る前に、注意事項
1-1.そもそも、「マーケティング」とは何か
1-2.なぜ、「マーケティング」に取り組むのか
1-3.マーケティングの範囲と主な対象
1-4.マーケティングを取り巻く環境の変化について
2-1.「コンテンツ」とは何か
2-2.コンテンツマーケティングの類型について
2-3.なぜコンテンツマーケティングが必要なのか
3-1.コンテンツマーケティングが関係する範囲
3-2.コンテンツマーケティングに必要となる技術の範囲
3-3.中長期的に取り組むインパクト
4-1.何のためにコンテンツマーケティングをするのか (1/3)
4-2.何のためにコンテンツマーケティングをするのか (2/3)
4-3.何のためにコンテンツマーケティングをするのか (3/3)
5-1.伝え方の基本、人の理解について
5-2.相手を知る、ペルソナを考える重要性について
5-3.伝える時の基本的な考え方、独自に思う姿勢など
6-1.インパクトのある伝え方について

情報を出す時は、リズムと見せ方が大事

自分で余白を作る。自分で拍車がかかるように演出する

何も考えずに情報を出してみても、上手く伝わりません。そもそも、その情報に近付いてみようかなという気にもさせません。魅力のある情報である、あるいは飲み込みやすい情報であると、自分で見せることが重要です。

例えば、この講座ではあまり中に挿入していない画像を使って、文字を追いかけることについては一旦ストップをかけてあげる。ひたすら飲み込むことを求めるのではなく、咀嚼する場所、そこまでの情報を整理する場面を相手に任せず、発信する側が作っておく。あるいは、適度に余白を作ってあげる、空白の行を挿入するなどして、文字の詰まっていない場所を取ってあげる。

ひらがなやカタカナに比べると画数が多く、詰まって見えてしまう漢字を減らしたり、漢字ばかりが続かないように送り仮名が入る形にしたり、無理に漢字にせずにひらがなで書く(=「ひらく」)とか。逆に、平仮名ばかりで意味の区切りが分かりにくい時は、漢字になるよう言い換えたり、カタカナで変化をつけるなど。目で追っていて飽きが来ないように、集中力が続かなくても先を追いかけられるように一手間をかけてあげるのも大切な気配りでしょう。

余白を取る、適度に段落を区切ったり、空白の行を取るというのは、本当に大事。声に出しながら読んでみて、読みにくかったら調整するというのは編集の基本テクニックですが、そこまで高度なことを考えなくても、言葉の塊をそのまま受け取る人にぶつけるのは暴力的です。特に日本語は、水平に文字を追いかけて読むには向いていない言語なので、眼球が動かしやすい横向きの記述を、大量に押し付けるのは受け手の負担が大きくなります。印刷物ならそれほど大きな影響はないですが、モニターで似たようなことをやるのは本当に避けていただきたい。

自分も嫌なことは相手も嫌なことなので、文字の塊が大きくなりすぎないように、一定の間隔で区切るようにしてください。

リズムの演出も大事。ポイントは「3」

基本は5・7・5と語尾の変化。それから「猪鹿蝶」

「声に出して読む」ことと関係してきますが、書く時、表記の時もある種のリズムは意識されると良いかと思います。日本語の基本はやはり、五七調。短歌や連歌で培われた歴史はやはり無視できません。また、単調にならないように、語尾も多少変化させる方が読みやすいでしょう。変化といっても、「である・だ」調と「です・ます」調とをごちゃ混ぜにするということではなく、そこは明確に切り分けながらも、ずーっと語尾が「だ、だ、だ」とか「です、です、です」と同じような音が続かないように工夫しましょう、ということです。

時には単語を入れ替える倒置法を使ってみたり、単語で終わる体言止めを入れてみたり。最後まで言わずに、何かしら余韻を持たせる言い方にしてみたり。自信のない言い方に聞こえてしまう、「だと思います」や「と思われます」にならないよう気をつけつつ、三点ダッシュやダッシュ、「など」や「ね」などで終える書き方を織り交ぜてもいいでしょう。明言せずに伝えるのも、重要なテクニックです。

リズムを作る上でもう一つ重要なのが、「3」を意識するということ。具体的には「松竹梅」パターンと「猪鹿蝶」。どちらも、似たような情報を並べる時にも使えるテクニックですが、前者は「ホップ、ステップ、ジャンプ」的な三段階で、後者は一つだけひねりを加えて変化をつける時に使います。

詳細は並べ方の項で言及できればと思いますが、「リズム」という以上はどこかに同じ形、繰り返しを盛り込んでおくことになります。繰り返されるパターンの中にも、3つのうち2つは似たようなものを入れて置くと変化を演出しやすいのではないでしょうか。

情報を出すにしても、そのまま出さない

伝えたいものは隠す。興味をもたせたいなら境界線を引く

前回述べたことの続きは、この辺りが該当するでしょうか。そのまま情報を出しても、魅力は伝わりきらないでしょう。相手の想像力を刺激しながら、魅力を引き出して良さを伝えたいのなら、「隠して期待感を抱かせる」ようにしましょう。「気になる部分」をこちらで用意することで、興味を引かせることができます。興味を引かせつつ、その先にあるものを想像してもらえるように、情報全体をデザインしてください。

興味を持たせる時、想像力を働かせる時のもう一つのポイントは、隠す時に「境界線を作る」こと。境目を目立たせる、隠れている端っこを演出することで、その先に何があるのかを想像しやすくなります。その想像の中に作られたイメージが、相手の頭の中で仕事をしてくれます。

隠す以外だと、「欠けさせる」のも境界線に繋がるテクニックでしょうか。満ち足りている状態、完璧や完全といわれる状態では想像力を働かせることなく、その完成された様を鑑賞するだけに終わりますが、その中に境目を持たせること、想像力を働かせる起点を作っておくことで、より相手の気持ちや興味を引き込むことができるでしょう。

結局は全部出すことになったとしても、一旦隠しておく。一回想像力を働かせてもらってから、その部分を後で見せる。予告しておいてから二回目で示すことで、受け止める準備もさせながら、受け止める時の衝撃も増大させることができるので、お手軽な割には利点の大きいテクニックでしょう。ただし、「イメージの方が良かった」と事前期待を超えられずに、がっかりされたまま終わることもよくあるので、事前期待を超えられるような伝え方をする一手間も、忘れないようにしましょう。

この辺りのコツは、ワイドショーやテレビ番組でいう「めくり」や、それこそチラリズムやセクシー系産業が参考にはなるんじゃないでしょうか。

類似の情報を並べるときも、ポイントは「3」

松竹梅のステップと、猪鹿蝶の変化を使おう

あんまり沢山情報を並べすぎない方がいいでしょう。どうしても並べるのなら、理想は「3」ですが、「5」とか「7」ぐらいで絞るのがベターですね。一定の規則で並べる場合、レイアウトは等間隔でも、中身については変化をつけて並べた方がいいでしょう。主に金額や寮のような数字の話にはなってしまいますが、真ん中から後ろは少し詰め気味に、真ん中から前は等間隔気味のさじ加減がベターでしょう。

ホップ、ステップ、ジャンプの三段階型で並べない場合は、「猪鹿蝶」型がオススメです。イノシシ、シカと似たような内容を並べながら、一つだけ「蝶」を入れて変化をつけてみる。大事なのは、イノシシ、シカまでは似たようなものを並べておいて、ある程度法則性を演出しておくこと。その演出、予感を多少裏切りながら、変化をつけることで情報の広がりもお伝えするのに役立つ手法です。

似たようなものが3つ続くと、そこから先の変化はつけにくくなりますし、どうしても淡々とした印象を残してしまいがちですが、ある程度の法則性を匂わせながらも、少しの変化をつけておくだけで、その先の大きな変化も予感させることもできるでしょう。まとまり感を伝えつつ、遊び心や躍動感も少し見せてみるだけで、受け手へのエンターテインメント性、楽しんでもらおうという心遣いは伝えられるんじゃないでしょうか。

情報を出す、並べるなら、リズムと見せ方を工夫すること

受け取ってほしいなら、自分で演出する。受け手に任せない

コンテンツの作り方、情報の出し方を自分で工夫する。どう受け取るかは受け手の自由ですが、自由なままでは受け手に与えたい衝撃がきちんと加わりません。衝撃の加え方は、発信する側がきちんとコントロールしましょう。

受け取り方のリズムは、自分で作る。相手をどう引き込むかも自分で作る。出すだけじゃなくて、隠してみる。境界線、境目を作って想像力を刺激する。飽きさせないようにパターンも作りながら、変化も織り交ぜる。色んな小技を駆使しながら、有意義な情報発信、おもてなし精神にあふれたコミュニケーションに取り組んでいただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 ただ、まだまだ面白い作品、役に立つ記事を作る力、経験や取材が足りません。もっといい作品をお届けするためにも、サポートいただけますと助かります。 これからも、よろしくお願いいたします。