見出し画像

何のためにコンテンツマーケティングをするのか (1/3)

何度も似たような話を繰り返して流石に飽きて来たかと思いますが、まだまだ似たような話を重ねていきます。個別のテクニックをお話しする前に、過去の事例を元にどんな取り組みをするのかを3回に分けてお伝えします。

具体的な話をすると言いながら、概念的、観念的な話が続いてますますしんどい頃かと思うので、今度は実際の事例を持ち出して、実際にどう取り組むかを追体験していただきましょう。個別のテクニックはこの後にお伝えする予定ですが、勘の良い方であればこの数回で何となくできるようになるかもしれませんね。

例によって、これまでの講座を踏まえておいた方が理解の助けになるかと思うので、過去の記事も是非ご一読ください。

■ コレまでの講座
0-1.自己紹介(講座向け)
0-2.本編へ入る前に、注意事項
1-1.そもそも、「マーケティング」とは何か
1-2.なぜ、「マーケティング」に取り組むのか
1-3.マーケティングの範囲と主な対象
1-4.マーケティングを取り巻く環境の変化について
2-1.「コンテンツ」とは何か
2-2.コンテンツマーケティングの類型について
2-3.なぜコンテンツマーケティングが必要なのか
3-1.コンテンツマーケティングが関係する範囲
3-2.コンテンツマーケティングに必要となる技術の範囲
3-3.中長期的に取り組むインパクト

事例:「太陽光発電所の売買サイト」を立ち上げる

産業用太陽光発電所の売買事業をサポートする

皆さんが取り組まれるコンテンツマーケティングの事例としては、ゼロ地点以前で途絶えてしまったように思う事案ですが、「Webサイト制作」も一つのコンテンツとして見ればコンテンツマーケティング足り得るかと思うので、これを事例とさせてもらいます。

事業のオーダーとしては、2015年後半における、グリーン投資減税を視野に入れた産業用太陽光発電所の売買事業をサポートするツールとして、Webサイト、ならびにSNSアカウントの立ち上げ、運用も行うというものでした。当時の市場や事業を取り巻く情勢について、私もそれほど詳しくはなかったのですが、関連事業のサイトとしてはほぼ最後発取り扱う商材は他のサイトと大差なし(=オリジナリティはほぼゼロ)、企業の看板力も「使える」レベルではない一連の事業としてはほぼ終盤、その時点から力を入れるには狂気に近い、というのが前提条件のようでした。

普通に考えればまず請けない話でしたが、オーダーを受けてしまったからには、と着手になりました。

着手する前に、まずは材料の検討

Webサイトを作るにしても、どう作るのか

オーダーされた通りに、盛り込みたい材料を配置しても、まず役に立たないでしょう。うん千万円からうん億円の買い物を、ただ情報を載せるだけで最後まで進むとは思えません。また、他に競合がたくさんいる中、普通に作るだけでは検索画面からの流入も難しいでしょう。信用や信頼の裏打ちになるコンテンツも不足している状態で、何からやるべきかを棚卸するところから始まりました。

一番のポイントは、無策に作らない。どこへ向けて何を発信すれば良いかも掴めていない状態で、ただ作って、広告費をかけてアクセス数を増やしたところで、まともな問い合わせには繋がらないと判断し、Webサイトにどういった情報を乗せるのか、運用を始めた場合にどんなコンテンツを積み重ねていくべきか、この時から検討を始めています。

最初に考えたのは、「誰が対象か」

想定される購買者はどんな人物かを練り上げた

産業用太陽光発電所を、グリーン減税を視野に入れて購入する人物とは、いったいどんな人物なのかをまず検討しました。当該事業に経験のある方へヒアリングも行い、対象となる人物の生活パターン、行動パターンも組み立てていきます。

何故そこまでするのか。それは、対象となる人物とコンテンツの接触ポイント、接触するための前後の流れは一体どうなっているのかも仔細に検討し、よりリアルな仮説を立てるため、です。コンテンツを作る側、特にWebサイトを作る側が失念しがちなのは、「相手は本当に、そのキーワードで検索するのかどうか」、「作り手が思っている都合のいいシナリオが、本当に実行されるのかどうか」。発信する側の都合でターゲットを決めて戦略を組み立てても、当たるか外れるかはマグレの域を出ないでしょう。

必ず、相手の生活や行動パターンを想定しながら、どんな悩みを持っているのか、どんな時にその悩みを検討するのか、どんな流れなら最後発でSEO的にも大して強くないサイトへ辿り着いてくれるのかを考えていかないと、事業や営業活動に役立つWebサイト、コンテンツ作りにはならないでしょう。

ヒアリングを重ねた結果、購買対象となる相手、今回のペルソナになりそうな人物像は、「比較的若手の社長」、「都心部からは数駅離れた場所に住む50代ぐらいまでの男性」となりました。優先順位は、「情報の確からしさ」、「サイトの表示速度」(=スキマ時間で閲覧できるかどうか)、「スマートフォンからの使いやすさ」が上位に来るだろうと想定し、高級感を漂わせる不動産系サイト等も参考に、サイト設計、デザインに関するディレクションなどを進めることに決めました。

実際の取り組みなどは、次回へ続く。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 ただ、まだまだ面白い作品、役に立つ記事を作る力、経験や取材が足りません。もっといい作品をお届けするためにも、サポートいただけますと助かります。 これからも、よろしくお願いいたします。