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コンテンツマーケティングが関係する範囲

コンテンツマーケティングのもう少し具体的な部分へ触れていこうと思いますが、まずはどんなジャンル、どんな分野と関わっているのかを大まかに拾い上げてみましょう。「コンテンツ」と付くことでどう変わるのかも、多少伝われば幸いです。

応用が利くように、基本に該当しそうな部分をお伝えしていますが、概要ばかりを聞かされてもそろそろしんどい頃かと思うので、もう少し具体的な部分もピックアップしてみましょう。例によって、本題へ入る前にコレまでの講座を抑えておくと理解の助けになるかと思うので、そちらも是非。

■ コレまでの講座
・0-1.自己紹介(講座向け)
・0-2.本編へ入る前に、注意事項
・1-1.そもそも、「マーケティング」とは何か
・1-2.なぜ、「マーケティング」に取り組むのか
・1-3.マーケティングの範囲と主な対象
・1-4.マーケティングを取り巻く環境の変化について
・2-1.「コンテンツ」とは何か
・2-2.コンテンツマーケティングの類型について
・2-3.なぜコンテンツマーケティングが必要なのか

「コンテンツ」と付かない場合のマーケティングでも、営業やセールスと、直接購買に関わる広告、単なるコストカット関係は対象外として来ましたが、コンテンツと冠することでどう変わるのかもお伝えして行きましょう。

対象となる主な範囲

以下の項目は、あくまでも仮面ライター流の中で想定しているものになります。取り上げる人によっては変わる可能性もありますので、念のため注記しておきます。

1.コンテンツの制作に関する知識や技術
2.Webやインターネット関係の知識や技術
3.広報や広告に関する基礎知識
4.マーケティングや経済、経営の知識
5.人間の知覚、記憶や情報処理に関する分野
6.メディア論やコミュニケーション論
7.諜報や地政学、政治を含めた歴史


少し細分化させてしまった気もしますが、概ね上記7つがコンテンツマーケティングに関係してくる分野、コンテンツマーケティングが関係する範囲じゃないでしょうか。一つずつ、簡単に取り上げておきましょう。

1.コンテンツの制作に関する知識や技術

これはそのままです。関与するコンテンツによって必要なものは変わって来ますが、例えば文章関係だと、ライティングやライティングに直結するリーディング、企画構成や校正関係などが該当するでしょうか。コンテンツの中身についての深い造詣があるとなお好ましいですが、その理由も特別に解説しなくても、ご理解いただけるでしょう。

知識や技術を磨くこともさることながら、そのコンテンツのどこがよくてどこが悪いのかを判断する感性も同時に高める必要があります。どれも、一朝一夕に身につけられない能力なので、専門の作家さんと連携することも検討しましょう。その場合でも、判断するための感性、読むや観る訓練は意識的にやっておいた方がいいかと思います。

2.Webやインターネット関係の知識や技術

これがコンテンツマーケティングに関係する、というのも特別に解説はいらないでしょう。特に予算を抑えながら、小規模に始めるならWebサイトを活用したり、Webメディアを活用したり、あるいはブログやSNSを、分析ツールも含めて一所懸命活用するところがスタート地点になるんじゃないでしょうか。そうすると、それらを生かすにはどうするのかといった知識、どう使えば効果的なのかというノウハウなども身につけておいた方が無難でしょう。

SNS上での立ち居振る舞い、個別の書き込み、口コミに対する備え、インターネット特有の文化なんかも分かっておいた方がいいですね。

3.広報や広告に関する基礎知識

コレも特に異論はないでしょう。従来のマーケティングと少し毛色が違うとすれば、いわゆる「広告」よりは「広報活動」や「PR活動」の割合が増えるという点でしょうか。「売ること」よりも「知ってもらうこと」や「買ってもらった後の声を周囲へ伝える」方に比重を置いた方が上手く機能するように思います。

広告作りのためのフレームワークやテクニック、ノウハウも必要ですが、そこに加えて「広報活動とは」といった基本の部分、企業としての対外的なコミュニケーション、関わり方とはどうすればいいのか、といった知識は持っておいた方がいいんじゃないでしょうか。

4.マーケティングや経済、経営の知識

コレも、マーケティングをやるには必要な知識なので、特別な解説は不要でしょう。経済活動、企業経営なり、起業や新規事業を立ち上げるのに必要な知識、顧客を獲得するには、といった土台を理解した上でないと、マーケティングはもちろん、コンテンツマーケティングも上手く機能させられないかと思います。企業のあり方、存続させるにはどうするべきなのか、また、経営者は常にどんなことを考えているのかなども分かっておくと、こちらからどんなアプローチをすればいいかも見出しやすくなります。

5.人間の知覚、記憶や情報処理に関する分野

文章なり、動画なり、種々の画像なりを積み重ねていってコンテンツマーケティングを成立させる以上は、ヒトという動物はどのように認知、知覚してその情報を処理するのかも分かっておいた方が効率的といえます。

コンテンツを作るときに活用するのはもちろん、コンテンツをどのように発信するか、どのように伝えていくかといったときにも必要になってくる知識やノウハウなので、ぜひ視野には入れておいてください。ヒトの心理に関する部分、脳や意識といった部分、記憶の形成に関する過程なども多少学んでおくと、より良いコンテンツマーケティングができるんじゃないでしょうか。

言葉と深層心理の関係、ヒトの感情やイメージがどのように生み出されるのかも学んでおきたいところですね。

6.メディア論やコミュニケーション論

コンテンツを積み重ねて起業や商品のイメージを作っていく、コンテンツマーケティングを通じて支持を広げる、ファンを少しずつ獲得していくには、人間という社会的動物がどう情報をやり取りしているのか、情報をどう取り扱って社会を作り上げているのかも学んでおくと、コンテンツマーケティングをより有効な取り組みにできるでしょう。

アドルフ・ヒトラーの『我が闘争』、リップマンの『世論』、エドワード・バーネイズの『プロパガンダ』などを起点に、情報やコンテンツと社会の関わり方、社会の中での個人の振る舞い方、関わり方について少しでも自分なりの見方を作っておくのが良いかと思います。

7.諜報や地政学、政治を含めた歴史

情報の集め方、情報の活かし方、真意の隠し方はこの辺りの分野をいくらか学んでおくと、コンテンツマーケティングにも活かせるかと思います。基本的には「地政学」を中心に、政治や歴史を大づかみにでも見ていくと、そこここにコンテンツマーケティングが使われているというのが見えて来ます。情報を生かしたバランスの取り方、複雑な世の中で生き残るために重要な術は何かといったことも、この辺りを学んでおくと役立つかと思います。

また、諜報関係はメディア論やコミュニケーション論と組み合わせて、フェイントを仕掛けるのに相当役立つノウハウが満載です。情報の断片からインテリジェンスを見つけ出す手法、開示情報から確度の高い推論を組み立てるノウハウは、コンテンツマーケティングでもそのまま使えるでしょう。

コンテンツ = 情報を用いて、(市場の中や買い手の記憶の中に)自分たちの居場所を確保するというのも、コンテンツマーケティングのポイントなので、上記をしっかり掴んでおきたいですね。

全てが必須ではありません

それでも、優雅に立ち回るには数え切れない小技が要る

コンテンツ = 情報を上手に、何らかの意図を持って取り扱いながらも、怪しまれないように提供する、味わってもらう、その上で共犯になって自然な口コミを広げてもらうというのは、相応の知識と技術とが必要になって来ます。

巧いコンテンツマーケティングをいきなりやる必要もないですが、効果のあるコンテンツマーケティングをやろうと思えば、かなり幅広い分野、かなりややこしいジャンルの知識やノウハウ、技術を身につけなければなりません。それも、技術が隠れるぐらいの修練が要ります。

演技しない演技、佇んでいるだけで空気を操る、遊んでいるだけなのに美しさを覚える。情報の取り扱い、コンテンツの活かし方について、そういったレベルのものを目指していただけると、コンテンツマーケティングの効果は更に絶大なものになります。ぜひ、面倒臭がらずに学び続けていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 ただ、まだまだ面白い作品、役に立つ記事を作る力、経験や取材が足りません。もっといい作品をお届けするためにも、サポートいただけますと助かります。 これからも、よろしくお願いいたします。