見出し画像

仲良くしたいけど丁寧に扱われたい、という矛盾。

距離感、境界線、ポリシー。
たぶんこれらは自分を守ってくれる。
でも、少し寂しさもくれる。

わたしが通っていたとある美容系サロンの話。
年齢も近いお姉さんオーナーがとても気さくで楽しくて話しやすくて面白くて、体験をしてそのまま契約をした。
それから、1年間くらいほぼ毎月通った。

(こちらはほぼ)裸の付き合いになるし、周りの人間関係も一切被ってないからこそ何でも話せるようになった。本当になんでも本音が言えて、すごく心地よかった。彼女の話も色々聞いていた。
かと言って、「LINE交換しよー!お茶しよー!」とか馴れ馴れしくなることはなかった。

彼女はお見送りでは毎回必ず
完璧な最敬礼。

手を振ってバイバイなんて、絶対にしない。

その徹底した姿に、仕事としてのプロの姿を見つつも、ほんの少しの寂しさを感じていた。
でもたぶん、もしヒラヒラと手を振りながら見送られたら、わたしは内心(まぁまぁのお金払ってるんですけど)と感じていたかもしれない。

対等な仕事の関係からプライベートなお付き合いに発展することは多いかもしれないけど、
サービスを売る側と買う側の関係はその一線を越えることに一定のデメリットもありそうだなと思う。

もしかしたら彼女はわたしの性格まで分かってそうしていたのかもしれない。
いや、誰に対しても徹底してそうするというポリシーだったかもしれないけれど。
とにかく、その姿からは色々と考えるきっかけをもらった。

ちなみに、ちゃんと他の施術の営業もしてきていたけれど、わたしはのらりくらりとかわしていた。普通ここまで来たら買うでしょという雰囲気にもなっていたし、応援のために買いたい気持ちもあったけど、そんなにお金かけられません!という現実もあったし、決断はしなかった。

違う話の中で、「今まで色んな人見てきましたが、michiさんは分からないです。でもそれが魅力なんでしょうね、、、」と言われたこともあり、掴んだようで掴めないお客さんだったのかなぁと思う。ごめん。

人との距離感や境界線がうまくとれない人って世の中にけっこういると思う。
①取りすぎてしまう人、②寄せ過ぎる人、
そして、③この人は受け入れてくれる!と思うと一気に寄ってしまう人。
わたしは③で、だいたい後で開きすぎた心をヒリヒリさせて後悔する。
友達って難しいよね笑

話は逸れましが、
そこに、売る側、買う側、という関係が挟まれるとどうか?
そこを飛び越えて仲良くしたい気もするけれど、向こうから飛び越えてきたらオイってなってしまう訳で、、


皇居周辺の高貴な空気好き


結論、彼女との関係から振り返っても、徹底して一定の距離は保つべきだと思う。

自分が売る側であれば、
どんなに馴れ馴れしく話しても、最後は敬礼で見送る。そこまでできないなら、少しフォーマルなくらいの"ありがとうございました"を言う。
美容師として接客する上で、わたしはこれを徹底してポリシーとしようと決めました。
少しさみしい気もするけれど、仕事なのでそうしようと思います。

買う側だったら、
仲良くしたいけど丁寧に扱われたいという、矛盾した自分の顧客心理も自覚する。

お財布事情や性格でももちろん変わるだろうけれど、自分という基準はあるのだから、そこを元に考えるしかないもんね。

丁寧
尊重
敬意
親しみ
安心感
暖かみ
感謝

それらが共存する世界がいいなぁと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?