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ウズベキスタン旅行記 #8:ブハラの遊園地

2019年に訪問したウズベキスタンの旅行記です。
#7はこちら:ブハラのモスクとメドレセ


ブハラの観光名所であるイスマーイール・サーマーニー廟に向かう途中、近くに観覧車を見つけた。

青空と観覧車。観覧車の足元にはコカコーラの看板が掲げられた店がある

近づいてみると遊園地のようではあるが某ランドのように混み合うことはなく、閑散としている。エントランスらしきものもなく、公園の延長線のようだ。
せっかくなので一番目立つ観覧車に乗ってみることにした。

観覧車のてっぺんから見た景色

動きは日本と同じくらいゆっくりではあるものの、明らかな違いは見ての通り開放感が抜群なところだ。
壁もなければガラスも無い。左手にイスマーイール・サーマーニー廟がとってもよく見える。
天気の良さも相まって清々しい気分にはなれたが、乗る人の倫理観と性善説が試される乗り物だ。

ついでに遊園地を一周してみることにした。

船の形を模した「パイレーツシップ」という乗り物
長い棒の先に座席が取り付けられた乗り物

観覧車以外にも遊園地の王道的な乗り物があった。
パイレーツシップの方は揺れるだけのタイプか、一回転してしまうタイプなのだろうか。いずれにせよそれ以外の意味で怖くて乗る勇気が出ない。

KOSMOSと書かれた看板のある乗り物

これは子供向けかな。あらかわ遊園とかにこんなのがあったような。

複数の車のような形状の乗り物

これも子供向けかな。と思ったのだが、

車のような形状の乗り物をクローズアップした写真。車の正面には不気味な顔が描かれている

顔、怖。
ちょっと夢に出そうなタイプ。

蟹のような脚を持つ生き物の形の乗り物

これもなかなかエキセントリック。蟹かな?

外に置かれたパンチングマシーン

遊園地というかゲームセンターにありそうなものとして、パンチングマシーンもあった。

ZOOPARKと書かれた看板のある小屋。小屋の壁面にはトカゲや小鳥、蜘蛛などの写真が飾られている

遊園地にもゲームセンターにも無さそうなものもあった。本当にZOOがいるのか怪しい狭さだし、そもそも写真のラインナップが渋すぎる。

ガラスの向こうに、ハロウィンのガーランドフラッグが飾られている

渡航した時期は10月末だったのだが、ウズベキスタンにはさすがにハロウィン文化は無いか…と思っていたものの、こんなところに少しだけハロウィンの気配を感じた。

外に置かれた無人の屋台。屋台の壁面には手描きでカートゥーンのようなキャラクターが描かれている

味のある、手描きの何かのキャラクター。
そもそも先程から係員含め誰1人とも遭遇していないのだが、暑い時期にはソフトクリームを売っているのだろうか。

そんなこんなで無人の遊園地を散策していたところ、係員と思わしき2人に突然声をかけられた。

もしかしてそもそも営業日じゃなかったのか? 入ったらまずかったのかも。と思ったが、どうやらタダで乗り物に乗せてくれるらしい。
緩すぎない?

ホイールのような形式の乗り物

とはいえ選ばれた乗り物はこれだった。
正直あまり気が進まないのだが、タダならいいか…と思って乗ったところ、やっぱり怖かった。

係員の2人どちらも英語を話せないので憶測だが、恐らく回転の加減が手動である。
写真では分かりづらいのだが、座席がてっぺんのところで逆さまになる仕様で、しかもその時間が長い!!
絶対に遊ばれている!!

そして逆さまなことよりも、どちらかというと乗り物のメンテナンス具合とかシートベルトのボロさの方が気になって仕方がない。ここは日本とは違うのだ。

瞬間、「邦人女性、死亡」という物騒なワードが頭をよぎった。嫌すぎる。
しかも「降ろして!」と言いたくても、彼らには英語が通じない。ロシア語もウズベク語もわからん。こんなところで言語の大事さを感じるとは…。
などと考えながら、結局は逆さまのまま英語で虚しくストップと叫び続けたのだった…。

5D CINEMAと書かれた看板のある小屋

もう怖いのはこりごり。ということで異彩を放っていたこの乗り物(?)にもタダで乗せてもらった。
4Dすら数多くない時代に、5Dとは一体なんなのか?

小屋の内部。暗幕の張られた部屋の中に、小さなスクリーンがある。スクリーンの手前にはプロジェクターと大きな扇風機があり、手前には3Dサングラスを持った手が写っている

中は数席程しかなく、全てにおいてお手製感あふるる場所だった。
プロジェクターはSANYO。正面から吹く扇風機の風。申し分程度に動く椅子(たぶん元はマッサージチェア)
中学生が自力で教室に作った映画館のようだ。

ムービーの内容は墓場を移動する最中オバケが…という全然怖くない内容だったのだが、肝心の3Dサングラスが曇ってて全然飛び出さない。ブレブレの3D画面を薄汚れたサングラス越しに眺めているだけだ。
しかも隣に座っている係員が手すりに置いた私の手を触ろうとセクハラしてくる始末である。
なにが5Dだ!!

その後、観覧車もタダで乗せるよ! とのことだったが、セクハラ野郎と乗るのは勘弁ということで退散することにした。怒りのあまり突き落としかねん。

ミッキーマウスとミニーマウスを模した偽物のオブジェ

最後に完全アウトな2人組に見送られながら、妙な思い出となってしまった遊園地を後にした。

つづく


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