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その部族には不思議なユルタがあった。 一つのユルタに、たくさんの異民族の人々が住んで…
それからまた、半年が過ぎた。依子は長く長く伸びた髪を編み上げて働いた。 誰もが嫌がる…
元宮は依子の言葉を的確に訳してくれているようだった。けれど話は一向に前に進まない。何度…
翌朝、依子と雷三に服と靴が与えられた。依子にはコットンのTシャツとジャージのズボン。雷…
それからのことを依子は言葉で表すことができない。 すべては高速で行われ、依子の意見を…
二人が話していると男性が目を覚ました。赤ん坊の泣き声に身をよじり、依子の方に目をむけた…
いつのまにか、うとうとと眠っていた。目を覚ましたのは、床が小さく揺れたからだった。 依子は雷三の腕の中から身を起こすと真っ暗な中に目を凝らした。いくらそうしていても船倉の中は真の闇で目に入る影もない。 突然ふわりと浮遊感がやってきた。それから急激に降下が始まった。金の籠はころころと転がる。 「依子!」 雷三が依子を抱きしめ金の紐にすがりつく。依子も手を伸ばし籠に触れようとした。床が何度かバウンドして金の紐をつかめないまま、依子は雷三にすがりついた。 暴れ回っ
異形は人間たちの保護区の近くまで依子と雷三を送ってくれた。異形が保護区の扉を指差すと二…
港の場所はすぐにわかった。赤かった通路が唐突にオレンジの敷物に切り替わった。 その先…
子供達が閉じ込められていた部屋の扉は大きく開け放たれ、中には何も残っていなかった。二人…
明るくなるとすぐに二人は出発した。点に見えていたものは徐々に大きくなり、人工物らしいこ…
いつもの通りスイミーが庭で依子と雷三を籠から出したちょうどその時、塀に穴が開き、大人の…
一度外に出てしまってからは弾みがついたようで、依子はびくびくと身をすくめながらも散歩に…
小さな異形はどうやら子供のようだった。 日に何度も金の籠をのぞきに来ては、目を細め、恐らくにっこりと笑っいるのだろう、依子と雷三を観察して部屋を出ていく。 二人をつがいにしたつもりなのかもしれない。二人の子供を楽しみにしているのかもしれない。 依子はまだまだ幼い雷三を見て、それからつがう、という意味もわかってなさそうな異形の子供を見るとおかしくなって、ふっと笑った。 「どしたの?」 依子の顔を見上げて雷三がたずねた。依子はにっこり笑って首を横に振って見せる。