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タックルケース

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道具のこと、使い方、作り方、なんでもごちゃくちゃ。。。
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ボウスタンド昔ばなし

むかぁし、むかぁし尾張の国に、アーチェリーが大好きなお爺さんが住んでおったでのぅ~。お爺さんは毎日一生懸命練習するのですが、矢取りに行くときに弓を置くスタンドに、弓がうまく固定できないことを悩んでいました。置いた弓がコットンコットンと地面をたたいてしまうのです。どうしてもバランスが取れず、弓が傾きリムが地面についてしまいます。 そこでうまく弓を固定できる方法はないものかと、お爺さんは毎日毎日考えていました。 そんなある日、お爺さんは練習の後いつも行く〇〇〇風呂にいったでのぅ

魔法の板

誰が考えついたのでしょうか。アーチェリーの道具の中で、唯一の「魔法」です。考えたのはアメリカ人のようですが、日本で使われるようになったのは、1960年代後半です。弓を始めたころ、やっと商品としての「クリッカー」が登場しましたが、最初貧しい日本のアーチャーは、プラスチック定規や金ノコや糸鋸を切って削って、作って使っていました。 なぜ「魔法」かというと、アーチャーにとっての魔法の理由は分かるはずです。取り外せば、魔法は消え失せることから分かるはずです。ではなぜ「魔法の道具」かと

廉価版シャフト

日本には、ハンティングも3Dもない。リカーブもコンパウンドもベアボウも、紙の的を射つターゲット競技しかない。この市場の特殊性を知らなければなりません。アメリカでは、この分野は全体のわずか10%にも満たない小さな市場ですが、日本ではそれが100%です。 そんな日本でアーチェリーをする時、使用するカーボンシャフトの最上位モデルには、たぶん、 Straightness: ± .001” Weight tolerance: ± 0.5 grains per packaged doz

Junk Arrow

Kurt が昼飯とショッピングとドライブを兼ねて、アパラチア山脈を見に行こうといってくれました。そんなに遠くはありません、車で1時間ほど西に走れば、ノースキャロライナの人たちが「Blue Ridge Mountain」と愛情こめて呼ぶ、青い峰の山々を一望できるのです。 短いドライブの途中で見つけた、小さなハンティングショップに立ち寄ってみました。もちろん多くの銃やフィッシング用品、そしてアーチェリー用品もありました。そこで驚いたのです。本当に小さなショップ(日本のアーチェリ

ストリング

ストリングの原糸は、必ず「黒」を使う。 ケブラー繊維は元々黄色でしたが、もう50年近く前にケブラーに黒ができてからは、違う原糸を試すのも含め、必ず黒いストリングを使っています。個人個人見え方は違うでしょうが、黒いストリングが一番無意識に弦サイトを感じやすいからです。 昔、ストリングはすべて自作していましたが、ケブラーストリングはよく切れて、1週間に1本は使うので自作はやめて、ヤマハのストリングを使うようになりました。理由はあの頃、全自動でストリングを完成まで作る機械を世界で唯

魔法の粉

「この粉をひとかけするだけで、600点がでます。」そんな魔法の粉がこれです。ひとかけ「¥100万」。 もう40年くらい前に買ったのですが、貼ってある値札を見ると「$2.99」。アローケースの必需品です。とはいえ、昔は「Powder Pouch」を必ずベルトに付けて、毎射ごとタブをはたいて射っていました。それに入れる粉がこれです。誰もがみんな持っていました。 魔法の粉は、ストリングの滑りを良くしてくれます。それは雨の試合などでは、一層効果を発揮してくれます。リリースが取られま

グローブ

1972年ミュンへオリンピック。アーチェリー競技が52年ぶりにオリンピックに復活した記念すべき大会です。この大会で初代ゴールドメダリストとなったのは、男子はジョン・ウィリアムス(USA)、そして女子がドリーン・ウィルバー(USA)です。 ドリーンは全米選手権4度優勝。1969年バレーフォージ世界選手権2位、1971年ヨーク世界選手権2位、そしてミュンヘンで2つの世界記録と共に、世界の頂点に立ちます。この時、彼女は42歳でした。 猫目の形をしたメガネと優雅な振る舞いが彼女のトレ