【進化心理学】MBTI進撃キャラから分析する私たちの幸福論part.5『ISFPエレン』
進撃キャラとMBTIというトピックに書いていこうと思う。その前に…
◇MBTIって?
世界で最も多く受けられた性格診断の一つで(つまりデータが多い)、全部で16型ある。心理学者カールユングの心理学的類型に基づいて作られた。無料なので、キャリア診断などに用いられたりもする。
最近では芸能人が受けたり自分はXXXX型とプロフィールに書く人も多くなっている。正確さを問う声もあるが、おそらくそれは「自己申告型」という形であるから、テストを受ける際の人間の自己認知度やその時々の状態に個人差があるからだと思われる。しかし基本的に認知というのは一部生まれ持った脳の機構であり、生涯に渡って変化しないことが多いため、参考にする価値はあると思われる。
◇参考サイト
MBTI公式診断サイト
所々日本語があやしくて、英語(原文)ほど全て網羅しているわけではないが、無料で危険なサイトではないので安心して欲しい。時間があったらテストを受けるのも良い。
進撃の巨人パーソナリティデータベース(英語)
芸能人やアニメキャラなどをMBTIをはじめとしたさまざまな類型にファンが投票するサイト。人類暇すぎるだろ……
◇ざっくばらんな16型
またメインキャラだけに絞って書くので、16型全部理解する必要はない。また16型と言っても全てが違っているわけではなく、4つの類型に対して2種類の傾向があり、どちらかの傾向が50%を超えた時点でその傾向の頭文字が当てはめられるシステム。完結にいえばこう。
個人的には以下で覚えている。
陽キャ=E 外交型
陰キャ=I 内向型
現実主義(柔軟性が足りない)=S 感覚型
現実性がない、妄想主義=N 直感型
理屈家=T 思考型
感情的=F 感情型
最後まで物事を計画性を持ってやりきれる結果重視型=J 判断型
優柔不断、だらだら先延ばしにする、目の前のことに飛びつき長期性がないことをする=P 認知型
今回はエレンを主軸に分析する。
エレン ISFP(冒険家型 - Kameido版説明→インキャみのある現実主義で感情的な優柔不断)
総合13,400票(!?)の結果ISFPとされている。ESFP(外交的な方)という意見も根強い。ESTP(起業家型)ではないかという意見があるが、個人的にだいぶ感情的なエレンがT型ということはない気がする。またこれはそれぞれの類型の組み合わせSxFなど)で全体の傾向が変わったりするので一面的ではないことを注意されたし。
それぞれの類型の傾向も例えばより外交的な内向型であったり、より感情のある思考型だったりもするので、よほど偏っていない限りはある程度反対の側面もあると考えるのが良い。
例えばエレンは結構対外的なのでESFPではないかという意見があるのは、そういうことだ。内向的だからと言って全体のバランスで見て全員が全員内向きなわけではない。人と関わる内向的な人、人に好かれるタイプの内向家だっているということだ。
前置きはここまでにしてISFPがどういう人なのかを見ていこう。
まずは公式テストのアイコンがこちら。
なるほど、なんか繊細っぽい感じがポリゴンからでも伝わってくる。
公式の概要を見てみよう。
なんかそれっぽいかもしれない。時代背景のため文化や趣味の面まで目が行かないが、冒険が好きっぽいという面では確かにそうだ。やや興味が内向きでゴーイングマイウェイな冒険家。進撃野郎の爆誕だ。
さらに説明を見ていく。
あっ…うーん笑
なるほどと思うところはないだろうか。確かにエレンは他人からの評価を気にするようなタイプではないとぱっと見思うが、「意外と繊細だなコイツ」という場面が所々ある。調査兵団の中ではそれが際立っている。ハンジに厨二病を指摘されたり、「戦え」に突っ込まれたりした時もだいぶ取り乱していた。
ここでさらに深掘りして、ISFP、そんなエレンと同タイプのメインキャラ……はサイトを見る限りいないので、ちょっとより外交的なエレンタイプ、つまりESFPのキャラを見てみよう。
・ サシャ
・ コニー
・ ガビ
……。
そりゃお前……エレンの頭が悪いって言いてえのか…
いや、これは単に結果論であって…別に筆者がそう思っているわけじゃないし……
エレンが馬鹿でありながら後半知略もあるのは普通に後天的な影響(記憶、学習、責任)と若干彼らより内的思考の傾向が強いからだろう。だがファーストエピソードを見てわかるように生来的に彼はそうではない。生き急ぎ野郎だ
しかしすごい偶然(?)にも公式でバカと明言されている(自か他、もしくは自他ともに言及される)人達が揃ってしまった。あと一枚でストレートフラッシュやね
ガビは成績は良かったはずだが猪突猛進型、女バージョンのエレン、洗脳教育一辺倒で批判的思考ができないなどと視聴者から散々言われていたのは記憶に新しい。あとファルコが馬鹿って(これは軽口みたいなところもあるが)言っていたような気がするのでそうであれば本当にフルハウス間近である。
またISFPについては「モテる」という特徴も言及されている。恋愛に関しては、
束縛は嫌いで、自分もパートナーも自由にできることを望む
心を開くのに時間がかかる
と言った傾向がある。
そんなISFPの注意点としては繊細な面があるので心理面でストレスをかけすぎないようにしよう、とのことだ。エレンにとって人生が無理ゲーになった理由がよく分かる。外交的なタイプであるサシャ、コニー、ガビも結構な試練が立ちはだかるので、曇ってはいるのだが、彼らにはあまり考えすぎないという利点がある。
また周囲の人に好かれ、頼ることもできるので、それが最終的に内向エレンと外向バカーズを隔てた要因ではないだろうか。
相対的に、彼らの幸福度も最終的にはそこそこに高くなっている。(サシャに関してはPart4で人生幸福度65をあげている)
進撃アニメ四期のオープニングでエレンは一人最終決戦に進む孤高のカリスマと化していた。だから世界的に人気が出た。みんな、ここぞという時に非情な判断をも下せるような孤高のリーダーが好きだからだ。
人は感情的な生き物で、でも目的意識のために理想を抱いているからこそ、こういった少数派のリーダーを神格化しがちだ。
その通り、エレンはイェーガー派という革命軍や民衆の信仰の対象となった。正直言おう、そんなエレンはめちゃくちゃかっこよかった。
でもそんな彼らの中で本当にエレンを理解していた人がどれだけいるだろう?
エレンは変わったとみんなは言った。(ミカサ談)
でも多分、それは。
エレンが自分を開示することをやめただけだ。
それでそのまま最後までいった。アルミンだったら、誰か他の人間だったら、もしかしたらもっと他に方法はあったんじゃないかと本人が思っているフシがある。
エレンだからこそ人類8割地ならしという結果になったと。
まあ、そうかも。
「俺が馬鹿だからだ」
その通りだ。でも馬鹿の割によく考えた。そして一人で。残念なのはこれがフィクションで、エレンが未来を見ることができたという点において、彼に事実上の神の視点を与えていることだ。つまり話はそこでほとんど完結している。エレンがヒストリアに触れて、未来と過去と繋がった時点で、物語の9割9分は終了していた。
だから物語はエレンの手のひらの上だった。エレンもまた、ユミルの手のひらの上だった。大前提として作者の手のひらの上だ。
本来ならば、結果は誰にもわからない(エレンの進撃の能力を除いて)。人間は予測というものが下手くそだ。嘘だと思うなら、今すぐ2分間でできることを考えてタイマーで測って2分以内に完了させてみるといい。半分以上が時間オーバーするから。これがさらに大きいタスクとなればさらに不確実性の傾向は強くなる。
我々の予測する結末と現実にはずれがある。人はすぐ先の未来でさえ、確実にはかることはできない。
だから自らの置かれた環境を少しずつ最適化して、より快適に未来へといい決断をしやすいように角度を整えることが今の私たちの生活では大事になってくる。
エレンはゼロレクイエムし自分が悪魔になって仲間を助けた。全てが計画通りだったとはいえ、メッセージはそこそこ明らかだ。それは仲間と友情である。ていうか、個人的にもっというと、一人になるな である。
一人になる=死
ぐらいで考えていい。一人でミッションをこなそうとした者は、進撃世界では大体死んでいる。
ジーク、ミケ、イルゼ……。
ガビも一人であれば何度死んでいたことか。
マルコも一人でなければ死ぬことはなかったかもしれない。
Part4で言った通り我々のこの小賢しい体が孤独に対して危険信号を出すのは、何も体がアホだからだけではない。ちゃんと生存本能に基づいた理由がある。一つにフィジカルに死ぬ確率が高い。そしてつがいを見つけられない場合、遺伝子を残せない可能性は100%だ。
そりゃ、日々命を脅かされることのない現代社会では助け合いを強いられることもない。ある程度自立して独立して十分に生きていけるようになった。
しかし社会性はより発達し、人とのコミュニケーション力は以前にも増して求められている。フリーランスなど少し会社の枠から離れて例えば自分で仕事を探す際に鍵になるのはコネクションだ。人との繋がりだ。自分を開示して、人に好きになってもらう。同情してもらう。信頼してもらう……。
生には人と繋がる力が密接に関係しているのだ。
記憶以降、エレンは孤独だった。てか鬱だった。誰にも理解してもらえないから。自分一人で抱えなければいけないから。フォロワーはいても理解者はいなかった。フロックは理解してくれたが、心の深層に辿り着くことはなかった。
でもそれでよかった。彼らに大事なのは、結果だったから。その途中で何人か犠牲になろうとも、自分の幸せを犠牲にしようとも。
エレンは元々割り切れるタイプではない。彼の同情心や劣等感は強い。だから最後、アルミンに対してすごく情けない本音を晒した。
エレンフォロワーはガッカリした。彼はエルヴィンのように完全無欠なカリスマリーダーではなかったから……。(エルヴィンも完璧ではないことはここでは突っ込まないでおこう)
でも、結構最後まで引っ張っただろ?自分でない人間の仮面を被り続けるのも、つらいのだ。
最後はエレンという一大悪に対して、ヒーロー集団が友情と愛のパワーで戦うマーベルな展開になっていた。なんかアルミンが説得してジークやベルトルト、鎧までもを味方にするというなんかすごい王道展開だった。(ここら辺は微妙にアツいよりもちょっと都合いいなと思いましたマル)
これが敵が複数入れば、戦況はさらに困難を極めただろう。全員を駆逐することは出来なかっただろう。な、ライナー、アニ。
そう、仲間を増やすという行為自体が自分と自分の意思というミームを生きながらえさせる最も手堅い手段なのだ。
だから友達や恋人作りに必死になるなんてダセエとか言っている場合ではなく、必死になって当然なのだ。生きるために仲間を作れ。みんな生きるのに必死だ。それを使って化学反応を起こせ。
次回も、MBTIでキャラ分析をして、我々が幸せに生きるために必要なエッセンスを抜き出して行こうと思う。ちなみに、参考までに同タイプとされている人たちの一例をここに先に出しておく。
INTP(論理学者)
ジーク
ピーク
ピクシス司令
なんかピクピクしてるなここだけ。
ここらは微妙にちょいオタクの気があるマイペース達なのでお互いにそこそこ気が合う。例えばジークもおそらくピークのことが嫌いではない。たまにソシオパスと思われたりする側面もあるため兵長などとは合わない。はい。
INFJ(提唱者)
アルミン
グリシャ
ウーリ
初代フリッツ王
なんだこのINFJ的としか言えない集団は。現実世界でも人口に対して割合が低いかなりレアなタイプ。まあこんなのが何人もいてたまるかというところではあるが……。一見穏やかで人好きのする、正義感の強すぎるヤバい僧侶タイプとでも言おうか。のちに深堀りする。
ESFJ(領事館型)
カルラ
ヒストリア
フリーダ
ライナー
なんかここみんな顔と属性が似てるな。ライナーは悲劇の姫属性サブヒロイン枠だった…?間違ってないのがなんとも。
ENTP(討論者)
クサヴァーさん
ハンジ
が同じタイプ。フレンドリーな研究者。現実ではエジソンとかがそう。自由奔放な発明家タイプ、現代社会では才能の使い道に悩みそうだなー。
それではまた次回。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?