美味しい話  果物  加工と生食

以前大規模トマト農家を経営しているトマトの神様と話をしたことがある。毎朝圃場の土を食べて足りない肥料を確認する。糖度と酸味のバランスを調整して、仕入れ希望価格に合わせた「甘さ」のトマトを育成する。糖度を上げると面積単位の収穫量が少なくなるので価格が上昇する。しかし相手の希望仕入れ価格はそこまで高くない。糖度をそこまで上げなくても、酸味を調整することで「甘さ」を引き立てることができる。

そんなトマトの神様 以前欧州にトマトを持参し、こんな甘いトマトが日本では作れるんだぞと意気揚々と紹介した。しかし欧州では全く評判にならなかった。逆にトマトを甘くして何がしたいんだと怪訝な顔をされたという。トマトは調味料であり、加熱して美味しいトマトが好まれる。酸味が重要。日本とは評価基準が違ったと。

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地域で頑張っている人たちと一緒に学びたい。 全国の生産者を知る、食いしん坊の亀田武嗣のおいしい情報を掲載していきます。

年間100日を日本各地に出向いて、地域の課題解決の相談にのっていた亀田武嗣(デジタルメディア研究所・主任研究員)による、足で探し、人と交流…

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