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宇宙に行くことは地球を知ること、と言う本を買った話

元々、宇宙とか言う言葉には反応してしまうので、
立花 隆の『宇宙からの帰還』も読んだし、
『アポロ13』も観たし、『ライトスタッフ』も好きだ。
『宇宙戦艦ヤマト』も観たし、『銀河鉄道999』を観るために、
映画館の前で列に並んだりもした。
『スターウォーズ』シリーズは全部映画館で観たし、
『スタートレック』もカーク船長の旧シリーズは、
全部映画館で観た。
時代は、アポロ計画、スペースシャトルなど、
宇宙が身近に感じられる時代だったのだろう。
そして現在、ロケットは民間企業が打ち上げる時代に入った。

そんな時代に、現役宇宙飛行士と、
宇宙へ行きたいと公言するミュージシャンの対談本である。
ただ2人の話を収録しただけでなく、
ライターがきちんと手を加えていることもあって、
読みやすく、興味深い話もたくさんあった。

対談したのは野口聡一さんと、矢野顕子さんだ。

55歳にして現役の宇宙飛行士 野口聡一さんは、
宇宙への興味は『ヤマト』や『999』が入り口らしい。
ちょっと、自分と同じ匂いがする。

矢野顕子さんはニューヨーク在住のミュージシャンだ。
最近は、何かにつけ宇宙へ行きたいと語る矢野さんは、
白内障の手術を受けたことで、
夜空には「何てたくさんの星があるの」と驚き、
宇宙への興味を掻き立てられたらしい。

実は、矢野さんは生まれつき医学的に視力に欠陥があったらしい。
その視力が弱いという欠点のおかげで、
ピアノを弾く事で他人と会話する人格が形成された
という言葉は興味深い。
「楽譜もきちんと見えないから、耳で聞いて、好きな曲を弾いてるの。
だから、耳には自信があるし、車の調子もエンジンの音で判断できる。」
そんな話しには、驚きと妙な説得力があった。
(クルマを運転は眼鏡使用だったようだが)

野口さんの話しは、
NASAでのスペースシャトル、ロシアのソユーズ、
2回の打ち上げと帰還。
ISS-国際宇宙ステーションでの2度の滞在と
船外活動。
さらに民間企業のスペースXでの訓練と、
それぞれに時代も感じられて興味深い。

これは、若い人には判らないことかもしれないが、
ある程度の歳をとると、決断と行動のスピードが衰える。
野口さんが50歳半ばで、
宇宙へ行くための訓練に臨む姿勢は敬服するし、
矢野さんが宇宙へ行きたいと言う思いも、
まんざら夢物語でもない。
と言うより、当の本人は本気のようだ。

NASAの宇宙飛行士募集要項で、
数学・物理学等で博士号を保持することが望ましい、
という部分は無理かもしれなと諦めたが、
宇宙飛行士の訓練はプールで行われるので水泳は必須、
の部分を見て、これなら自分にもと思い、
ジムに通い400mを泳げるようになったそうだ。
「私、宇宙飛行士になるために泳げるようになりたいんです。」
全くのカナヅチの彼女の姿勢に、
ジムのトレーナーは笑う事なく指導をしてくれたらしい。
そういう処は本当に米国は優れているし、
他人を手助けしたいという姿勢は、
誠意だけでないもの感じる。
やはりキリスト教という宗教が、
生きる事の根底にあるのかもしれない。

話は少しそれるが、
私は、野口聡一さんのTwitterもフォローしているのだが、
最近の日本の食品企業の宇宙食の取り組みは凄い。
凄いを通り越して、エグい。
日清焼きそば宇宙へ。
ホテイの焼き鳥缶詰、宇宙へ。
味の素マヨネーズ、宇宙へ。
彼のタイムラインに並ぶ、
日本の食品企業のリツイーは笑える。
相手がNASAから民間へ移行したのも理由なのだろうが、
ここぞとばかりに売り込んだのだろうか。

10月末には野口さんは民間企業が打ち上げでISSに向かう。
今は、只々、ミッションの成功を祈るばかりである。

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