インフルエンザウィルス

未来文明史論2020 ❷感染症と人類史〈3〉

▼はじめに:
 前回の原稿を読んでうえで、本稿もお読み頂ければ幸いです。ペスト菌(細菌)流行の歴史から、#新型コロナウィルス への現状を考察しつつ、意見を述べた。
 本稿では、ウィルスの感染症事例として、#インフルエンザ を挙げてみた。現在も流行中であり、研究が進んで、症状・感染経路・予防法や治療法も確立している。また、ワクチンの副作用問題も指摘されており、今後の新型ウィルス対策の指標になるものであるから。
 そもそも、わたしにとって、#スペイン風邪 で先祖を亡くしていることで興味関心をもった。現在、最大の懸念されている 
#新型コロナウィルス最新のニュースをまとめてみた **。 **

▼新型コロナウィルスニュース:
※異例の措置:
「全国すべての公立小中高休校へ首相表明、新型肺炎で3月2日から(産経新聞)-Yahoo!ニュース」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200227-00000568-san-pol

「退院後に再び陽性:日本経済新聞」 
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56101170W0A220C2CC1000/

**  「2週間後」はちょうど「3.11」 追悼式どうなる 東北に波紋 | 河北新報オンラインニュース **https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202002/20200227_73001.html via @kahoku_shimpo

「日本政府、韓国・大邱滞在の外国人を入国拒否へ 中国以外では初」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/post-92496.php

「新型コロナ 世界マップ」最新の患者数・死亡者数が表示されます
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/<img alt="画像1" src="https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/20016070/picture_pc_90ad8f9fab64ce97796b74f8fceaa1df.png" width="620" height="333">

▼考察と意見:
 長文の引用をお許しください。はじめて聞いた案件もあり、出来る限り、多くの情報を引用した。
 インフルエンザは、過去の研究の蓄積が多くて、とても参考になる。インフルエンザウィルスと新型コロナウィルスとを比べることは、すべては当てはまるわけではないけれども、いまできる施策の一部が含まれている。当面、手洗いの励行・検査・ワクチン・治療薬など必要となるだろうが、時間と費用が厖大にかかるだろう。データ収集中である。
 政府がとった「休校」(2020年3月)という施策も、決して東京オリンピック開催のためではないはずである。国内外の社会にむけて、さまざまな問題を孕みながらも、最低限度できる方法だったのであろう。「生き残る」という知恵の一部である。もちろん、金銭面の損害は自明のことである。重症でなければ指定病院では治療できず「自宅治療」というのは心もとないが、全て検査も実施は難しいだろう。院内感染の危険があるからである。まずは罹患しないように、この1~2週間はすべての社会活動を自粛する方針がベター。検査も「陽性」「陰性」と白黒つけることも難しい。無菌であることはできない。この施策の不平不満は次の通り。

イベントができない。多額の損額がでる。  
学校の授業や入学式・卒業式できない。
学校が休みと、幼児や子どもだけになる。看護師など病院を休むため、経営できない。

 わたしたちの世代は、2011年の  #東日本大震災  2019年の  #東日本台風  で被災して、生き残った世代である。こちらは直接死亡する、あるいは被災関連死も沢山あった。2020年は  #新型コロナウィルス   #肺炎  に直面している。むかし、#戒厳令 というのがあったけれども、そのような「危機的な状況であること」を把握すべきである。
 マクロな視点でみれば、人間にとって都合が良い生物だけを優先して、残りの細菌・ウィルスを「ばい菌」と評する、人間至上主義に陥っていないだろうか。

 私は、治らない病気を抱えて、障碍者として生きる道を選んだ。自死も何度も考えたこともあるけれども、「この世の中で生きる」という選択肢を取った。間質性肺炎で死線を彷徨ったこともある。
 新型ウィルスは恐ろしい。対策は遅かった。それを再確認できた。それら現状を冷静に受け止めて、社会的なパニックにならないよう、政府・行政・学校・企業・地方自治体・医療機関が、情報の透明性を高めることには、社会的な責任があるだろう。

▼詳細な情報はこちらを:
インフルエンザ(総合ページ)厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html
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インフルエンザQ&A 厚生労働省**https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
参考:引用文献です
▼インフルエンザ概説:お時間がない方はこちらのみ、お読みください。
 インフルエンザ(イタリア語: influenza、ラテン語: influentia)とはインフルエンザウイルス急性感染症。上気道炎症状・呼吸器疾患などを呈する。流行性感冒(りゅうこうせいかんぼう)略して流感(りゅうかん)とも呼ばれる。日本語ではインフル、英語ではfluと略されることも多い。
 季節性インフルエンザには、A型、B型、C型 の3種類があり、全ての年齢層に対して感染し、世界中で繰り返し流行している。日本などの温帯では、冬季に毎年のように流行する。通常、11月下旬から12月上旬頃に最初の発生、12月下旬に小ピーク。学校が冬休みの間は小康状態で、翌年の1-3月頃にその数が増加しピークを迎えて4-5月には流行は収まるパターンであるが、冬季だけに流行する感染症では無く夏期にも流行することがある。A型は平均相対湿度50%以下になると流行しやすくなると報告されている。
 全世界では毎年 300 から 500 万人が重症化し、呼吸器系の症状により 29 から 65 万人の死者を出している。先進国における死者は 65 歳以上が最も多い。また病欠・生産性低下といった社会的コストも大きい。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主といわれている。抗インフルエンザ薬としてタミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどが存在するものの、ウイルスはすぐに耐性を獲得するため、その効果も備蓄するに値するかどうかが見直されてきた。
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▼歴史:**
 「インフルエンザ」の語は16世紀のイタリアで名付けられた。当時は感染症が伝染性の病原体によって起きるという概念が確立しておらず、何らかの原因で汚れた空気(瘴気、ミアズマ)によって発生するという考え方が主流であった。冬季になると毎年のように流行が発生し春を迎える頃になると終息することから当時の占星術師らは天体の運行や寒気などの影響によって発生するものと考え、この流行性感冒の病名を、「影響」を意味するイタリア語influenzaと名付けた。この語が18世紀にイギリスで流行した際に日常的語彙に持ち込まれ、世界的に使用されるようになった。なお、日本語となっている「インフルエンザ」はイタリア語での読みと違い、イタリア語での読みは「インフルエンツァ」である。日本では平安時代に近畿地方でインフルエンザらしき病気が流行したと記述が残っており、江戸時代には幾度か全国的に流行し、「お七かぜ」「谷風」「琉球風」「お駒風」など当時の世相を反映した名称で呼ばれた。古くから風邪、風疫とされるとおり、悪い風が吹いて人々を病気にするという認識があった。幕末にはインフルエンザの名称が蘭学者より持ち込まれ、流行性感冒(流感とも略す)と訳された。インフルエンザと呼ばれる以前は、江戸の人気芝居「お染久松」の「染」に掛けて俗に「お染かぜ」と言った。惚れた恋風に見立てた。民家の玄関に「お染御免」「久松留守」といった張り紙をしたという。
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▼症状:**
 風邪(普通感冒)とは異なり、比較的急速に出現する悪寒、高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛を特徴とし、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰などの気道炎症状を伴う。腹痛、嘔吐、下痢といった胃腸症状を伴う場合もある。主要な合併症として肺炎とインフルエンザ脳症がある。
 潜伏期間は1–2日が通常であるが、最大7日までである。
 A型インフルエンザはとりわけ感染力が強く、症状も重篤になる傾向がある。まれにA型、B型の両方を併発する場合もある。肺炎や上気道の細菌感染症を続発し死亡することがある。

▼種類:
A型インフルエンザウイルス
B型インフルエンザウイルス
C型インフルエンザウイルス

 感染してウイルスが体内に入ってから、2日〜3日後に発症することが多いが、潜伏期は10日間に及ぶことがある。子供は大人よりずっと感染を起こしやすい。ウイルスを排出するのは、症状が出る少し前から、感染後2週間後までの期間である。インフルエンザの伝播は、数学的なモデルを用いて近似することが可能で、ウイルスが人口集団の中に広がる様子を予測する上で役に立つ。
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▼感染経路:**
インフルエンザは、主に次の3つのルートで伝播する。
(1)患者の粘液が、他人の目や鼻や口から直接に入る経路、
(2)患者の咳、くしゃみ、つば吐き出しなどにより発生した飛沫を吸い込む経路、
(3)ウイルスが付着した物や、握手のような直接的な接触により、手を通じ口からウイルスが侵入する経路である。
 この3つのルートのうち、どれが主要であるかについては明らかではないが、いずれのルートもウイルスの拡散を引き起こすと考えられる。空気感染において、人が吸い込む飛沫の直径は0.5から5マイクロメートルであるが、たった1個の飛沫でも感染を引き起こし得る。1回のくしゃみにより40000個の飛沫が発生するが、多くの飛沫は大きいので、空気中から速やかに取り除かれる。飛沫中のウイルスが感染力を保つ期間は、湿度と紫外線強度により変化する。冬では、湿度が低く日光が弱いので、この期間は長くなる。インフルエンザウイルスは、いわゆる細胞内寄生体なので細胞外では短時間しか存在できない。紙幣、ドアの取っ手、電灯のスイッチ、家庭のその他の物品上で短時間存在できる。《略》
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▼予防:**
 一般的な予防方法としては、日常生活上の注意とワクチンを使用した予防接種がある。マスクの着用やうがいによってインフルエンザを予防することは、世界保健機関では推奨されていないし、十分な予防効果の科学的証拠がない。マスクは湿気を保つためと、感染者が感染を大きく広げないための手段として考えられている。理論的にはウイルスを含む飛沫がマスクの編み目に捉えられると考えられるが、十分な臨床結果を必要とする。
 免疫力の低下は感染しやすい状態を作るため、偏らない十分な栄養や睡眠休息を十分とることが大事である。これは風邪やほかのウイルス感染に関しても非常に効果が高い。 **
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▼うがいの否定:

 予防としてうがいが有効であると言われてきたが、厚生労働省が作成している予防啓発ポスターには「うがい」の文字がない。また、首相官邸公式ウェブサイトや報道でも、うがいには明確な根拠や科学的に証明されていない。
 インフルエンザウイルスは、口や喉の粘膜に付着してから、細胞内に侵入するまで20分位しかかからないので、20分毎にうがいを続けること自体が、無理かつ非現実的である。
 ウイルスは鼻の奥で増殖するので、喉のうがいは全く意味が無い。世界保健機関の風邪予防方法にも「うがい」は紹介されていない。
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▼感染管理:**
 感染の可能性が考えられる場所に、長時間いることを避ける必要がある。人ごみや感染者のいる場所を避ける。予防にマスクを用いた場合は速やかに処分する。患者は直ちに個別室に隔離する。
 石鹸による手洗いの励行や、手で目や口を触らないこと、手袋やマスクの着用といった物理的な方法で、ウイルスへの接触や体内への進入を減らす。ただし、間違ったマスクの使用は、感染を拡大させる危険性が増大する。
 新型インフルエンザに対する飛沫感染防止として、医療機関では防塵性の高い使い捨て型のN95マスクが利用されており、正しい方法で装着し顔に密着させなければ、有効な防塵性を発揮できない。2005年のアメリカ疾病予防管理センターガイドラインでは、一般的な季節性インフルエンザに対しては、外科用マスク着用で対応可能である。換気をこまめに行う。空気清浄機でも良い。
 インフルエンザウイルスは、気温 20.5–24.0 °C の典型的な暖房室温において、相対湿度 50% 以上で急速に死滅する。このため部屋の湿度 (50-60%)を保つことにより、ウイルスを追い出し、飛沫感染の確率を大幅に減らすことが可能である。しかし湿度60%以上にすると、部屋が結露してカビ繁殖の原因になるため、上げすぎないこと。
 感染者が使用した鼻紙やマスクは水分を含ませ密封し、小まめに廃棄や洗濯をする。感染者と同じタオルを使用しない。感染者の触れた物を、エチルアルコールや漂白剤で消毒する。
 RNAウイルスは日光や消毒薬そしてRNaseに非常に弱いため、衣類に唾液・くしゃみなどが付着したものからの感染は科学的には考えられない[。が、一応こまめに洗濯した方がよい。

 ▼インフルエンザワクチン:
(1)弱毒性インフルエンザワクチン
点鼻ワクチンであり、針を介さないため針を好まない人に有用である。また、生ワクチンであるが故、抗体の定着も良好。適応は5歳以上、50歳未満。禁忌は、不活化ワクチンとは対照的に、慢性的な循環器・腎臓・呼吸器疾患や代謝疾患、血液疾患、易感染性、免疫疾患の者、妊娠している女性、ギラン・バレー症候群を既往に持つ者。副作用で頻繁に起こりうるのは、鼻炎や感冒症状。日本では未承認であるため、輸入ワクチン取り扱い医療機関にて申し込み、自由診療での予防接種となる。

(2)ワクチン投与(接種)
投与手段は皮下注射や筋肉注射であるが、米国では鼻噴霧式のものも認可されている。インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられる。過労、ストレス、睡眠不足や不摂生な生活をすれば身体の免疫力そのものが低下するのでワクチンを接種したから大丈夫と過信してはいけない。効果は、一般に2週間程度で効果が出始め、3カ月程度は効果があると考えられている。従って、接種2週間後までの不摂生は避けるべきである。
 日本におけるワクチンの接種費用は3000〜6000円程度が多い。料金は医療機関によって異なり、健康保険の法定給付の対象外である。健康保険組合や国民健康保険組合などでは保険者独自の給付として、被保険者や世帯主に対し接種費用の助成を行う場合もある。65歳以上の高齢者、60〜64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される人、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な人については予防接種法上の定期接種に指定され、多くの自治体において公費助成が行われている。
 2017年5月、皮膚に貼るタイプのインフルエンザワクチンを開発・人間への活用を目指すと学会で発表された。

 ▼ワクチン製造:
 日本では、インフルエンザウイルスのA型およびB型株をそれぞれ個別に発育鶏卵(鶏の受精卵)で培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液をゾーナル遠心機による蔗糖密度勾配遠心法により濃縮精製後、ウイルス粒子をエーテル等により処理して分解、ホルマリンで不活化したHA画分を用い、各株ウイルスのHAが規定量含まれるよう希釈調製して製造している。2014-15シーズンまではA型2株とB型1株の3価ワクチンだったが、B型である山形系統とビクトリア系統の混合流行が続いていること、2013年WHOの推奨もあり、2015-16シーズンよりA型2株とB型2株の4価ワクチンが選定された[46]。
鶏の受精卵を使用するワクチンの製造には6か月程度必要であるため、次の冬に流行するウイルス株を正確に予測し適合するワクチンを製造することは難しい。《略》

 ▼副作用:
 インフルエンザワクチンは鶏卵アレルギーの患者にも接種の際に注意が必要である。そのため、一部の施設では接種自体行っていない。施設によっては、皮内テストなどを行った上で接種したり、2回に分割して接種する、アドレナリンおよび副腎皮質ステロイド製剤を準備した上で慎重な観察の下に接種するなどの工夫をして接種を行っている。
 かつては日本でも学校で集団接種が行われていたが、同様に鶏卵アレルギーの問題のため現在は任意となっている。医療従事者向けに医療機関で実施したり、小中高校・大学などで実施する場合も、個人の意志による自発的な接種と位置づけられている。2006年の報告では、インフルエンザ自体に対する集団接種の効果はある程度はあるものの、費用対効果あるいはリスク対効果の点では不明である。

 ▼日本でのガイドライン:
 日本感染症学会の提言では、病院施設、高齢者施設においてインフルエンザが発生した場合、インフルエンザワクチン接種の有無にかかわらず、同居者に対して抗インフルエンザ薬の予防的投与を行うとしている。
 治療用の薬であるオセルタミビル(商品名「タミフルカプセル75」)、ザナミビル(商品名「リレンザ」)、ラニナミビル(商品名「イナビル」)は、予防用としても使用認可されている[31]。予防薬としての処方は、日本では診療報酬の適用外であり、原則的な利用条件が個別に定められている。インフルエンザ感染症を発症している、患者の同居家族や共同生活者(施設などの同居者)が下記のような場合には、タミフルのカプセル製剤を1日1回、予防使用することが認められている(7–10日間、継続して服用する)。健康成人と13歳未満の小児は、予防使用の対象にならない。
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▼検査方法:**
 臨床検査技師など専門家でなくても迅速に診断が可能な検査キットが2001年頃より臨床現場で使われ始め、普及している。この検査キットでは、「鼻腔吸引液」「鼻腔ぬぐい」「咽頭ぬぐい液」を用い、15–20分で判断をすることができる。A型とB型の鑑別も可能であるが、ウイルスの亜型の判別までは行えない。《略》
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▼治療:**
 まず感染防止のため、患者を直ちに個別室に隔離する。2009年の英国国立医療技術評価機構(NICE)ならびに、2012年の日本感染症学会の診療ガイドラインでは、発症してから48時間以内といった条件を満たした場合、ノイラミニダーゼ阻害薬の投与を行う。抗生物質は効かないばかりか、薬剤耐性を生み出すので使わない。
 2009年のNICEのガイドラインでは、オセルタミビル(タミフル)かザナミビル(リレンザ)が治療に選択されるとしている。一方でNICEは、アマンタジンはインフルエンザの治療に推奨していない。さらにアメリカ疾病予防管理センター (CDC) も2005年 - 2006年のインフルエンザについて、アメリカではアマンタジンとリマンタジン(英語版)(日本未発売)を使用しないように勧告を行った。このシーズンに流行のインフルエンザウイルスの90%以上が、これらの薬剤に耐性を得ていることが判明したためである。2014年、コクラン共同計画と英国医師会雑誌は共同で、出版バイアスを除外して24,000人以上からのデータを分析し、オセルタミビルとザナミビルは、当初の使用の理由である入院や合併症を減少させるという十分な証拠はなく、成人では発症時間を7日から6.3日に減少させ、小児では効果は不明であり、世界的な備蓄が必要なほどの恩恵があるかどうかの見直しの必要性を報告した[4]。2017年には世界保健機関の必須医薬品専門委員会は、そうした新たな証拠があるためオセルタミビルを必須医薬品から補助的な薬に格下げし、重篤な入院患者でインフルエンザウイルスの感染が疑われる場合のみの使用に制限することを推奨した。
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▼抗インフルエンザ薬:**
抗インフルエンザ薬「タミフル」
抗インフルエンザ薬「イナビル」
 2002年冬、インフルエンザが非常に流行したため、抗インフルエンザ薬が不足する問題が起こったことがある。
 暖かい場所で安静にして睡眠をよく取り、水分を十分に摂る。空気の乾燥に気をつける。特に体を冷やさないこと、マスクを着用する方法で、喉の湿度を保つことが重要である。
 外出はやめる。うつす/うつされる機会をなるべく減らすことが大切である。
 インフルエンザウイルスは熱に弱いので、微熱はあえてとる必要はない。熱が高く苦しい場合などには適宜、解熱剤を使用する。
 食事が摂取できないなどの場合は、輸液が必要となる。
 解熱に使用できる薬剤は、小児ではアセトアミノフェン(商品名:アンヒバ坐剤、カロナール、タイレノール)に限られる。ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)やメフェナム酸(商品名:ポンタールなど)、イブプロフェン、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) を、15歳未満の小児に使用するとライ症候群を含むインフルエンザ脳症の併発を引き起こす可能性が指摘されているため、原則使用が禁止されている。
そのため、小児のインフルエンザ治療においてはNSAIDsは使用せず、よほど高熱の時のみ、アセトアミノフェンを少量使用するのが現在では一般的である。市販の総合感冒薬は効果がなく、むしろ前述のNSAIDsを含むこともあり、避けるべきである。
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▼予後:**
感染者が他人へインフルエンザウイルスを伝播させる時期は、発症の前日から症状が軽快してのち、およそ2日後までである。症状が軽快してから2日経つまでは、通勤や通学は控えるべきである。
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▼動物におけるインフルエンザウイルス感染症:**
 主に動物に感染するインフルエンザウイルス感染症であるが、インフルエンザウイルスの変異によって動物→ヒト、ヒト→ヒトへ感染することも懸念されている。「ヒト→ヒト」への伝染が確認されると新型インフルエンザと呼ばれる。
 鳥インフルエンザ《略》
 ウマインフルエンザ《略》
 ブタインフルエンザ《略》
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▼関連の感染症:**

2002年から国際的に問題となった重症急性呼吸器症候群 (SARS) と流行時期・初期症状が類似しているため、2003年冬以降はSARSとの鑑別診断が大きな問題となる。初期に確実な診断をするためにも、接種を受けることでインフルエンザを除外しやすくすることが強く求められている。
SARSの原因はSARSコロナウイルスという全く別のウイルスである。

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