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「高齢者先進地域の鳥取から、日本の課題を解決する」

親孝行サービス「わたしの看護婦さん®」について

 介護を理由に退職する人が年間約10万人、その経済損失が6,500億円ということをご存知ですか? 5年経過したら鳥取県が消滅するような勢いです。
 私自身、親戚2人の介護を抱えながら子育てをした経験があります。子どもの行事を優先させたくて、病院受診の付添いをヘルパーさんに相談したら「介護保険では対応できません。家族がやるべきことです。」と断られました。病院受診に付添う回数が増えてくると介護の負担がのしかかり、心身ともに苦しくなってきました。
 現在の介護保険適用サービスでは介護をする側の人に対する十分な支援にならないことを実感しています。病院受診付添いも、嗜好品の買い物も、家中の大掃除も介護保険のサービスでは対応してもらえないのですから・・・・。
 介護をする現役世代の子どもたちが疲弊しないような、また家族の支援が当てにならない高齢者のために、痒いところに手が届くような介護サービスがあったらいいなという思いが膨らんでいきました。
 2014年、N.K.Cナーシングコアコーポレーションを起業、介護・育児をサポートする「わたしの看護婦さん®」のサービスを開始しました。
 また、訪問するスタッフをスペシャリストに育成するために2018年「遠距離介護支援協会」を設立しました。

介護は女性の仕事ではない?

 昔は当たり前に家庭の中の女性が介護をしていました。しかし、今は女性たちも日本経済を支える一員として家庭から出ていくようになりました。そうなると、家庭の中に介護をする人がいなくなる・・・・。
 誰が介護を担うのでしょう。女性をもう一度家庭の中に引き込めば良いのでしょうか?

要介護者からみた主な介護者の続柄

 答えはノーだと思っています。
もう、女性だの男性だの言っている場合ではありません。
そもそも合計特殊出生率が約1.4。一人の子どもが何人の介護をすることになるでしょう。仕事と介護との両立は非常に困難になります。
ましてや、鳥取県から若者たちは流出をし、親御さんの介護が必要な頃には遠くに住んでいる「遠距離介護」の状況です。

都道府県別人口増減要因平成30年

「わたしの看護婦さん®」にて一緒に働く仲間たちは、「潜在看護師」と呼ばれる育児や介護のために一旦現役を退いた看護師や、定年退職をしたけれど今も社会と繋がっていきたいという介護士たちです。育児や介護、体調にあわせてシフトを組んでいくと再び働きだすことが可能になります。

看護や介護の知識 × 愛情 × 隙間時間 = 「わたしの看護婦さん®」


地方にない発想どころか、時代を先取りし過ぎた?

 創業当時は「介護は家庭内の女性や子どもがやって当然だから介護にお金をかけることなんかあり得ない」、「そんな発想をする人は鳥取県民じゃない」などと営業先で言われたこともありました。また、「隙間時間だけで働きたい人を集めると効率が悪い」と苦笑されたことも・・・・。
 しかし、絶対に成長するという自信はありました。利用申し込みをしてくださったお子様からの感謝の言葉や、一緒に働く仲間たちが、「将来は自分も使いたいから、今から作って広めたい」、「私の周りにも少しだけなら働きたいと言う看護師がいるから声かけてみたい」と動いてくれたからです。
 「働き方改革」「一億人総活躍」「SDGs(日本で言う”三方良し”)」が追い風となり、鳥取県を越えてこの事業に共感を寄せてくださる方が増えました。また、中国や香港のメディアからの取材もあり、鳥取の社会課題は日本の課題、日本の課題はアジアの課題だと強く感じました。

女性のチャレンジ賞

まだまだ介護保険を使わない介護ビジネスは世の中に浸透しておりませんが、「2025年問題」が”大問題”にならないように、ピッチを上げて利用エリアを拡げていきます。


これからどこに向かっていくの?
 
 介護の領域も田舎もシェアリングエコノミーの時代になってくると思います。看護師や介護士の資格がないと介護ができないとか、もちろん家族じゃないと受診や入退院のお世話ができないということにはならないと考えています。 
 例えば仕事で忙しいママパパに代わって、大学生が小学生の夏休みの宿題のまる付けをしてあげるとか、高齢になり力仕事が難しくなった農家さんの畑にサラリーマンが農繁期の週末だけ手伝いに行くとか、出産直後のママのお世話にご近所の先輩ママが駆けつけるとか、スキルをシェアし合える持続可能なプランを模索中です。 
 鳥取で生まれる持続可能なシェアリングの世界を一緒に夢見て行動したい方、今までのスキルを応援というカタチで活かしたい方、絶賛募集しています。

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資料⁑厚生労働省「国民生活基礎調査」平成28年
   総務省統計局「都道府県別人口の増減要因」令和1年
写真⁑「わたしの看護婦さん」利用者様
   女性のチャレンジ賞授賞式 首相官邸 平成30年
   「わたしの看護婦さん」利用者様と筆者神戸 

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