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全バイエルン州年代別代表に向けての新しいステップ。



1、全バイエルン州代表


ドイツの夏も暑いです。特に子供のサッカーの付き添いでピッチ脇に座っていると強烈な紫外線で皮膚が焼けているような錯覚を覚えます今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

最近知ったのですがドイツではアンダー14から今までの州を東、西、南、北に分けた年代別代表に加え、バイエルン州全体の代表活動も始まるというのです。もちろん、ブンデス下部組織、いわゆるユースチームは別で活動を続けており、それ以外の子供達をふるいにかけた選抜チームであり、その二つを混ぜた上での選抜は改めてもう少し年齢が上がってから、年代別ドイツ代表ということになるのだそうです。

つまるところ、最近13歳になった次男とその年代の子供達にとって初めてのバイエルン州代表選抜が始まるということです。


2、東地区代表練習会


バイエルン州サッカー協会から連絡があり、6月末から7月頭にかけて3日間のトーナメントが開催されることがわかりました。東西南北各地区の代表チームを招待しての大会が開催され、その試合を通してバイエルン州選抜候補を選ぶのだそうです。もしも選抜されれば次男にとって初めての泊まりがけのトーナメントです。

とはいえまずは東バイエルン州代表に入ららなければ、大会に出場することすら叶いません。最終的には16人のメンバーに残るためにまず練習会に呼ばれた選手は38人からスタートです。


朝から夕方まで


前回の練習会でユースに旅立つ仲間たちと別れたメンバーは、地区トレセンから新しく選ばれた子や前から選ばれている子を含め新しいスタートです。次男は今季も守備的ミッドフィルダー、いわゆるボランチとしてプレーすることになるようです。


3、上級生との真剣勝負


2回の練習会ののち、発表されたのは大会の開催でした。フルコート、11人対11人でしかも対戦相手は近隣の強豪チームの一学年上(!)の3チーム。いずれもユースチームではないですがこの東バイエルンでは強豪、入団テストをパスした選手しか入れないチームですし、地区選抜にいる子も大勢います。で、その一学年上ですから、日本で言うと中学2年生の大会に中学1年の新チームが挑むというわけです。それを補うと言うわけではないでしょうが、この日に限りユースに呼ばれた5人が選抜チームに復活し、合計35人が参加を許されました。

U13は白と緑チーム

試合は総当たりで行われ、U14の3チームに加え選抜候補35人を二つに分けて白と緑チームで参加です。

次男は緑チームでボランチで出場。来季からチームメイトになるDくんなど、割と主力と考えていい面子です。ただ上背があるのはセンターバックくらいで、やはり上級生と比べるとサイズ感の違いは明らかです。反面白チームには新しく選ばれた子が主な顔ぶれで、その不安な部分を補填するように主に守備的なポジションでユース組が並んでいます。みんな体が大きいので、上級生と並んでも見劣りしません。。。おそらくは暑さと試合数、U13選抜の慣れていなさを考慮して前後半15分ずつの特別ルールです。

一試合目は次男の出場機会はなし、善戦しますが惜しくも2−1で敗北。私のような素人から見ればレベルが高くて試合の展開も早く、見応えがある試合になっていました。ただ上級生は経験と体格のアドバンテージをうまく使ってチャンスをモノにしていた印象でした。

二試合目から次男の出番です。左ボランチで先発。


速くて強い相手に苦戦

試合が始まってしばらくすると気づいたのですが、ボールロストをしないように一生懸命ターンやトラップを練習してきたはずなのに、なぜがなかなかボールをうまくもらえません。

それどころかパスをもらおうと動くとまるでディフェンダーがすでにそこにいるかのようにさえ見えます。素人目ですし、息子に目が集中しているから必要以上にそう見えるのかとも思ったのですが、実際選抜チームは終始押される形でした。一本良い飛び出しで辛くも先制して1−0で最初の15分を終えました。

後半、次男はボランチの位置にいませんでした。昨年の大会で経験した苦い思い出が頭をよぎります、ボランチとして不安があると判断されてポジションを交代したのでしょう。次男は右のサイドハーフとして後半に挑みました。圧倒的な高さで押し込まれて1−1に追いつかれましたが中盤の繋いでくれたボールを次男がシュート、キーパーが弾いたボールを味方が押し込んで勝ち越しに成功します。

しかしやはり相手も強豪、終了間際にスピードでサイドをぶち抜かれるとそのまま綺麗なパスワークで交わされて押し込まれ、最後に2−2に追いつかれて同点に終わりました。


ボランチに戻される

三試合目、次男はミッドフィルダーに戻っていました。驚いたことに、一試合目とは見違えるほど安定した位置取りでボールを受けられていました。外から見ていて『どうした?』ってくらい落ち着いてプレーできています。

ですが相手が強いことに変わりはありません。スピードとサイズに苦戦し、パスがなかなか通らないです。結果は相手の技ありゴールと高さのあるヘディングで2−0、こちらはうまく攻撃が噛み合わず無失点でした。ですが形として何か見えた気がしたのも事実、さらなる改善を期待します。

四試合目、相手は同じ選抜の白チームです。センターバック、ボランチ陣をユース組で固めた白チームは上級生相手にも堂々たる戦いぶりで、接戦を制して勝ち点も挙げていました。ここは意地をかけた同級生対決です。

前の試合でクタクタに疲れ切った次男は後半からの出場です。日本の暑さには及ばないと思いますが、この日の気温は31℃、照りつける日差しを遮るものは何もなく、11人制に慣れていない子供達にとっては未知の領域です。

結果は、後半開始早々にゴールキーパーから繋がれたボールがうまくビルドされて点を決めた緑チームの勝利となりました。上級生相手に苦しんだ緑が、同じ相手に勝った白に勝つんですからサッカーは面白いです。

大会後、帰りの車で一試合目と二試合目でなぜこんなに変わったのかを尋ねると、コーチから細かい指摘があったのだそうです。子供達は練習会で教わったコンビネーションプレーを一生懸命試していたのですが、常にそれをやる必要はなく、ピッチの上では自分で判断して動くこと、あとはボランチ陣はポジショニングの修正があったそうです。さすがコーチ。

この大会ののち、バイエルン州サッカー協会から3日後に行われる我が家から近くにあるクラブチームFのU13との練習試合に出場するメンバー22人が発表されました。

4、ユースチームFとの戦い


近所なので移動は楽ちん

スケジュールが発表されて以来、次男は特にこのF戦には出たいとずっと言っていました。個人的にもトライアルを受けてまだ入れなかったチームであること、そして自分の後に選抜の友達が受けたらすんなり入れたこと。そして何よりクラスメートであり親友のアイルランド人のAくんがプレーしていることが理由にあります。自分の価値を見せつけてやりたいという気持ちもあると思います。

なぜか私宛に届いていたメンバーを伝えるメールがサーバートラブルで届いていなかったこともあり、ギリギリまでメンバーに入っているのかがわからず、子供達のグループメッセージで次男が選ばれていることがわかり安堵しました。

試合は30分ハーフを3本で行われました。これは来季から次男の所属するリーグと同じシステムで、ユースの子供達は微妙に異なるシステムですがフルコートを戦うことには多くの子供達が慣れています。その中でついこの間フルコートでのプレーを始めた次男がどこまで対応できるのか。先日の大会でのプレーがどう評価されていて、どのポジションで出ることになるのか。不安と期待が膨らみます。

一本目は次男出場せず、Dくんはトップ下、同じボランチで仲の良いVくんともう1人Eくんがボランチです。Vくんはスピードこそありませんが、ボールを持った時逃げまくってロストをしないので、今の選抜では攻撃的なボランチとして不可欠な存在になっています。Dくんはスピードと判断力から選抜ではより攻撃に特化したトップ下でのプレーが中心です。つまり、私の見たところ選抜チームはずいぶん攻撃的なメンバーで入った印象でした。

一本目、先にチャンスをものにしたのは選抜の方でした。スピード自慢のサイドハーフが抜け出し、センタリングからのこぼれをFWが押し込んで先制です。Fも負けじと取り返しますが、終了間際VくんとDくんの見事なコンビネーションで選抜が追加点、2−1で一本目を終えます。

二本目、次男は右ボランチで出場です。親友はボランチからセンターバックに下がったため直接のマッチアップはありませんが、初めて彼らが同じフィールドに立てたことになります。選抜コーチの評価によると次男は守備的なボランチとしての役割を求められていると言うことなので、一点差で迎える後半は守備的な中盤を試している印象を受けました。

二本目は拮抗した競り合いが続き、次男も絡んだ決定的なチャンスも2、3度ありましたが相手DF陣も必死で防ぎ、そのまま二本目は終了となりました。試合がもし前後半だけなら勝ったということだと1人で納得。

三本目は一本目と二本目からまた違う組み合わせを試します。次男はボランチで引き続き出場、Dくんと同時出場です。お互い攻め合いますが、クリアボールに抜け出した俊足の相手サイドハーフに持っていかれ、2−2の同点。見ている方もドキドキです。次男は七割出たところで交代、Vくんと変わります。最後の最後、新しく入ったサイドハーフが相手サイドバックと競り合い、相手の必死のスライディングに転びながらもまだボールを追いかけ、魂のセンタリング。それをFWが頭で合わせて再度突き放し、試合はそのまま3−2で終えました。

次男は終始落ち着いたプレーを見せていたと思います。友達のお父さんからだいぶお褒めをいただきましたので、親の欲目だけではない…はずです。終了直後は喜びを爆発させていた子供達でしたが、コーチに嗜められて静かに相手チームと握手を交わす姿が印象的でした。

やはり直前に一才歳上と真剣勝負をしたのが効いたのか、子供達はユース相手に臆することもなく、堂々と戦い勝つことができたのは今後の自信に繋がると思います。

5、次のステップへ、最後のセレクション


その週末、今度は大会前最後の合同練習会に27人が呼ばれました。事前に大会に連れて行けるのは16人だけと言われていて、この中からその16人を選ぶと伝えられているため子供たちも炎天下一生懸命走り回り、親たちは一生懸命日陰を探して観戦です。

ピーカン晴れ

ちなみに昼休みには私のビデオを教材に子供達にF戦の良かったところ悪かったところの総括が行われたそうです。サッカー協会に使われるんならビデオ撮る時の独り言気をつけなければ。午後の練習中に協会のコーディネーターの方からお礼を言われ、恐縮したのですがその時にこんな一幕がありました。

コ「ビデオ、とても役に立ちました。シェアしてくれてありがとう」
私「それはよかった!お役に立てて嬉しいです」
コ「できれば大会でもビデオを撮ってシェアして欲しいのですが…。可能ですか?」

この時私の頭にふと『ん?なんか次男行くこと前提になってないか?』という思いが過ったのですが、会話を続けます。

私「喜んで!どうせビデオは撮りますから。」
コ「ありがとう!助かります」 

そして練習後、子どもたち全員を前に最終の東バイエルン州U13代表16人が発表されたそうです。次男は私の邪推通り、見事名を連ねることができました。次男が教えてくれたのですが、コーチは練習後こう言っていたそうです。
「16人は八割がた決まっていて、後の数名をどの子にするかを見るためにこの日の練習を使った」
次男が八割の方なのかそれとも数名の方なのかは分かりませんが、とにかく選ばれて一安心です。

と言うことで週末はミュンヘンのそのまた奥まで遠征します。車で2時間かかります…。子供達は泊まるところも全て用意されているのですが、当然親は自由参加。車で泊まるか、安宿をとるか考えています。


本日も読んでいただきありがとうございました。


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