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U13バイエルン州東地区代表としてプラハ遠征に参加した日

新シーズンに向けて

行きは車で五時間かかりました。

お隣チェコはプラハにて、今季のU13バイエルン州東地区(便宜上東バイエルンとします)代表選抜活動が開始されました。新学年となり地区代表のコーチも変わります。それに伴い、チームの親睦を深めつつチェコのリーグと練習試合をして帰ってくるという二泊三日のキャンプが開催されると発表されました。

当初は、去年東バイエルン選抜に呼ばれていた四十数名に宛ててメールが発送されたと思っていました。が、普段のチーム練習でパパ友と話をしているうちにわかったのですが、地区トレセンに選ばれている彼らにも同様のメールが届いていて、次男はどうするの?と数名から聞かれました。どうやら東バイエルン地区のトレセンに選ばれている全ての家族にあてて連絡されたようで、希望者を募る、ただしもちろん実費で参加、キャンプには保護者最低でも一名帯同かつ現地集合とのことでした。

次男に確認すると一も二もなく参加したいとのこと。ということで、私がビデオ抱えて参加することにして先方に連絡をしましたら、しばらくして東バイエルンサッカー連盟からまたメールがありました。

“参加希望が予想を遥かに上回る規模で申し込みを受けており、不本意ながら多数にお断りを入れなければなりません。選考には基本的に昨年度東バイエルン選抜に入っていた選手を優先します。“

とのこと。

次男は昨年選抜に選ばれていましたから、無事参加の旨連絡が来ましたが残念ながら次男のチームメイトは、申し込みが遅すぎたのかそれとも他の理由で選ばれなかったのか、一人も参加が叶いませんでした。

1日目;プラハ到着

ピッチを眺める

予定では四時間でしたが所々大雨の中結果として五時間かかり昼過ぎにホテルへ到着しました。なんと立派なサッカースタジアムの一部がそのままホテルになっており、チェックインに向かうと『ドイツからのサッカーの方ですか?』と言われ、『みなさんミーティングルームに集まっていますよ』とのこと。慌てて会議室に言ってみるとコーチ陣と多数の参加家族が既に席について待っていました。

総参加家族は18家族。コーチ陣からキャンプの説明を受け、当初予定されていたチェコリーグの試合観戦はスケジュールの都合でキャンセル、その代わりにプラハ市内観光に変わったこと、それ以外の試合の予定に関しては変更なしということが伝えられました。

また、全体の話の後に子供たちだけを集めてコーチ陣からの話があった後今度は親だけが呼ばれ、同様にコーチ陣から軽く説明がありました。ザクっと言えば、この場に選ばれた子供たちは皆それぞれ100人サッカー少年を並べた中から1人選ばれたに等しいという自覚を持ってほしいこと、そしてこれから心身ともに成長していく子供たちのサッカーへのモチベーションを保つためにも、過保護にするのではなく彼ら自身に問題解決をさせるためにできればあえて彼らが問題にぶち当たった際には自分で解決をさせて欲しいということを伝えられました。またこの機会を持って選手同士だけでなく家族の親睦も深まることを期待しているとも言われました。私はもちろん翻訳アプリを使いながらのうっすら理解ですが、特に親睦の部分が不安でしようがありません。

おそらく参加者の中で唯一のドイツ語が理解できない私にもちょくちょくチーフコーチでありコーディネーターである方から英語でご説明いただき恐縮しながら、初日のツアーに出発です。子供たちは昨年から顔馴染みの面々なので、各々仲良しで固まって先へ先へと歩いて行きます。置いていかないで、次男。

まずはホテルに隣接しているチェコ一部の強豪Sのホームスタジアムツアーです。すぐ横のスタジアムに入るとチームの歴史のミュージアムになっており、説明を受けたのちピッチへと向かいました。

ピッチを出るとロッカールーム、ここでメッシやロナウドも着替えていたと聞いて子供たちのテンションも上がります。その後メディアルーム、VIPルームを回ってホテルへと戻りました。メディアルームでは、突然子供たちによる即席記者会見ごっこが始まりました。なぜか彼らの中では記者会見は英語でやるものらしく、次男の英語パワーが本領発揮、友達の注目を集め、みんなで言葉通りキャッキャッと喜んでどんどん距離が縮まったようです。

プラハの街の美しさは有名ですが、夜のプラハをこんなに歩き回ったのは初めてだったかもしれません。教会や議事堂、お城や有名な橋を歩き回って私は非常に素晴らしい観光ができました。現地のドイツ語ツアーコンダクターの方には申し訳ないのですが、次男含めサッカー漬けの子供たちが歴史や建築にどれほど興味を示せたかは…スタジアムの時とのリアクションの違いは…なんとも微笑ましい光景でした。当初パラついていた雨がだんだん強くなり、傘を持たずに出てきた我ら親子は頭から爪先までぐっしょり濡れてしまい、次男に至ってはジャケットの下はTシャツだけという恐ろしい状態で、一時間ほどのツアーを終えて夜にホテルに帰ってきた時は心底ホッとしました。

幸いホテルの部屋には浴槽がありましたのであっつい湯をためた湯船に冷え切った次男を放り込んで、早めの夕食をホテルでとって初日が終わりました。

2日目;練習試合

練習試合の相手は2チーム。我々の宿泊するスタジアムを本拠地とするプラハのS 、そして同様にドイツから参加したStのU13ユースチームです。

試合は9人制で、まず東とSが25分ハーフを前後半やったのち、今度はStと同様に前後半。最後はSとStでの前後半です。東バイエルンチームは9人を前後半で総入れ替えする形で全員のパフォーマンスをチェックします。

前半25分間、後半10分間出場

1試合目次男はボランチとして先発出場。思えば去年の最後の大会で慣れないボランチとしてプレーし、散々な結果に落ち込みながらもリーグ戦でボランチとしてのコツを少しずつ掴み、去年与えてしまった悪いイメージを払拭すべく努力を続けてこのシーズンに一生懸命取り組んできました。ここで活躍してアピールしたいところです。

対戦相手のSはチェコのチームなのですが、コーチは英語で指示を送っていました。聞く限りではイギリスの方のようで、サブコーチがチェコ語でちょくちょく子供たちに翻訳しているようでした。組織的でまとまったいいチームで、ちょっと気を許すとゴール前まで持っていかれます。次男は主に中盤でのコーチングや守備が光ります。一瞬の隙から先制点を奪われてしまいますが、東バイエルンチームも一点を返して前半終了です。

後半に入り全入れ替えで挑みましたが、15分ほど過ぎたところで中盤のポジショニングミスでできたスペースから崩されて失点したところでコーチから次男がまた呼ばれました。どうやら中盤の子がコンタクトで傷んでパフォーマンスが落ちたと見て次男と入れ替える様子。奮闘しましたが試合はそのまま終了、結果だけ見れば2−1の敗戦ですが、東バイエルンチームは練習もなし、ぶっつけ本番でしかも初めてできたチームですし中には去年の次男のように初めてのポジションでプレーする子もいます。その内容でいつも一緒プレーしているユース相手にがっぷり組んで戦えたのはさすがですし、見ている側も満足です。

後半25分間出場

2試合目、ブンデスリーガの強豪Stユースは一転変わって優れた個人技をもつ選手を軸にしたチーム、という印象を受けました。

Sとの後半のメンバーを今度は先発にする形で、ポジションやメンバーを変えながら挑みます。流石に次男は後半出場の様子。奮闘しますが、相手のミドルシュートがキーパーの手を弾き、アンラッキーな失点をして前半終了です。

後半、次男はフィールドにいるものの今度はなんとサイドバックで出場です。サッカーを始めて以来守備的なポジションでプレーしたことは数えるほどしかない次男でしたが、ベンチのコーチからの声を聞きながらなんとか大きなミスもせず、なんなら幾度となくパスカットや味方のピンチを救うプレーを見せてベンチを沸かせてしまいました。

結果は相手のフリーキックのクリアミスがゴールに入る二つ目のアンラッキーゴールで2−0の敗北でしたが、一方的ではなく東バイエルンチームもチャンスを何度も作りましたし私個人的には次男のプレーで満足でした。試合後、本人が『このままサイドバックでプレーしろって言われたらどうしよう』と思うくらいコーチに褒められたそうで、初めてにしては上々の出来だったようでした。

3日目;移動してもう1試合

最終日になる三日目、朝にチェックアウトを済ますとドイツ方面へ一時間ほど移動して、またもチェコリーグの強豪VのU13ユースチームとの練習試合です。すっかり打ち解けた子供たちは朝食からずっと仲良しグループで行動、私もちょくちょく英語で会話をしてくれるご父兄と話をする機会がありいい情報交換をさせてもらいました。

試合は25分を3本。最初の2本は9人制で行い、最後の一本はコートを広くして11人制でのテストマッチです。

前半25分出場

次男は昨日の心配は外れて初戦の右ボランチで出場。どうやらAチームで出場できているようです。今回はチームの前からのプレスがうまくハマり、前半を1−0で折り返します。後半、東バイエルンチームは全入れ替え、相手は4−5人ずつを頻繁に交換する方法で挑みます。ここでも東バイエルンチームは一点を追加しましたが、相手にもチャンスが生まれて一点を返されます。結果、2−1で25分2本を終了しました。

子供達の連携も日に日に良くなってきており、100%出せない子は選んでいないというコーチの言葉が示すようにみんな本当によく動きますしボールに執着します。次男にとっても良い経験、周りのレスポンスが格段に速いので判断速度が必要とされますが、反面どこに出してもボールがキープできるのは心強いことこの上なく、一度ボールが動き出すとどんどん繋がる瞬間があり、見ていても面白いです。

最後の25分、11人制では次男はトップ下のポジションで出場。ここで得点をしてアピールしたいところです。試合後の次男曰く、11人制は自分の周りにスペースができてやりやすかったらしいですが、その言葉が示すように終始東バイエルンチーム優勢で試合は展開します。対戦相手のVも体格の差こそ昨日ほどないものの、隙を見せると鋭いパスで一気にチャンスに持ち込んでくる良いチームです。

開始15分で交代

トップ下、FWの攻撃陣は積極的に相手のバックラインにプレスをかけ続け、相手のミスを誘います。まずは左ボランチ君が左足でミドルシュートで先制点、幸先良いスタートです。その後激しいプレスにたまらず相手CBが蹴り出したボールが中途半端な位置に転がってしまったところを見逃さず、次男が飛び出して追加点。さらに1分後、もう一度プレスに行った勢いで相手のパスをカットして飛び出した次男がキーパーの股を抜く技ありゴールを決めたところで交代です。

試合が終わり予定されていたランチはVのホームスタジアムに併設されているレストラン。最後までサッカー尽くめのキャンプです。昨晩のディナー会で親しくなったご父兄たちと一緒のテーブルに座らせてもらい、コーチの皆さんとも色々とお話を聞かせてもらえたのは私としても行った価値は十二分にありましたし、次男本人もコーチからの信頼を勝ち得た手応えを感じ、昨年の嫌な思い出を払拭できた体験となったと思います。とはいえまだまだ本来の目的である攻撃で存在感のあるボランチになる、というゴールに到達した感覚を得るにはもう少し努力が必要なことも確認できたのは良かったのではないでしょうか。

コーチから、来シーズンに向けて次男にはより高いリーグで経験を積むことを強く勧められましたので、次男も真剣にチーム移動を考える用になりました。今シーズンを乗り越えた先に彼の新たな経験が待っているのは親としても楽しみでもあり、不安もあり。

また支えていこうと思います。

読んでくださりありがとうございました。






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