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【後編】Life Quest~釜石で〇〇する人たちの多様な生き方〜第19回目「地域と森とデザインと。」×境悠作さん

本記事は、岩手県釜石市で人生を探求し生き方を自分でつくることに挑戦し、様々な活動に取り組むゲストの生き方に迫っていくイベント型オンライン番組『Life Quest』の内容をnoteに転載しています。         
今回は、2021年3月15日に実施された第19歩目「地域と森とデザインと。」に取り組む境悠作さんをご紹介します。                実際の放送については、こちらよりご覧ください。

戸塚)後半は、神脇さんご自身のお話をお聞きしたいと思います。今回も人生の転機になった場所に★をつけて頂いているのでそこを中心にお話をお聞きしたい思います。

わたしのLIFEQUEST

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眼病にかかる

戸塚)一つ目の下がっている所から教えて頂いてもよろしいでしょうか?

境)はい。先ほど戸塚さんにご紹介頂きましたが、大学時代はアメリカの方に行っていた経緯があり、先天的に寒いところがあまり得意ではないらしいというところがあって、ボストンで勉強していました。ボストンって北緯が北海道と同じくらいでめちゃくちゃ寒いんですが、寒さというのも一つの要因となって目の病気にかかってしまいました。

そこから、学習が継続困難になっていたというのもあったんですが、眼病にかかった環境要因というのと自分自身が当時経済学あまりにも大きなロジックだったり、家族経営などの小さな会社だと、リストラとか給与削減があると家族離散に直結しちゃうという話がすごい多いと思っていて、その事業者さんを経済以外の側面でお助けすることができないかと悩んでいた時にデザインというキーワードに出会いました。さっき言ったデザインって物事の価値を正しく、わかりやすく魅力的に伝える行為だなと理解したので、その中でデザインを勉強しようと思って、専門学生時代に向けて自分自身のやりたいことが何なのか整理した過程で上の方に向かっていきました。

戸塚)経済学を学んでいたけれど、デザインという手法で課題解決をしようと決めたというのが境さんらしいというか特徴的な考え方なんだなとまず思いました。周りからは反対されましたか?

境)周りの友達とかには大反対されました。当時から絵を描くことは苦手でしたが、物事の仕組みを考えるということは好きだったのですが、急に一朝一夕にデザイナーなんてなんでそんなこと言いだすんだと結構反対はされました。ものを作って終わりではなく、その先を考えられるところで勝ち筋があるかなと思いました。

LEXUS NEW TAKUMI PROJECT2016        福岡県匠選出

戸塚)本格的に学び始めたのが2014年でそこから2年で匠賞に選出されたんですか?

境)専門学校を卒業してから、船の設計会社に入った時に応募をして、このプロジェクト自体は基本新聞社からの推薦なんですけど、一部応募があって、私はここから選んでいただきました。運が良かったという感じですね!

平元)どういう賞なんですか?

境)レクサスさんが全国の販売店がお金を出して、地域の伝統工芸であったり、素材を使って次のスタンダードになるような匠として面白い、時代を切り開くような製品を作ってほしいということで2016、17、18の3年間選出をしています。

平元)なるほど!

境)車に縛られているわけではなく、うちが作ったのはお皿をつくりました。

戸塚)2年で選出されたのはすごいなと率直に思います。本質を捉えるというところがうまいからこそ、センス、アートではなく、その先の求められているものを捉えて形に出来たのかなと聞いていて感じました。この賞をとったところがある種人生の一番トップぐらい上がっているわけですが、そこから釜石に来ようと思った、移住をしよう、ローカルベンチャーになろうと思ったのかどういう気持ちの変遷があったのか教えてください。

境)レクサスの賞を受けた時、福岡県の博多のまげわっぱを使ったのですが、その時にまげわっぱを使っている木ってだいたい300年~500年という木の中心の中心の材しか使わないものなんですね。で、当たり前に「300年、400年の木なんですよ」って言ってしまうのですが、そのスケールを冷静に考えると自分が仮に80歳まで生きたとしても4.5人受け継いでいかないと達しえない数字で大体今の林業でも60年~80年と言われていて、人一人の人生が木材にかかっているのって中々他の業種では想像しづらく、面白い業態だなと思いました。その林業のそばでデザインとか持続可能性とか人々の生活をより良くするデザインてなんだろうって考える機会があったらいいなと思っていた矢先にローカルベンチャーというものを知ったというがきっかけになります。釜石にはローカルベンチャーでお伺いするまで一回も来たことがなかったのですが、震災というので興味もあったので、その中でクリエイティブで力添えができるところ、自分の興味があるところということを掛け算した結果、釜石に行ってみようということで飛び込みました。

戸塚)なるほど。そうだったんですね!釜石に来たのはいいものの釜石に来てからどんどん下がって、上がっていくところの気持ちの変遷を教えてください。

ローカルベンチャー2年目

境)下がっているからネガティブというわけではなく、インプットしている時って自分の経験上、下がるんですよね。上っている時っていうのは、そのインプットができて、咀嚼し終わって表現がかみ合ってる時に上がっていくんですね。結果をつくる為にインプットするから、自分自身が一回内側に入って、フェーズになったら上がってというのが多いのですが、下がっている時は地域の事情を知って、できないことばかりを数えるようになっていって、一通りできないことがわかってから、できることが増えていって上がっていっているという風になります。

平元)なるほど!

境)できることに気づかせて頂いたのが、地元事業者さんからの支援やご縁があって、実際にリノベーションスクールという空き家を活用したビジネスプランを考えようという取り組みのクリエイティブ全般を担当したりしました。色んな事業者さんとの出会いを通じて、できないことばかりに目が行っていた部分があって、できることをできる範囲でやっていいんだと気づいてから木材を使って製品をデザインしようというマインドセットに変えられたのは、事業者さんとのご縁は欠かせないなと間違いなく思います。

わたしにとって釜石とは?

自分が露出する場所

境)自分が露出する場所というのは、良いも悪いも自分自身をさらけ出すことができるという意味で書かせて頂きました。

わたしにとって人生の道しるべとは?

形あるものもないものも作り上げて繋いでいくこと

境)結局、ものをつくるというのは作るだけではなく、つくって繋いでいくというのがものづくりだと思うので、そこを目指して日々頑張っております。

戸塚)とても腑に落ちました!境さん、ありがとうございました!

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