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龍ちゃんの一人酒始めました。

定年したら、いつかは美味しい米を食べられるお店を作りたかった。

生まれは奈良の室生。

田んぼに囲まれて子供の時から米が好きだった、奈良は海がないから干物が美味しかった。

龍ちゃんが50歳の時ひょんなことから見つけた物件が龍ちゃんの人生を一味も二味も面白くすることになる。

谷町六丁目、出会い

とにかく釜戸で炊いた米が好きだった、定年したら釜戸で米を炊く店をやりたい。

そんなことを思っていた、龍ちゃんは50歳。

テストドライバーや教習所など車の運転に関わる仕事をしていた。

ある日知り合いから「雰囲気のいい店があるから行ってみよう」と誘われて、谷町六丁目に出向いた。

とても素敵な雰囲気のお店だった。

「いつか店をやりたい」と思っている龍ちゃんが話を聞くと大家さんを紹介してくれるとのことだった。

大家さんを紹介してもらって、その大家さんに見せられた物件はあまりにもぼろぼろで大丈夫か?と思う場所だった。

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でも龍ちゃんは即決した。

中に入るとボロボロで改修工事もかなり費用がかかると言われた、それでもすぐに決断した。

ここで店をやろう。

本人が店を始めたいと思っていた年齢よりも10年若かったが、ワクワクして心はさらに若く少年のようだった。


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この店は成功せぇへん

飲食経験なんてもちろんない、龍ちゃんは車の運転で生きてきた人だ。

早速勉強を始めた、家に釜戸を買ってきて米を炊く練習をした。

大阪市が行っている飲食専門の起業塾に通った。

そこで「この店は成功せぇへん」そう言われた、理由は大通りから一本入ったところにあり人通りも少ない場所であったことや近隣が一方通行も多く車も止められないことなどだった。

しかし龍ちゃんは「大丈夫」と言い切った。

「目の前がな、熊野街道の本道やねん、熊野街道は昔から人がずっと通ってきて歴史もある、だから熊野街道の物語と一緒にうまいもんを出したいと思ってん」

今でこそ「ストーリーでものを売る」というのが流行っているが、釜戸ダイニングがオープンしたのは今から17年も前の話だった。

そんな夢を見ていたが、その夢は現実のものになって17年が経っている。

私が話を聞いていて感じたのはいつの時代も夢を見る強さがあるのだということだった。

「俺はな、運がええねん」

龍ちゃんは笑いながら何度も何度もそう言った。

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龍ちゃんの一人酒について

そんな釜戸ダイニングを運営している龍ちゃんも今年で68歳になる。

お店は階段が急でなかなか店頭に経ってずっと接客するのは難しくなってきた。

今はお店を若いスタッフに任せながら、各地のうまいものを食べ歩いている。

しかし龍ちゃんは寂しそうだった。

私が話を聞きに行った時も「なぜネットショップ始めるんですか?」と聞いたら「何か、人と関わりたいと思った」と言っていた。


苦しいながら、たくさんの人との出会いがあったお店から一線を引いた龍ちゃんを見て私が提案したのがこの「龍ちゃんの一人酒」である。

このnoteでは龍ちゃんの一人酒に付き合いながら(できれば)読者の皆さんとの交流をしたいと思っている。

このnoteに連携しているbaseでは龍ちゃんが自分で仕込んだオリジナルの朴葉味噌を販売している。

この味噌での食事と一人酒を通して、このnoteやSNSを通じて龍ちゃんの生き様や考えを皆さんに知ってもらいたいと思う。

そして(とんでもないお願いではあるが)皆様からのコメントをもらって、(さらにとんでもないお願いであるが)朴葉味噌を買っていただいて、お酒を飲んでいただければ龍ちゃんはまた誰かのために味噌作りができるんじゃないか?と思ったのである。


人との繋がりが大好きな龍ちゃんが、このnoteを通して改めて人と繋がることを期待している。

ぜひフォローしていただいて、twitterなどもフォローしていただけると幸いです。

ちなみに今日の取材で飲んでいたお酒はみたけ酒造の三岳と水を1:1でカメに入れて前割にしている。

前割は本当にうまい。


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中の人は私、谷英希でございます。

今後とも週に1〜2回の頻度で更新していきます。

よろしくお願いいたします。


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