私(中の人)が取材に訪れた時龍ちゃんはキッチンにいた。 キッチンでこの後自分が食べるであろう朴葉焼きの調理をしていた。 何気ない会話のなかで「僕、来月家が完成するんです」と話したら、 龍ちゃんが「ええ家具を置けよ」と言ったんだ。 ええ家具を置け龍ちゃんは少し格好つけなところがあるから家を建てたらいつお客様がきてもいいように「ええ家具をおけ」と言ったんだろうなぁと思って、龍ちゃんらしいなぁと思いつつ少し意地悪に「どうして?」と聞いたら予想外の答えが返ってきた。 「良い
定年したら、いつかは美味しい米を食べられるお店を作りたかった。 生まれは奈良の室生。 田んぼに囲まれて子供の時から米が好きだった、奈良は海がないから干物が美味しかった。 龍ちゃんが50歳の時ひょんなことから見つけた物件が龍ちゃんの人生を一味も二味も面白くすることになる。 谷町六丁目、出会いとにかく釜戸で炊いた米が好きだった、定年したら釜戸で米を炊く店をやりたい。 そんなことを思っていた、龍ちゃんは50歳。 テストドライバーや教習所など車の運転に関わる仕事をしていた