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怖い話です Part2



前回のあらすじ


ピチピチシャカリキボーイだった頃のカマダ。
ピタピタになった性欲を何とか解消させるために出会い系アプリを始めたところ、
そこで出会った1人の女性。
ひょんなことからその女性の知り合いが開催するホームパーティーへ参加することに。
今まで大切に守ってきたカマダの貞操は、
このホームパーティーで一体どうなっちゃうの〜〜????

※詳しくはコチラから
https://note.com/kamadachannele/n/n712442afbdd3




カマダです。続きいきます。


パーティー当日、その女性に指定された魔境新宿へと向かいます。

通い慣れていたはずの新宿も今日は少し違って見えます。

それもそのはず、今日は人生初のホームパーティー。

しかも超高層マンションの上層階で。

こんなん人生で一度あるかないかのイベントです。
ウキウキしながら事前に伝えられた開催地の近くに着くとこんな建物が現れました。



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※画像はイメージです



デッカ


というか俺ちっちゃ



ここまで来ると建物のデカさよりも自分の小ささに気づかされます。
場所を間違っていないかと何度も確かめましたが、確かに場所は合っています。

事前に自分が食べたいものは買っておけとの指令があったので、近くのスーパーで手土産と食材を買い集め待っていると、
お誘いしてくれたその女性(以降Aさん)が迎えにきてくれました。

Aさんは何度かここにきたことがあるらしく、慣れた足取りでエントランスまで連れて行ってくれました。
そこで目にしたのは



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いや、スタバじゃん


お金持ちの家ってオプションでスタバついてんの?


部屋着く前に落ち着けちゃうよ?



そんなことを言いたくなるバカでかいエントランスでした。


バカでかエントランスを通り抜けると、ホームパーティーの参加者と合流しました。
割合は男女5:5で綺麗に別れています。

女性メンバーは皆、一度はこのホームパーティーに参加したことがあると言っていたので、
カマダの内心は



このスケベ女どもめ!



と、いきりたっていましたが、そんな素振りは一切見せず紳士の面持ちでエレベーターに向かいます。

行き先は15階だか、20階だか忘れましたが、今後一生使うことのないくらい上の階層でした。

Aさんが行き先のボタンを押すと、

Aさん「このエレベーター凄いから。」

と一言。


凄い?

めちゃくちゃ速いとかかな?

と想像していると、エレベーターの扉が閉まり上昇を始めました。

そこまで速いはないなぁ。なんて思っていたらエレベーター内がどんどん暗くなっていきます。

え、停電?

と、少し焦りはじめたところで急に室内がライトアップされました




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コレで







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コレもんの







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コレです





歌広場のパーティールームにワープしたのかと焦るくらい大きすぎるミラーボールが回転し、ノリノリのBGMが流れ始めました。

うん、これだけはハッキリ言える。




コレはいらない。




庶民には一生拭えない違和感を覚えつつも、目的の階へ着きました。

パーティー会場となる部屋へ案内され中へお邪魔すると、新宿の夜景が一望できる好立地。

普段はとても目にすることのできない光景です。

少し待っていると

?「お待たせ〜」

と1人の男性が登場。

(某アパレルのM澤社長に似ていたのでM澤とします)

M澤「じゃ始めよっか」

どうやら家主の方のようです。

まだ三十代かそこらで若々しく、いかにも最近のお金持ちという風貌でした。

自己紹介もそこそこにいよいよパーティー開始です。


ですが、特に部屋に用意されているものはなく、先ほど各々で買い集めたものを食べ漁るというパーティーとは程遠い食事が始まりました。

想像では

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こういうのでしたが、
こんな典型的なのって意外とやらないもんなんだ。
と勝手に納得してスーパーで買った寿司をもそもそ食べていると

M澤「じゃ始めよっか」

話に聞いていた恒例の人生ゲームの始まりのようです。

女性陣は慣れた手つきで準備を始め、テーブルには見覚えのある人生ゲームのシートが広げられました。

M澤「じゃ始めよっか」



コイツさっきから同じことしか言わねぇな



という思いを飲み込み、いざゲーム開始です。

順調にゲームは進むのですが、事あるごとに

開催者のM澤が


お前の番だよ!


早くルーレット回せ!


順番覚えろ!



と、異常に厳しく初対面の僕たちに向かって結構な勢いで怒鳴り散らしてきました。

このままぶっ飛ばして人生終了ゲームにしてやろうかと思いましたが、何とか落ち着いたまま人生ゲームを続けたところ



M澤「ちっ、ふざけんなよ...」





いや、お前負けるんかい



M澤は異常にルールに厳しいですが、ゲームの強さとは比例しないようです。




人生は勝ち組でもゲームではそうと限らない。

             カマダ





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山田くんサンキュー




M澤惨敗でゲーム終了した後、

M澤「じゃそろそろ終わりにしよっか。女の子と君は残って。それ以外は解散。」

と女性陣と参加者の1人の男性を指定して、僕らは帰るよう促されました。




いや、乱交パーティーは!?


残った連中でやるってこと!?



というモヤモヤした気持ちを抱えた僕は、
他の男性参加者3人と一緒に部屋を後にしました。

皆、富豪の暇つぶしに付き合わされただけの敗北者感がとんでもなかったので、

その傷を舐めあうように敗北者たちで連絡先を交換し、帰路につきました。



それからしばらく経ったある日、ホームパーティーに誘ってくれたAさんから

「お疲れ様〜、時間あったらお茶しない?」

とお誘いの連絡が。

普段なら喜び勇んで二つ返事ですが、乱交パーティチャンスを逃したうえに人生逆転ゲームも楽しめなかったカマダは、
彼女への興味は失せ、なんなら辟易としていたので




「行きます」




あ、口が言うこと聞かない





そんなこんなで渋谷の地下にある喫茶店に呼び出されました。

店内はマック片手にカタカタやりながら商談。している意識高そうな人が多く、

渋谷にもそんな場所があるのか〜。

なんて思いながら席に着くと、少し遅れて例のAさんがきました。

挨拶もそこそこに前回の人生ゲームの話を切り出してみます。

カマダ「そういえば、人生ゲームの後って何かしたんですか?」

Aさん「あー、いや、特になんもなかったよ、うん。」

なんか歯切れが悪い。


Aさん「それはいいんだけどさ、カマダくんは今仕事何してるんだっけ?」

カマダ「あーと、IT系の仕事ですね。プログラマーとかではないんですけど。」

Aさん「そうなんだー。楽しい?」

カマダ「んー、楽しいかというよりフレックスとか時間の融通効くのは助かりますね。お笑いやってるのでイベント出させてもらう時とかは特に。」

Aさん「へー、やっぱりお笑いとかやってると売れたいみたいな気持ちはあるの?」

カマダ「少しはありますよ。」

Aさん「やっぱりそうなると人脈とか営業スキルが大事になると思うんだよね。」

カマダ「そう、なんですかね?」

Aさん「絶対そう。やっぱり普通に働いてるだけじゃ売れるためのやり方とかそういうことは学べないと思うし、世界が広がらないと思うんだー。」

カマダ「なるほど。」

Aさん「私もね前は普通のOLしてたけど、今の仕事紹介してもらってからすごく世界が広がったんだよね!」






ん?





Aさん「だから、カマダくんにもぜひ世界を広げてもらいたいなぁと思って今日は呼んだんだけど。」





んん??







Aさん「カマダくんはMLMって知ってる?」







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.......



 

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あ、マルチだこれ

そう。僕は長い時間をかけてただただマルチ商法の勧誘をされていたのです。

※Aさんが言ったMLMについては各々調べてみてください。





色々言いたいこともありましたが、話が長引きそうだったので直ぐにその場で断りを入れて何とか逃げ出しました。

その時にふと思い出したのとマルチの勧誘にあってしまった注意喚起も兼ね、あの敗北者たちに連絡を入れました。


すると




「俺もこの前誘われました!」


「俺も!」


「俺もです!!」





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僕たちはどうやら同じ時、同じアプリ、同じアプローチでマルチ商法の勧誘をされていたようです。








どこまで負け組なん???




その後軽く調べてみたのですが、出会い系アプリを使用したこのような活動が流行っているという事例がいくつも出てきました。

何なら今はそれが主流だとも。

僕に実害があったわけではないですが、これを見てくれている僕らみたいなルーザーズクラブがスケべ丸出しでホイホイついて行った結果、痛い目をみることになるかもしれないので、
いけてない皆さんは是非お気をつけください。

ですが、悪いことだけでは無く、この出来事を経験して唯一、人生の教訓になったことがあります。

それは







人生ゲームで他人に厳しいやつは乱交パーティを開催出来る








       おしまい








P.S 乱交パーティーの幻想にただ取り憑かれていた男を哀れんでください。
お友達にも教えてあげてね。






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