琥珀の夏

高校生のころ自分は初めて辻村さんの作品を読みました。
当時読んだのが「オーダーメイド殺人クラブ」
読後に「なんでそんなに"少年少女の気持ち"を言語化できるのか」と驚きました。
そこからどっぷり辻村さんの作品にハマっていきました。

この「琥珀の夏」でも、幼少期時代の閉塞した独特な空間での子供の頃に感じた嫌悪、でもあの頃にしか味わえない思い出を文章で表現しています。

あらすじ

大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。

かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。

30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。

本の裏表紙 引用

子供と親が離れてくらすことの酷さ

自分は子供のころから今までずっと母親が大好きです。
それもぽかぽかの「お母さん大好き党」に出馬したいくらいに。

そんな母親大好きの自分は幼少期時代、保育園の体験に行ったときのことをまだ鮮明に覚えている。
母親が保育園に自分をおいてどっか行ってしまったこと勘違いし、ずっと母親の顔がフラッシュバックしするくらい苦しかったことを覚えています。

この物語で登場するミカは、3歳くらいから小学4年生まで親と離れて〈ミライの学校〉という子供の自立を尊重したところで過ごします。
しかし、自立性を尊重しすぎたせいであるものを失う。
それは、子供の頃親からもらうはずだった親からの愛情。

読んでいて子供の頃の親からの愛情を唯一無二の物だと感じました。
本当に何気ない親の言動が。自分のためだったんだと。

もし自分が子供を授かった際にもう一度読みたいと思える作品でした。
また、この遠い夏の記憶を心に残しておきたいとも思いました。

他にいろいろ感想を書きたかったのですが、自分が言語かできないことだらけだったので、少しの感想でおわります。

ではまた次の記事で!

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