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2022年上半期 印象に残ったマンガ5選

今年も半ばを過ぎたので、2022年上半期(1月~6月)の間に読了したマンガの中から特に印象に残っているマンガを5つ選んでみました。

今回も、2022年上半期に発売されたマンガではなく、あくまで私が”2022年上半期に最新巻(もしくは完結巻)まで読み終えたマンガ”という条件です。
そして、1位~5位のベスト5ではなく、あくまで”5選”。


■センゴク天正記

織田信長と豊臣秀吉の下で戦国時代を駆け抜けた実在の戦国武将・仙石秀久を主人公にした歴史マンガの第2部。
第1部に続いて、歴史資料を重視したリアルな情景、乱世で躍動する戦国大名達の信念や生き様の描き方がとても魅力的です。
そして、仙石秀久の出世や後の天下人である秀吉の才能覚醒に呼応するかのように、戦場での勇猛な槍働きより謀略や経済・政治面の描写が濃くなっています。作者も15巻のあとがきで「どんどん地味になっていきました・・・」と述べていますが、個人的にはそのような方向性が大好きなので、むしろテンションが上がってきております。
続けて第3部、そして外伝作の『桶狭間戦記』を読み進めていく予定。


■ぱらのま

謎のお姉さんの奔放な旅風景を通して様々な旅行風景や旅の価値観を綴る旅行マンガも、今年で5巻に到達。
私の中では最新刊が出たら無条件に買う鉄板マンガの一つです。
本作の魅力については過去にも書き散らしたので割愛しますが、今巻も独特の雰囲気で読む人の旅行熱を上げる一冊になっております。
今巻でお姉さんが言う「"わからない"はおもしろい」という旨の台詞は、旅行という行為の根幹を照らす名言だと思います。
そのような感じ方を大切にしていきたい・・・

(引用:『ぱらのま』5巻 / 白泉社 / kashmir / p.7)


■上野さんは不器用

アニメ化も果たしたポンコツ変態サイエンスラブコメマンガも遂に大団円。
最終巻、特に最後の2話はラブコメマンガとして100点満点の締め方だと思っています。
『彼とカレット』の頃からtugeneko先生の大ファンでしたが、キャラクターデザイン、ギャグのノリ、独特の台詞回し等、とにかく先生の作品全体が私の嗜好をあまねく貫いてくるので、無事に完結したことは嬉しいけれど、ちょっと寂しい気持ちもあり。
ひとまず、先生の次回作を待望しております。
ちなみに先生の過去作品『彼とカレット』『まほろばきっさ』なんかもすこぶる愉快なマンガなので、みんな読みましょう!


■ワルプルギス実行委員実行する

速水螺旋人先生の読み切り作品を集めた作品集。
選挙で勝つために雇われた魔女が一騒動を起こす『総選挙の魔女』、現代にやってきた異世界勇者一行がコロナウイルスに挑む『勇者は如何にして心配するのを止めてコロナウイルスを愛するようになったか』、表題作でもある夜宴開催のために奔走する新米魔女のドタバタ劇『ワルプルギス実行委員実行する』等、ファンタジーから現代劇、コロナウイルスをネタにした話からロシア近代文学『外套』のコミカライズという変わり種まで、多彩なジャンルで構成される奇想天外アイディアの見本市です。
作者の溢れるマンガパワーを様々な角度から楽しめる、マンガ好きにはおすすめの作品集です。


■児玉まりあ文学集成

何かのきっかけで本作を読み始めて「何だこのマンガは・・・!」と強い衝撃を受けました。
かなり気に入っているのですが、面白さをどのような言葉に置き換えればよいのか分からない、とても不思議なマンガです。
基本的には、すべての所作が極めて文学的な文学部の児玉さんと、彼女のために文学部活動に勤しむ笛田君のラブコメ、のはずです。
独特のシンプルな絵柄、詩情的で不条理な雰囲気、あまりにも文学的な台詞回し。
そして、ちょっとだけ狂気(特に1巻の第5話・・・!)。
本当に説明するのが難しいマンガなのですが、個人的にかなり印象に残っている作品です。


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