もりかわ

一児の母になろうとしている中小企業社員です

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最近の記事

暮らしのこと お金は人に払いたい

生後3ヶ月の息子を抱っこして外を散歩する。 公園では、緑色が濃くなったね、セミが鳴いているね、草の匂いがするね、と話しかけるネタに事欠かない。 コンビニやスーパーに寄ると、常に鳴っているBGMや、ところ狭しと棚に並んでいる商品に圧倒されて、抱いている息子にかける言葉がない。 そんな違和感から逃げて、店先で買い物ができる小さい商店に行くようになった。 徒歩圏内の個人商店は、自然食品店、和菓子屋、パン屋、寿司屋、焼鳥屋、クリーニング店など。探してみたら、意外とあった。高齢の店主

    • 暮らしのこと 助産院と牛蒡子

      2020年7月17日 2日前から、右脇のあたりから乳腺が固くしこりになってしまっていて、授乳しても柔らかくならなかった。乳腺炎にはなっていないが、このご時世で発熱でもしようものなら病院にかかるのは大変だろうと思い、早めに診てもらうことにした。 徒歩圏内に助産院があることは以前調べて知っていた。母乳相談も受け付けているとのことで、少し緊張しつつ、生後2ヶ月の息子を兵児帯に入れて行ってみた。 表札に助産院と書かれてる民家のチャイムを押すと、痩せ形肝っ玉母ちゃん的な女性が迎え入

      • 暮らしのこと 不安と便秘と母乳

        2020年7月16日 リビングの隅に置いた本棚の上が、うちの仏壇だ。仏壇といっても、位牌を並べて、線香をあげられるようにしてあるだけで、立派な枠はない。 毎朝、お供えの水を替えて、お線香をあげて、今日も生かされています、と手を合わせる。 毎朝というのはちょっと嘘だ。バタバタしているとすぐ忘れる。今日は遅くなりました、とか、昨日はお線香忘れてすみません、と手を合わせることもしばしば。 蝋燭の火を消すと、ブッと音が聞こえた。生後2ヶ月の息子の立派なおならである。昨日、便通がな

        • パパラギ

          パパラギという本を読んだ。サモアの酋長ツイアビがヨーロッパの国をめぐった体験から、白人社会の文明を批評した内容だ。ツイアビは、本として出版するつもりなどなかったと書いてあったが。 今の暮らしかたが、どれだけ時間やお金や凝り固まった概念に縛られているか、縛られていることに気づいていなかったことに驚いた。 私はお金を出して食べ物や生活用品を買って生活している。でも本来、生きるのにお金は必要でなかったはずだ。雨風をしのいで、自分が食べるものを探したり育てたりして、必要な道具をメ

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          本義としてのスロー

          「スロー・イズ・ビューティフル」という本を読んだ。要約を載せたいが、要約できるほど腹落ちしていない。 速いことが良いこと、大きくするのが立派なこと、成長し続けるべき、といった現代の暗黙的な?考え方への疑問と、「ゆっくり」を選択する人々の思想や取り組みが書いてある本、だと思う。 語り口は静かだ。著者の文化人類学の講義を受けているようでもあるし、たまたま出会った旅のおじさんに隣で語ってもらったような雰囲気もある。 この本を読んでいる時間がずっと続けば良いと思った。なにか豊かなも

          本義としてのスロー

          出産12日目から始まる本番

          先日息子が生まれた。つるりと自然分娩、を夢見ていた。実際は前期破水から入院、破水から24時間の時間制限がついて、陣痛促進剤を使用、最後は鉗子分娩、の医療介入を受けた。 それでも、帝王切開にならずに生ませてくれた産院の先生には感謝しているし、息子もよく頑張って生まれてきてくれたと思う。生まれたら胸に抱いて初乳をあげたい、という希望は叶わなかったけれど、そういうこともあるだろうとは思っていた。 予想外だったのは、その後なかなか息子に会えなくなったことだった。分娩後、処置が済んで

          出産12日目から始まる本番

          妊婦、けっこう歩ける

          臨月に突入した。スリムだね~と検診の度に言われ続けた控えめなお腹にも、妊娠線が出現。それは勲章なので良いとして。 早朝、人通りの少ない時間を選んで散歩に出た。草木が花盛りで、団地沿いの道路に植えられたムクゲに咲いた花にもニヤニヤしてしまう。 経路を決めず、目的地も決めないような散歩は、産休に入ってからできるようになったことだ。今まで、何をするでもなく公園のベンチに座っているようなことはできなかった。なにもしていないということにソワソワしてしまっていたのだと思う。 最近は

          妊婦、けっこう歩ける

          暮らしの理想

          4人家族で1年間の燃えるゴミが小型の瓶1個分だけ、という衝撃的な暮らしを実現しているフランス人女性の本を読んだ。 エコで優雅な暮らしの秘訣が色々書いてあった。具体的なテクニックや考え方や、そもそも日本の小売りやゴミ収集の仕組みの違いも考えさせられた。 ただ、一番印象的だったのは、最後に著者が思い描く未来像が滔々と語られていたことだった。自分以外の家庭も含む買い物の仕方や皆の健康状態、教育、地域の在り方など、こんな世界を望んでいる、という理想。 それがどんな未来か、ということ

          暮らしの理想

          公園と自粛とくらし

          外出自粛でも公園が混雑しているというニュースを見ました。近所の公園も、天気が良いといつもより人手が多くなってしまっているそうです。 散歩しようと思ったとき、大きな道路沿いや住宅街を歩くより公園に足が向いてしまうのはなぜでしょうか。 気持ち良いからですかね。草木があって、鳥が鳴いていたり、虫がいたり、生き物の気配がします。深呼吸したくなります。今は春で、季節の移ろいを感じさせる花もたくさん咲いています。 今回のように消去法の外出先ではなく、日々の楽しみが近所の公園であれば、

          公園と自粛とくらし

          柏餅の単純構造

          買い出しのついでに、和菓子屋さんで柏餅を買いました。昔からありそうな古びた建物で、ガタガタとガラス戸を少し開いて、おじさんに130円を渡しました。 家に帰って、番茶をいれました。柏の葉には、しっとりした白い餅がおさまっていました。丸めるための手水が乾ききらないうちに葉の中に閉じ込めた、といった風情です。中のこしあんも、素朴でした。 おやつって、暮らしって、こういうことかな、と思いました。ついた餅に、あんを挟んで、葉をくっつけただけ。目の前に見えるもので、ちょっと工夫すると

          柏餅の単純構造

          幸せでも良い

          感染者や死者数、政治経済の報道で暗くなる日々が続いています。自分は出産を控え産休に入ったため、自宅にいることも不自然には感じない気楽な身分です。 今日、人通りの少なそうな道を選んで散歩に行きました。近くの公園を通るときも、人とすれ違う遊歩道は避けて、コンクリートの道を回り道で進みました。桜が咲いている脇には、お花見は自粛してとの立て看板があり、ウキウキしてはいけないと言われている気がします。 今闘病中の人、生活がたちゆかなくなりそうな人、いつも通り外で働く人、発表される政

          幸せでも良い

          大事な記憶のこと

          時間を持て余して、読書にいそしんでいます。 山本ふみこ著「家族のさじかげん」1章を読んで、自分の小さいころの回想が止まらなくなり、文章に残しておきたくなりました。 小さいころは、田舎の家で3世代が同居していて、父方の曾祖母に子守をしてもらいました。子守歌替わりに桃太郎の話をしてくれたのも、母が仕事で家にいない時間にトイレでおしりを拭いてくれたのも、曾祖母です。パワフルな人で、80代になっても畑仕事をしたり、自分の衣服の洗濯をしたり、ひ孫の私の世話をこなしていました。 私を連

          大事な記憶のこと

          発酵あんこが甘くなかった件

          社会情勢と、妊娠9ヶ月のおなかを抱えた不自由さから、家にいる時間が長くなっています。 産休に入って仕事に充てていた時間が自由になりました。忙しくないことに謎の焦燥を感じたり、ネットの情報から不安を感じたり、頭でっかちに過ごしてしまう傾向にあります。 しかし、妊婦はゴロゴロ、パクパク、ビクビクしてはいけないと宣った吉村正先生の言葉を胸に、小規模な生活は続きます。 妊娠によるむくみが小豆煮を食べて改善され、祖母お手製の梅干しや納豆の美味しさに目覚め、暇さが手伝って「発酵」に興味

          発酵あんこが甘くなかった件

          足の爪を切るのが難しい

          妊娠9ヶ月になりました。おなかが大きくなり、今まで感じなかったところに不自由を感じることが多くなりました。 なんとも、幸せなことです。 今日気付いたのは、おなかが邪魔で、足の爪が切りにくいということ。普段足の爪を切るときは体育座りのように膝を曲げていましたが、それが難しくなりました。あぐらのような膝の曲げ方はできますが、切りたい爪がこちらを向いてくれません。 それでも不器用に爪を切って、出産後の生活の準備を始めました。買っておいた赤ちゃん用の肌着を洗濯しただけですが...

          足の爪を切るのが難しい

          おいしいの定義

          おいしいものを食べたいなぁと思います。 でも、一口目の幸福感が強い食べ物は、食べ進めるうちに飽きたり、あとで不調を感じたりすることもしばしばです。 この前は、たこ焼き食べたい!という欲求に従って、お店でカリッと揚がったたこ焼きにソース、ポン酢、明石焼き的な汁だくまで堪能しました。食べ過ぎました(笑。 満足して帰ったのですが、その後胃もたれして、夜ご飯はいらないなぁという感じでした。そうなると、おいしかった記憶より、もう暫く食べなくて良いかな、という認識に変わってしまいます。

          おいしいの定義

          テレワークの効用

          時勢に後押しされて、テレワークというのに取り組んでいます。自社には設備がなく、在宅で仕事ができるなんて思いもよらなかったのですが、取引先と同僚の計らいに甘えて実現しました。 コロナ云々というより、妊娠8ヶ月の妊婦にとってとてもありがたいことです。立ち上がったり歩き回ったり寝転んだり、周りの目を気にすることなく姿勢を変えられるので、むくみやお腹の張りに対応しやすいのです。 テレワーク1日目は、ガヤガヤと自分の仕事に関係ない会話が耳に入ってくるオフィスと違って静かすぎて、なん

          テレワークの効用