暮らしのこと 助産院と牛蒡子

2020年7月17日

2日前から、右脇のあたりから乳腺が固くしこりになってしまっていて、授乳しても柔らかくならなかった。乳腺炎にはなっていないが、このご時世で発熱でもしようものなら病院にかかるのは大変だろうと思い、早めに診てもらうことにした。

徒歩圏内に助産院があることは以前調べて知っていた。母乳相談も受け付けているとのことで、少し緊張しつつ、生後2ヶ月の息子を兵児帯に入れて行ってみた。
表札に助産院と書かれてる民家のチャイムを押すと、痩せ形肝っ玉母ちゃん的な女性が迎え入れてくれた。家の中に他に人がいる気配はなかった。ご自宅ですかと聞いたら、ここは助産院だけとの返答。
何人かスタッフのいる小さい診療所のようなところをイメージしていた私は、少し動揺して玄関で靴を脱ぐのももたついてしまった。

布団に横になり、隣に息子を寝かせてもらった。
助産師さん曰く、乳腺がしこりになるのは、気温の変化や体調、食べ物など複合的な要因が重なった時とのこと。
3日連続でおやつに白玉を食べたせいだけじゃなかったらしい。そういえば、夜少し肌寒かったのにお風呂を省略して寝てしまったし、寝不足でもあったと思う。

人生初の温灸をしてもらう。焦げ臭い。ちょっと熱いが気持ち良かった。背中が温かい。
途中、息子が泣き始めた。お腹が空いたらしい。
助産師さんは何でもないように、横向きに寝ている私の左胸を息子にくわえさせ、自分は右胸の搾乳を続けてくれた。
必死でおっぱいを飲む息子に、絞ってもらっている右胸から乳しぶきが飛ぶ。左は息子が吸っているし、右はごりごり絞ってもらっている。こんなことは、一生に何度もないだろうな。

処置を終え、牛蒡の種を煎じて飲むようにと持たされた。牛蒡子という漢方らしい。苦いよ、と助産師さんが悪戯っぽく脅した。
家に帰って早速煮出してみた。黒い液体。確かに苦い。でも1ミリくらいおいしい。何というか、効きそうだ。

勇気を出して助産院に行ってみて良かった。貴重な経験と、子育ての話を聞いてもらいアドバイスももらった。何だかすっかり安心してしまった。
固かった乳腺は、牛蒡子を飲んで2日、柔らかさを取り戻し事なきを得た。

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