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11月最後の日、モーツァルトを聴きながら。

寝坊した朝。お弁当を作る気力が無かったので、近くにある天然酵母を使った美味しいパン屋さんへ。
がしかし、今日に限ってお休み。 
時間が迫っていたので、仕方なく近くにある、ちょっと何を使っているか分からない(恐らくトランス脂肪酸たっぷり)のパンを購入して仕事場へ。

午後、雨に降られる。
今日に限って、あまり着ないセーターの羽織りだったから、雨で台無し。
自転車を漕ぎながら、視界が遮られ、マスクの下から、大粒の涙のように雨が伝い、ズボンに重みが増し、セーターの編み目から、冷気が入り込む。
段々と身体の芯が冷えてくるのを感じる。
帰ってすぐに、お風呂を洗ってお湯を沸かす。
沸くまでの間、仕方がないので、素っ裸のまま、濡れた荷物をせっせと拭いていく。

こんな日には、自分に対する自信が、いつにも増して低くなる。

上手くいっている何処かの誰かの話を、清らかな心で聞くことが出来ない。
「もう続けない」と決めた筈のお仕事に、思わぬ誘いが舞い込んで来た事に、喜びを感じてしまう。
もうほっといて欲しいと思いながら、同時に、誰かに構って欲しいと思ってしまう。

こんな日の自分が嫌い。
早く今日が終わって欲しいと、不貞腐れる。

いつも朝食にたっぷり頂く果物。
今朝は急いでいて少ししか食べられなかったので、おやつに柿を頂く。
モーツァルトを聴きながら。
この心模様が、少しでも好転するように願いながら。
この雨模様が、私が夜出かける頃には、少しでも止んでいるように願いながら。

月毎の節目という文明を作った人間を、自然は知っているかのように、12月が始まる明日から、ぐっと寒くなる。

冬が始まる。
あれから1年が経つ。

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