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嫌いな食べ物を克服するかしないか

 会社の先輩で、口角炎が治らず病院に行ったところ、レバーなどに含まれるビタミンB群の不足が原因だったことがありました。

 でも、その方はレバーが大嫌いで、絶対食べたくないので、サプリメントを飲むと話していました。飲み会で出てきたあまり臭みのないレバーペーストも、試しにどうですかと冗談で言っても無理とお断りされました。

 私もレバーは好きではないのですが、貧血気味で悩まされていたこともあり、少ない頻度ではありますが食べるようになりました。

 身体が悲鳴をあげるぐらいの栄養不足だったら、味なんて気にしてられないと思うタイプです。病気でも食べないという、その先輩の頑なところをすごいと思いました。

 食べ物の好き嫌いを大人になれば、克服しなくてもうまく生きていけます。

 私は、ずっとお豆腐が食べられなかったです。本当に嫌で嫌で仕方がなかったのです。ところがある日、会社の上司の家に遊びに行くことになり、おもてなし料理の中にお豆腐がありました。わざわざ美味しくて有名なお豆腐を買ってきて下さったとのこと。

 まったく口にできない訳ではないので、なんとか食べてやり過ごしましたが、食事を楽しめたかと言えばそうではありませんでした。

 食べれなかったのに美味しいと言った後ろめたい気持ちが後を引きました。それにお豆腐は日本にいればいろいろなところで出会う食材。楽しめたらいいなぁという気持ちが強くなり、その日からお豆腐を食べれるよう克服することにしました。私は、嫌いなものを食べるために大きく2つのことをしました。

① お豆腐嫌いは子どもの時からなので、母に理由を知ってないか尋ねた。
②食べ慣れるまでは、美味しく調理されるお店で食べるようにした。

 ①の理由は、母いわく、離乳食の時に熱いのを食べさせてしまったことがあり、そのせいもあるかもと言われました。私は、味が嫌いと思っていたので、始まりがそんなことだったらもういい加減嫌いの呪縛から解き放たれたいと強く思うようになりました。始まりが大した理由じゃないのであれば、味が嫌いと思い込んでいるのかもしれないと考えたのです。

 ②は、始めから冷奴のような高度な豆腐料理をいただくのではなく、揚げ出し豆腐やスンドゥブなど、豆腐の味が少し緩和されるものをお店で食べ始めました。さらには、京都旅行で湯豆腐をいただくなど、楽しい思い出も混ぜ込むようにしました。

 このように取り組んだところ、まだ食べ方によっては好きではないものもありますが、ほとんどは美味しくいただけるようになりました。大人の階段を登った気がします。

 たまには、嫌いなものに向き合うのも悪くはないと思える経験でした。

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