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読みたいと思った本が読めるようになる時代がこれからも続き、またこれからも続きますように/傑作バンド・デシネ『Rébétiko』(レベティコ)を翻訳出版したい!

 フランスの漫画(バンドデシネ)の翻訳で精力的に活動されている原正人さんがクラウドファンディングで『レディベコ』というバンドデシネの翻訳を目指しています(2/17まで)。
『レディベコ』はギリシャの下層階級に愛された音楽で、大戦前のアテネを舞台にレディベコのミュージシャンたちのどうしようもない日常の物語です。(詳しくはリンク先)
原さんとは私の前職の書店からのお付き合いですが、電車で1時間30分、駅から車で20分以上かかるところにある店まで来ていただき、私と二人で「海外コミック読書ガイド」というトークイベントをやりました(客は二人という状況でしたが涙)。
 私は原さんから多くの魅力的な海外コミックを教えていただきました。
中でもエマニエル・ギベールの『フォトグラフ』(小学館集英社プロダクション)は私のバンドデシネ観を決定付けた大傑作でした(残念ながら絶版)。
アフガニスタンに「国境なき医師団」と同行した写真家のノンフィクションコミックでありながら、アフガニスタンという不可思議な国に西欧人の精神が病んでいくという物語はコンラッドの『闇の奥』のような深淵さを感じられるものでした。
しかし現状この本が絶版となっているように、バンドデシネやグラフィックノベルといった海外のコミックは国内でも一部の専門店以外では書店でも見られる場所は多くなく、また海外コミックというものが存在していることさえ知られていない状況です。
ビジネスとしてみると海外コンテンツの中でも海外コミックというのは読者数も少なく、また知られる情報としても小さいのが現状です。
しかし海外コミックに関わっている人々とお話ししていると、ほとんどの人が作品のすばらしさ、豊かさ、驚きを語ります。そしてそれを多くの人に読んでほしいと願っています。
原さんからまだ見ぬ海外のコミックの話を聞いていると、世界のコミックのほんの一部、小指の爪の先ほどのものだけしか国内で翻訳されていない状況にもったいなさと読んでみたい欲求が湧き上がってきます。
 
しらない世界のコミックを読んでみたい。
私はこのギリシャが舞台の『レディベコ』を読みたい。

この単純な欲求は、しかし私たちが本を読むことの根源的な動機だと思うです。
読みたいと思った本が読めるようになる時代がこれからも続き、またこれからも続きますように。

最後に、リンク先のクラウドファンディングにて『レディベコ』翻訳出版へのご支援を賜れましたら、いち読者として幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。 投げ銭でご支援いただけましたらとても幸せになれそうです。