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暮らしに彩りを添える人。/bo canta 相樂 佳祐さん【後編】
【前編】はこちら。
庭をつくるより前に「人」との関係づくり
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庭づくりを始めるとき動線とか考えるのは当然として、リビングから見える景色とかキッチンに立ったときに見える景色とか、そういうのをまず意識するかも。
でもね、まずは庭よりも「人」なのかもしれない。この庭づくりの主導権を握ってるのは誰だろう?とか探りながらコミュニケーションとってく。で、僕は立場の弱い方に肩入れしがち、笑。けど興味ない人にも興味持たせるようなデザインしたいし、意見が割れても納得してもらえる地点に着地したいんです。僕、つくりたい庭とか別にないんですよね。家より目立っちゃう庭はつくりたくないし、やっぱ家を引き立てるような庭がいい。でもバランス的にこうやった方がきれいに見えるとか動線もいいしっていうのは経験値としてある。
だからいきなり「庭つくるぞ!」っていうよりまずはお客さんとの関係を作る。「休みの日どんなYoutube見てんすか?」とか「独身のときはどんなことしてたんですか?」とか「外食ってどういうとこ行きますか?」とか、一見関係ないことを色々聞くようにしてて。そうやってかなりお客さんとかなり話しますね。例えばキャンプが好きっていうご家族だったら「キャンプのとき料理は誰がするの?」とかそういうところにとっかかりがあったりする。じゃあ、庭にローズマリー植えてちょっとちぎってお肉料理に入れるといいとか、なんかそういう。かっこいいのとかは作れないけど暮らしに楽しみを与えられるような提案をしたいなって、常に思ってるかもしんないですね。そうやってお客さんと関われて、その人の生活が少しでも豊かなものになって、そういう人たちと繋がっていけるといいなとか思いながらしてるんすかね。で「庭でバーベキューするからおいでよ!」って…
―――呼んでもらえたり?
意外とないんだよねー、笑!これ僕の夢かもしれない、お客さんちのバーベキューに呼ばれるの、笑。
子どもといる時間と、季節の料理
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今の僕の生きがいは子ども。仕事頑張ろうって思うし、子どもと一緒に暮らすってこんなに楽しいの?って日々驚いてるぐらい、笑。毎日進化してるから、言うことも考えてることも全部おもしろい。こっちにもいろんなこと考えさせてくれるし。長女が2歳か3歳ぐらいだったかな?公園で風が吹いてざわざわざわって森が鳴ったときに「風たちがお話してるね」とか言ったんですよ。もしかしたら子どもには本当に話が聞こえてて、でも大人には聞こえなくなっちゃったのかもしれない、って思ってドキッとしちゃった。そんなわけあるかぁい、笑!って言われるかもしれないけど、でもなんかいいなって思いましたね。
そういうのもあって、子どもたちがコンクリートと人工芝のなかで育つのは僕は嫌だなって。休日どっか家族で行こうってときにも緑があって気持ちいいところ、キャンプとか自然な遊びが多い。もっともっといろんな経験させたいな、一緒にしたいなって思う。
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ヤグルマギクとダンコウバイの花のサラダ
あとは、料理が好きなんです。早く帰ってきた日とかは夜ごはん僕が作りたい。ストレス発散だし、やっぱりあんまりいいごはん食べてこなかったのね、僕は子どものころ、苦笑。それで食はすごく気にしてる。ごはんは鍋で炊いて、ドレッシングも作って、できるだけ安全なものを使いたいから無農薬の野菜を定期便で買ったりもする。その季節に採れたもの食べさせたくて、大変だけど栗の渋皮煮とか毎年やるし、焼き芋焼いたりとかもする。だから庭で収穫した野菜とかハーブをもっと生活に取り入れたいし、お客さんに提案もしていきたいなあ思ってますね。
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最近は餅つきをしたくて杵と臼を手に入れたとか!
庭を自分のものにしてくれたら、完成かもしれない
―――じゃあ最後の質問を。これからのniwaco design、これからのbo canta、何か野望はありますか?
さっきも言ったけど、 つくりたい庭もやりたいこともないんですよね。だから今のままをずっと維持し続けていきたい。で、庭で採れた植物の料理とかを…。あ!そういうレシピ本みたいの出せればいいなぁ!やりたいこと、ありましたね。
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庭ってつくって終わりじゃないんですよね。植物は生き物だから思い通りにならないこともあるし、日々成長もするし。庭づくりの何をもって完成っていうかは難しいですけど、個人的な「もう完成」は、お客さんからバーベキュー呼んでもらったら、笑。…というのはちょっとふざけたけど。
庭つくったばっかりは木も全然違うところから持ってくるから、連れてこられたみたいな感じでいるんです。でもだんだんその庭の水とか土とか光に馴染んできてのびのび過ごし始める頃に、やっと庭の今後の姿の原型が見えてくるっていうぐらい。
その先、例えば庭に植えたブルーベリーで染め物したとかミントでハーブティー作ったとか、 そういうのしてくれれば完成っていうか、僕の手を離れたなと。そう、お客さんが庭を自分のものにしてくれた、って感じかな。そしたら完成かもしれませんね。
木は植えたら育つんでその後も剪定とか頼まれる。その頃には当然お客さんちの子どもたちも成長してる。そうやってずっと関わっていけると楽しいですね。
bo canta 相樂 佳祐さんは
暮らしに彩りを添える人。
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