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暮らしに彩りを添える人。/bo canta 相樂 佳祐さん【前編】

暮らしのソトとウチを植物でつなぐbo canta

 bo cantaボカンタ相樂 佳祐サガラ ケイスケです。もともと niwaco designニワコ デザインという屋号で造園屋・外構屋をやってて、その直営ショップとして2021年にbo cantaをカクイチビルにオープンしました。主に観葉植物と植木鉢とガーデン雑貨を取り扱っています。庭づくりで触るのは屋外の植物だけど、家の外と内が植物で繋がればいいなって思いがあってbo cantaの方では室内で楽しめる植物を、と自然な流れで。

おもしろいかたちの植物がわさわさにょきにょき

小さなお店だから本当に好きなものをひとつひとつセレクトして自分で仕入れてきてます。お客さんにもいっぱい買って増やそうってしてもらうよりは、1つ気に入ったものを大切に長く育ててもらいたい。植物って本来は優しい気持ちにさせてくれるものなのに、枯れちゃうとか育て方がわかんないとかで逆にプレッシャーとかストレスになりがちみたい。そうなっちゃうのが嫌で。だから自分の気に入った1つを大切に大きくしてくれれば、って。

つい増やしたくなっちゃうけど
まずは気に入ったひとつを大事に育てましょう

僕はそもそもが庭づくりから始まっているので、飾ってきれいだなというよりは土で育つ植物が大きくなってく喜びとかそっちが好きでやってます。あとはやってみてわかったけど、お店っていう場があるとお客さんと話しがしやすいですよね。わざわざアポとってとかじゃなくて、観葉植物を見に来たついでに庭の雑談とか相談ができたり。

棚にはかわいい鉢やガーデン雑貨も
プレゼントにも良さそう

ちなみにniwaco designは「庭」と「子」という意味を込めて。これからを生きてく子どもたちの暮らしや成長を、庭を通してサポートしていければとか思いながら。bo cantaの方はクラシック音楽で使う「カンタービレ」っていう「歌うように美しく」「表情豊かに」みたいな言葉に「botanical」の「bo」をくっつけて。無理矢理なんだけど植物を通して歌うように美しく暮らせれば、って。こう考えてみるとどちらも暮らすことに重きを置いて名付けてるかもしれないですね。…とか言って、正直なところは自分ちの子どもの名前にかなり引っ張られちゃってます、笑。

暗黒時代、卒業アルバムを鬼怒川にぶん投げる

僕自身は子どもの頃、暗黒時代だった。母親しかいない家庭で育って最強に貧乏だったんですよ。兄弟仲も悪かったし、家族って何?ってめちゃくちゃひねくれてました。2、3回転校したのもあって学校もあんまり馴染めなかったりで、おとなしい子どもだったかな。人の顔色を伺っちゃってたんですよ、嫌われたくないから。だから人気者にもなれなかったし、 かといって不良にもなれなかったから、変わり者で行くしかないな、みたいな、笑。自分をうまく表現できなかったのかなぁ。

それで中学校の卒業式の日、僕の人生最悪だって思って。中二病とかそういうのじゃなくて本当に病んでたんですよ、絶望。みんな紅白まんじゅう食べてたりしてるけど、なんか僕はやりきれなくなっちゃって。ちょっと付き合ってた子と別れちゃったりとかもあって、卒業アルバムを鬼怒川にぶん投げちゃった、笑。今すごい卒業アルバム見たいけど、流されちゃいましたね。鬼怒川の底にあるのかなー、笑。

高校は宇都宮工業の建築科に行ってたんだけど、卒業したらどうすればいいかわかんなかった。建築をやりたかったけど大学に行くでもないし大工になりたいでもないし。人生設計ができてなかったのもあるんですけど良い未来が全然想像できなくて。で、フリーターみたいなことしてて「ふらふらしてないでちゃんと仕事したら?」って母親から紹介されたのが盆栽屋みたいなとこだった。そっからっすね、外構と造園を仕事にすることになるのは。

幼少期貧しかったとか思い通りにならなかったとか、今の自分の根っこにはやっぱりそれがあるんだと思う。だから僕には反骨精神みたいなのが常にあるのかもしれない。今はもう面白おかしく話せるようになったけど。生きててよかった、マジで。大人最高。

暮らしがより良くなるような「目立たない」庭をつくる

「かっこいい庭」は作れないけど
暮らしを豊かにする庭なら、とは相樂さん談

別にやりたくて始めたわけじゃなかったんだけど、やってるうちにめちゃくちゃ面白いなって思っちゃったんですよ。いろんな家に行って、いろんなテイストがあって、いろんな人がいて。そこに家を引き立てる、家より目立たない、外構とか庭をつくる。もっと踏み込んだ言い方をするとお客さんの暮らしがより良くなるようにってことに焦点を絞って庭をデザインしてくのがすごい楽しい。植物もどんどん好きになった。
あとね、庭って依頼をしてくれたお客さんのために作るんだけど、実はその周りの環境とか景色もちょっとだけ良くしてるような気もしてて。造園業のそういうとこも気に入ってます。
同じ業界のなかで2度ほど転職しましたけど、18のときからやってるからもう20年近くになる。僕、飽きっぽくて、続いてるものって本当これしかない。やだ!って思うことはあるけど、やめようと思ったことはないかもしれない。ノリで始めた割には結果的にかなり続いてる。それで独立してniwaco designが今6年目ですかね。代表作はこれといってなし!みたいな感じでこれからもいきたいっすね。

相樂さんの愛車、かっこいい!

【後編】へ 続く。

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